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ピアノについて

1.ピアノとは?

ピアノとは、弦をハンマーで叩くことで発音する鍵盤楽器の一種である。鍵を押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、音が出る。


2.ピアノの歴史

ピアノは、トスカーナ州フィレンツェのメディチ家(芸術家のパトロンとして有名)に仕える楽器制作者、バルロメオ・クリストーフォリ(Bartolomeo Cristofori 1655-1731) によって1700年頃に発明された(もう少し前とも言われている)。

従って、ピアノは大体320年ほどの歴史がある。現代の「モダンピアノ」と呼ばれるピアノは、産業革命後の1850年頃に出来たといわれる。それ以前のピアノは「フォルテピアノ」と呼ばれている。


3.貴族から市民へ音楽の広がり

ピアノの黎明期は、貴族社会から市民社会への激動の時代であった。それにより音楽の需要やあり方も大きく変化し、バロックから古典派、ロマン派と展開していく。

かなり大雑把な音楽の時代区分。バロックは1600年~1750年ころ、古典派1750年~1830年ころ、ロマン派1830年~1900年ころ。

J.S.Bachはフォルテピアノを弾いたことはあるが、作曲に用いることはなかったようだ。

フォルテピアノが主流になってくるのは、バッハの息子たち(J.S.Bachの息子のうち4人は音楽家になった)の時代やハイドンあたり、つまり古典派からの様です。


4.ピアノ誕生の前の鍵盤楽器、ピアノの原型の誕生

ピアノ登場前は、鍵盤楽器は大きく分けて3つあった。「オルガン」「チェンバロ」「クラヴィコード」である。

オルガンは教会で使用される。チェンバロは貴族たちのサロンで使用される。クラヴィコードは個人の楽しみのために使用されていた。そのころの音楽の主たる場は、教会、劇場、サロンであった。後にコンサート文化が花開き、ピアノもそれに合わせて変化する。

チェンバロは構造上、強弱が付きにくいという欠点あり、クラヴィコードは、強弱はつくが音量が小さいという欠点があった。

クリストーフォリは楽器の改良を行って、変形クラヴィコードや変形チェンバロを作成している。当時の理想の鍵盤楽器のイメージとして「強弱のつくチェンバロ(特に繊細な弱音が出せるもの)」「音の大きいクラヴィコード」というイメージがあった。そうして初期のピアノができた。


5.ピアノの黄金期

19世紀以降は、音楽が市民に広がりコンサートという文化が発展し、ピアノもそれに合わせ、より大きな音量や音域が必要になり、変化していった。ピアノの黄金期である。ロマン派のピアノ音楽の代表的な作曲家はリストやショパンなどである。

ピアノはクリストーフォリが発明した後、発展はドイツで起こった。有名な楽器製作者にゴットフリート・ジルバーマンがいる。ドイツでは、チェンバロよりもクラヴィコードが重視されていた。何故なら強弱が付くことにより、繊細な表現、個人の内面の表出ができると考えられていたからである。ピアノは出来始めの段階では、ダイナミックで、強靭なフォルテを出せるように作られたのではなく、むしろ弱音が重視されていたということである。

ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ショパン、リスト、ブラームスなどなど・・作曲家と楽器製作者は刺激しあい、音楽もピアノも変化し現在に至る。

以上です。

参考文献(大阪大学出版会:ピアノはいつピアノになったか)