リヨン第三週目の備忘録
リヨンでの生活も3週目。半分以上過ぎ去ってしまい、帰郷の日が近づいて来ました。うーん、日本に帰るわけでもないのに帰りたくない。
3週目も落ち着いているようでなかなか濃い1週間でした。今回は週末込みの記事です。
寮での生活
ルームメイトとは適度な距離感を保ったまま、快適に過ごしています。ルームメイト、2人ともちょいちょいよく歌うので部屋にいても歌声が聞こえたりします。私は元々あまり音楽を聴くタイプではないし、歌う勇気もないので、なんだかすごいなぁ……と。まぁ、カラオケが(ほぼ)ない国なので、部屋で歌うしかないですよね。
あとは、足音もバタンバタン聞こえる時もあり「不機嫌なのかな?」と邪推することもありますが、別に顔を合わせればニコニコしてくれるので、別に私に悪感情があるわけでもないのだし、と気にしないことにしました。共同生活ではこういった点が神経質な人にはちょっとしんどいかもしれません。
語学学校について
授業はとても楽しいです。読む、聞く、話す、書くの4技能をバランスよくやってくれるので、勉強になります。先生が選んだ記事を読んだり、ペアワークでちょっとした会話を作って発表したり、ラジオの番組の一部分を聞いて要約を作ったりと、活動はバラエティに富んでいます。
文法は条件法(Conditionnel)の現在形と過去形、仮定法(Subjonctif)に入りました。仮定法は仏検のために個人的には勉強していましたが、授業で扱ったのはこれが初めてで、日本語にはない感覚なので面白かったです。後悔だったり疑いだったり、可能性を示したりする場合は仮定法を使い、とにかく主観的だろうと客観的だろうと、話し手の頭の中で「確実なこと、絶対であること」に対しては直接法(l’indicatif)を使うみたいなので、なんとなくフランス人の押しの強さが見えた気がします。
Dégustation de chocolats
夏季大学主催のイベントで、リヨンのクロワ・ルースにあるショコラトリーに行って、さまざまな産地のチョコレートを試食させてもらいました。このイベントにはなんと、学生が22人も参加!チーズの時よりも多い!!やっぱりみんな甘いものが好きなんでしょうね。私は……ビターチョコ派ですが。
なので、試食させてもらったチョコが5種類中3種類、ミルクと混ぜていないビターチョコだったのが嬉しかったです。さらに、うち一つは砂糖すら入ってないガッツリカカオのチョコレート!好き嫌いは分かれるとのことですが、もちろん私は好きです。
そして2種類はミルクチョコだったのですが結構甘くて……フランスのミルクチョコは日本のより更に甘い気がします。ミルクチョコというよりはハイミルクチョコ。美味しいけれど、沢山食べたいとは思わないので試食のサイズでちょうど良かったです。
帰りにコーヒーの混ざったチョコやオレンジを使ったチョコを計4種類ほど買いました。大抵のチョコレートは冷蔵のショーケースに入っていたのですが、チョコごとに値段が決まっているのではなく量り売りのようで、私が選んだチョコだと4粒で3.5€でした。
そして、お店側からプレゼントとしてチョコレートが渡されました!引率してくれる職員さんによると、完全にお店側のご厚意だそう……。ありがとうございます、美味しくいただきます(いただきました)。
La Basilique Notre Dame de Fourvière
週末のお出かけ第一弾は、フゥーヴィエールの丘にあるバジリカ大聖堂の訪問と、その周辺の散策です。以前、マルセイユ旅行の記事で触れたように、このバジリカ大聖堂はマルセイユのものと同じ時代、19世紀に建てられました。
外見はマルセイユのものと異なり、白っぽいです。レリーフがとても美しく、比較的新しい大聖堂だからか彫刻が腕なども含めてまだきちんと残っています。古い教会や建物だと、緻密なレリーフのうち特に人間が彫られていた場合、腕が取れちゃってたり鼻がかけたりしていることもあるので……。
そして内側がすごい!マルセイユのを見た時も思ったことですが、19世紀建築の大聖堂たちは中身が豪華!特にフゥーヴィエールは翠と金を基調にした天井が美しい!地下では世界中の聖母マリアを展示しており、非常に興味深かったです。
大聖堂を見終わった後は、近くにあるローマ時代の遺跡へ。写真が下手なのでわかりにくいと思いますが、これは劇場の遺跡です。リヨンはガロ・ローマの時代にガリア(フランスのこと)の首都だったので非常に発展していたようで、この劇場は5000人弱を収容できたそう。そして、写真を見ればわかると思いますが、ステージが設置されているように、今も現役です。
このガロ・ローマ時代についての博物館が近くにあり、そこではローマ時代の日用品や装飾品(食器やランプ、アクセサリーなど)、ローマ時代の石碑や石柱などを見ることができます。
その後は宗教美術館に行ったのですが、「展示的にPouline-Marie Jaricotについて知ってからの方がいい」と受付の人に言われて、先にその人が住んでいたお家を見てから美術館に行くこととなりました。Paulineは裕福な家の出身で、キリスト教に人生を捧げ宣教師となり、聖人に加えられた女性です。美術館の展示内容としてはPaulineの生涯についてと、彼女に関わりが深い人についての展示が大半だったので、確かにあんまり「観光客」が気軽に立ち寄るところじゃないのかもなぁ……と思いました。ただ、Paulineの展示は8月までの特別展とのことなので、8月以降はまた違う展示がされていると思います。
L’île barbeとCHRD
週末のお出かけ第二弾はL'île barbeです。リヨンの市街からは少し離れたソーヌ川に浮かぶ小島で、公園が整備されています。永井荷風の『ふらんす物語』では髭の小島と訳されているように、Barbeは顎髭を指します。なかなか綺麗な場所でしたが、ちょうど今週末はローヌ川・ソーヌ川祭りだったこともあり子供連れがたくさん!午後からイベントがあるようでした。
私は午後は美術館に行こうと思っていたので、昼ご飯のパンを食べたら島を出て、Jean Couty(1907〜1991)という画家の美術館に行きました。L‘île barbe 出身の画家で、リヨンの画家としてはかなり有名なようです。私は美術は専門外なので全然知りませんでしたが……。
その後は市内に向かい、Centre d'Histoire de la Résistance et de la Déportation Musée de Lyon(以下、CHRD)を見学しました。リヨンは第二次世界大戦時、親ドイツのヴィシー政権に支配されていたのですが、レジスタンス運動が非常に盛んでした。それゆえに収容所に送られた人も多く、博物館名にもdéportation(強制収容所への強制移送) と付いています。
今回、企画展の一つは子供のレジスタンス活動についてだったので、子供向けに説明が書かれており、高校で世界史を取っていた分、事前知識があったのも良かったのか、私でもそこそこ読めました。大人向けの説明文はやっぱりまだまだ難しいけれど、手持ちの知識と擦り合わせながらなんとか見て回った感じです。内容はここで下手に書くよりも、現地で見た方が断然良いので書きませんが……とにかくリヨンに来たのなら一度は訪ねてほしい博物館です。Google翻訳片手でも良いから見てほしい。
もうすぐリヨン滞在が終わってしまうので、来週は荷造りもしつつラストスパートをかけていきたいと思います…….が、まずはThéâtre の台本を覚えます。頑張れ、私の脳みそ!
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