見出し画像

【ポルトガル移住4 】NIFを取る

家を決めた私たちが次に行ったのが、NIFの取得。NIFとはNuméro de Contribuinte=納税者番号。ポルトガル語について書いたnoteで少し触れたことがあるのですが、こちらではこの番号がすごく頻繁に使われるし、身近な存在です。(ちなみに、その時のnoteはこちら)

そのNIFナンバーからNISS(Número de Identificação de Segurança Social)、SNS(Serviço Nacional de Saúdeの番号)と様々な番号を取得するために奔走した(主に夫が…)日々について、忘れないうちに記録していこうと思います。(最初は全部の番号について一つのnoteで書こうかと思ったのですが、NIFだけで長くなってしまったので今回はNIFの話に止めることにしました)

ちなみに、トップの画像は番号絡みで画像を探していた時に見つけたもので、フードコートでご飯が出来上がるのを待っている間に渡されるものです。デジタルで番号が表示されて、出来上がると音と光と振動で知らせてくれます。これは日本のフードコートと一緒かなと思うのですが、こちらのものは大抵この端末で、真ん中のお店名のところだけ違うという感じがします。あまり他のサイズとかデザインのものに出会わないです。(今のところ)

NIFを取る1 朝早くから並ぶ

まず、大家さんとの約束の日(契約日)を前にNIFを取りに行くことに。ちなみにこの読み方は「ニフ」。私は途中まで「エヌ・アイ・エフ」と読んでいたけれど、それでは現地の人も「??」という感じでした。現地の人にも「ニフ」なら通じると思います。ただ、正確には「Numéro de Contribuinte」です。スーパーの会計時なども「Contribuinte?」と聞かれたりします。「NIF?」と言ってくれる人もいます。

話は逸れましたが、NIFはFinance Lisbon 2 (Serviço de Finanças Lisboa 2)というところで取りました。Finance Lisbonと調べるとあちこちにあるのですが、どこでも駆け込みで番号を取りたい人に対応しているという訳ではないらしく、朝行って、並んで、取れるというのはここしかないと教えてもらいました。(他にもあるのかもしれないのですが、私は分からないです…)

凄く混むというのと、朝早くに行って整理券をもらわないと取り合ってもらえないという話があり、朝8時頃に着くように向かいましたが既に10人くらい並んでいました。

最初にNIFを取る時はまだ家の契約前なので、身分証明書の住所も全て日本のものなのですが、そのままで取れました。その代わり、こちらに住所がある夫の友人に代理人として一緒に来てもらう必要がありました。(本当に感謝です…)

整理券を無事もらい、順番を待ち、中に入ります。結局2時間近く待ちました…(夫と友人が並んでくれて、その間私と子供たちは近くのカフェで待機していました)

中に入って、奥のカウンターに向かいます。夫と夫の友人が、カウンターのおばちゃん(おばあさんに近い)に話しかけると、おばちゃんにいきなりキレられました。曰く「ポルトガル語が話せないの??あんた代理人なのにポルトガル語話せないの?英語は話さないわよ」というようなことをポルトガル語で言われたとのこと。うーむ。

しかし、食い下がると渋々応じてくれることに。見るに見かねた周りの人(英語が話せる人)も手伝ってくれて、なんとか手続きを開始。


NIFを取る2 親子関係が証明できない

上の段落にも書いたのですが、住所は東京のもので大丈夫でした。その代わり、代理人がポルトガルに住所があり、既にNIFを持っていることが条件でした。

子供たちの分4人分取ろうとしていたのですが「パスポートだけではあなたたち親子の関係が証明出来ないから番号は発行出来ない」との答え…そのために戸籍謄本にアポスティーユまでつけてきたものを持ってきたのに、 「この書類ではダメだ」と言われてしまいました。食い下がるも、これに関しては周囲も「大使館に行って、この書類のポルトガル語訳に証明書をつけてもらってきなさい」との答え。

諦めかけたけれど、結局は夫が機転を効かせて「大人二人分の番号だけは発行できるでしょう?」と言ったところ、なんとか日本の住所でNIFを発行してもらえることになりました。

NIFを取る3 子どもパワー

そこから色々入力したり、コピー取られたり、と作業が進んでいくのですが、ここまでの待ち時間の長さから二人の子供はぐったりしており、上の子は事務所内のカウンターから少し離れたところに座っていました。下の子は寝ぐずりを経て寝てしまったので抱っこした状態でわたしはカウンター近くで作業が進んでいく様子を見届けるべく、立っていました。

すると、流石は子供に優しいポルトガル。私に対して周りの人々がみな「あんたは座ってなさい」と言ってきてくれました。

そして、作業がひと段落し、いよいよ書類にサインするフェーズに。私も呼ばれ、子を抱っこした状態でカウンターに向かうと、そこまで終始イライラしていた担当のおばちゃんが、子の寝顔を見るなりパッと穏やかな顔になりました。更に隣のカウンターの担当者に「見てみてこの子、めちゃくちゃ可愛いわよー!(というようなことを多分言っていたはず)」と声をかけて、寝ている子供に対しても「Olá! Bebé, linda〜!」といった調子で声をかけるデレデレモードに急に変わりました。ポルトガルに於ける子供パワーを最も感じた瞬間でした。

NIFを取る4 無事完了

こうして、なんとか無事番号を発行してもらいました。番号はカードで貰うとかそんなものではなく、A4の紙に印刷して渡されました。だからその場で写真を撮って、紙は紙で無くさないように大切に保管。

こうして家の契約のために必要な書類は無事集まりました。

NIFを取る5 親子関係証明書類の取得

この日はひとまず私と夫のNIFをとることに成功したものの、子供たちのNIFは取れていないままです。別に納税者番号なのだから子供は必要ないのでは?と思う部分もあったのですが、こちらでの生活においては必要不可欠なようでした。例えば

  • 公立小学校や保育園への申し込み(なくても申し込めるけれど、後から提出する必要がある)

  • 市が主催するサマーキャンプへの申し込み

などなど、何かと公的なものに登録したりする時に子供自身のNIFの提示が求められるようです。

そこで、先ずは日本から持ってきた戸籍謄本の翻訳証明というものを在ポルトガル日本大使館でやってもらうことにしました。

手数料、34ユーロ…高い…でもこれしか方法はありません。翻訳したものを自分達で用意して、データをメールで送り、受け取り時にだけ日本大使館に行きました。

そうしてできた親子関係を証明する書類(子供のNIF取得目的)と、家の契約書(住所変更目的)を持って再びNIFの事務所へ向かいました。

NIFを取る6 住所変更

再び例の事務所に向かいました。今回は我が家のメンバーのみで行きました。やはり通された先にいたのは前回と同じおばちゃんだったけれどカタコトのポルトガル語で頑張ってコミュニケーションを取ってみると、割と淡々と作業を進めてくれました。

先ずは、私たち大人のNIFの住所変更。こちらはどうやらネットでも出来るようなのですが、子供たちの分を取る必要があったので(これは事務所でないとできない様子)事務所でやってもらうことにしました。手続きはとてもシンプルで、家の契約書とパスポート、自分のNIFの書類(前回発行してもらったもの)を見せて対応してもらいます。

住所の入力は、おばちゃんが資料を見ながらその場で手入力してくれるというものです。ちなみにこのおばちゃんはPCが苦手というか、あまり得意ではないようで、両手の人差し指でゆっくりタイプしていました。そして、変更後の住所を確認するように完成した書類を見せられたところ、タイプミスを発見!指摘してその場で修正してもらいました。NIFはすべての番号の源流みたいなもので、なにかと使うものなので、これが間違ったままだと今後も色々な場面で大変になってきます。だから時間がなくてもこの確認だけはしっかりやらないといけないと思います!

NIFを取る-7 子供のNIF

そして、次は子供たちのNIFの発行。大使館に発行してもらった書類を提示すると、すんなりと作業は進みました。申請書類に当たるものを渡され、前回は代理人として来てくれた夫の友人がサインしてくれた欄に夫がサインをして、提出。そんなこんなであっという間に子供たちの番号は発行されました。

そんな作業が進む中で、少しだけポルトガル語の単語を口にするようになっていた下の子供が「bom dia」と言いました。そうしたらおばちゃんは、隣のカウンターの女性に「この子、bom diaって言ったわよ!(と、多分そう言っている)」と言って、盛り上がり、そこからおばちゃんと隣の人とみんなで子に向かって「bom dia!」の大合唱。

子供に優しく、自国の言葉を話すものに対してとても仲間意識を持ってくれる。とても素朴で温かい人々だなぁと改めて思いました。

番号一つ取るのもとても大変でしたが、今思い返すとポルトガルという国を肌で感じられる貴重な機会だったなと思ったりもします。

NIFを使う

NIFは買い物の時に申請するという話は何度もしてきたのですが、意外な使い方をしたのでそのことも一つ記録しておきたいと思います。

子供の公立の小学校の申し込み時に、オンラインで申請及びステイタスの確認ができるのですが、そのサイトへのログインにまさかのこのNIFを使ったIDが必要でした。(ソーシャルログインのようなもので、このNIFを使ったIDか、レジデンスカードを使ったIDがあれば申し込みサイトにログインできるというもの)

ただ、このIDがちょっと曲者で、ただNIFがあれば良いというものではなく、ATという税務管理局のサイト上で自分のNIFを入力して、自宅に郵送で送られてきたパスワードを入力しないとIDが使えないのです!

なので、NIFが取れたら、使うことないかもなぁと思っても、一先ずこのATのアカウントを作ることをオススメします。(申請から3日くらいでパスポートの書かれた書類は郵送されてきました)



NIFだけでこんなに長くなってしまいました…他のものはもう少し短く書けると思うので、次は別の番号の取得に関して書いておこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?