Yet To Come, So going forward
さて、どんな風に書き始めよう。
これまで大好きな彼らについてあまり書いてこなかったのは、考えれば考えるほどに感情が湧いてきてしまって、或いは思考が深く深く潜り過ぎてしまって、私の持つ文章力では到底表現しきれなかったから。それでも、今回は書きたい。ファンとして勉強不足かもしれないし個人的観点で書きますが、ご了承ください。
6月15日。出勤するなり、職場の方々から「大丈夫?」「BTSどうなるん?」と聞かれたけれど、私は大丈夫だった。きっとみんなは朝のニュースで「BTS活動休止」という文字の羅列を目にして、ファンである私を気にかけてくれたのだけれど。前日の夜に配信された動画で、活動休止ではないことを知っていたから。(動画に日本語字幕はなかったけれど、翻訳してくれた方の投稿を頼りに理解させていただきました)
6月13日、9周年だ〜おめでとう!ありがとう!あ〜嬉しいなあ。ワールドツアーするかな、わくわく。会えるかな?会いたいな!という具合に浮かれていた私だったから、6月14日に配信された動画内で、BTSはソロ活動を本格始動していくという発表には確かに驚いた。驚いた次の瞬間には、7人が集う姿を見る機会が減るのかと想像して寂しいなと思った。思ってしまった。
でも、私が涙してしまったのは、リーダーであるナムさんが泣きながら思いを伝えようと話している姿を見て、胸がきゅーっとなったから。勇気、いっぱい必要だったんだろうな。この決断をするまで、この事実を伝えるまで、いっぱい悩んで、怖かっただろうなと想像してしまったから。
Yet To ComeのMVを見た時、バスの「EMERGENCY EXIT」がとても目立つと思っていたけれど、そういうことだったのかなあ。ただの個人的考察なので真意は分からないけれど、非常口に向かうことを必要としていたのなら、本当に思い悩んだんだろうな。
だから、クリック数稼ぎたい気持ち丸出しの過激なタイトルをつけたネットニュースとか、視聴数伸ばしたい魂胆見え見えサムネイルのYouTube動画とかを見かけた時は本当に悲しくなった。
私はファンになって2年程なので、好きになった頃には既に彼らは世界的に人気だったけれど、昨年国連でスピーチとパフォーマンスをすると聞いた時や先日ホワイトハウスに行くとアナウンスがあった時、諸々背負い過ぎでは?と、正直心配していた。
音楽が好きで集まった7人が、音楽以外の面、それも政治界隈で国やアジアの代表として扱われること。光栄だと言えばそうかもしれないけれど、その責任や重圧は計り知れるものではないし、彼ら自身が時間や思考を費やしたいところに費やせられるのかと勝手に心配してしまった。彼ら自身がやりたいことはもちろん応援するけれど、あらゆる言動が注目されてしまう中で、彼らがひと休みしたいと思った時、一体地球上のどこでならゆっくり休めるのだろうと勝手に考えたりもした。
だから、「分からなくなった」というナムさんのことばを聴きながら、そりゃそうだよねと思った。アーティスト/アイドルである前に、英語が話せるリーダーである前に、音楽が好きなひとりの人間として生きようとすることは真っ当で大切なこと。
そして軽率にも、涙して微笑み合う彼らを見て、うわーやっぱり私はこの人たちが好きだなあとしみじみ思った。今回の決断が、音楽に対して、ファンに対して、真摯に向き合っているからこその決断だということは明らかだった。どこまでも嘘がつけない正直な人たちが、誠心誠意、伝えようとしていた。
今の状態では歌詞が書けない、話したいことがないという正直すぎる気持ちをファンに共有する姿勢は、真っ直ぐだ。真っ直ぐとしか言いようがない。もちろんその前にメンバー同士でたくさん話し合ったと思うけれど、誰かの心が限界を迎える前にグループとしての活動をセーブしていこうと選択したのであれば、それもまた素敵だと思った。メンバーお互いがチームのことを考えていて、チームはメンバーひとりひとりが居てこそ成り立っている。
活躍の場がどんどん大きくなっていくうちに「BTS」というある種ブランドのような存在として扱われていたのかもしれないけれど、BTSというグループが個人の集まりで存在していることを、本人たちが誰よりも認識しているんだなと感じた。だからこそ、個人を大切に。いつだって彼らは、本質を忘れておらず、それを守るんだなと思った。
ナムさんが、今はBTSの方が慣れたけど僕にとっては防弾少年団(バンタン)だというような発言をしていた。私も彼らを防弾少年団と呼びたくなる時がある。知っている風を気取りたい訳でもなく、BTSと呼ぶより防弾少年団と呼ぶことがふさわしいのではないかと思う時がある。
私は彼らがBTSという名前で紹介されることが多くなって以降のファンだけど、たっぷりのお家時間でそれなりに過去の彼らの映像やことばを知った。私が防弾少年団と呼びたくなる時があるのは、漢字の意味から彼らのコンセプトをより感じられるからだと思う。彼らのテーマであり、守りたいもの、失くしたくないものが込められた名前。
彼らのファンは、ARMYと呼ばれる。私は正直、こんなにもBTSを好きになったのはARMYのおかげでもあると思っている。ARMYは凄い。彼らをサポートし、時に引っ張る。
韓国語が出来ない私には有難い字幕付きYouTube動画をまとめてくれるし、そこにはユーモアセンスも備わっている。ここまでBTSというアイドルグループを好きになったのは、ARMYが彼らひとりひとりの人間性とメンバーの関係性を教えてくれたからだ。世界各国のARMYがTwitterで呟く愛のことばやリアクションは、時に感動的で、時に声を出して笑ってしまう程に面白い。供給に対する仕事(反応)も早いし、彼らもまたプロだ。
今回、ソロ活動をしていくという発言を聞いて、私はふと、嵐のことを思い出した。ファンではない私でも、嵐の活動休止というニュースには当時驚いた記憶がある。そして、メンバーのひとりである櫻井翔くんのことばが本当に印象的だった。
「誰か一人の思いで嵐の将来のことを決めるのは難しいんだろうなと思うのと同時に、他の何人かの思いで一人の人生を縛るというのもできないとおもいました。」このことばを聞いた時に、あーこの人って凄いんだなと思った。
BTSがソロ活動を始めていくというのは、きっと音楽に限らない話なんだろうな。彼らはグループで活動することを徹底してきていたから、ファン或いは事務所にもそれを強く望まれていると思う。K-POP界でこんなにもグループ活動を徹底していることも稀だというのは以前何かの記事で読んだことがある。私も7人が一緒にいることが尊いと思っているし、一生仲良くわちゃわちゃして欲しいと勝手な期待を抱くし、彼らの関係性には憧れの気持ちさえあるから、どうかそのまま、と願ってしまう。
でも、BTSは個人の集まりだ。7人が集まってこそ生まれるものはとてつもないけれど、それは彼ら個人個人の一面に過ぎない。キム・ソクジン、ミン・ユンギ、チョン・ホソク、キム・ナムジュン、パク・ジミン、キム・テヒョン、チョン・ジョングクという7人の人間が持つ光るものが、彼らがBTSとしてだけ活動するが故に隠れたままになってしまうのであれば、それは寂しいことだ。そんな彼らがBTSのメンバー以外と共に何かを表現する世界も、きっと素敵に違いない。単純にそれを見てみたいと思った。
彼らを好きになって良かったといつも思うのは、彼らの姿から、素敵・可愛い・格好良い・面白いという感情を得られるだけでなく、そこに必ずと言っていいほど「気づき・学び」があるからだったりする。
人との接し方、自分の扱い方、ことばの使い方、思いやりの受け渡し方、物事の捉え方、伝え方。ひっくるめて、生き方そのもの。
完璧でいる必要なんてない、寧ろそれは素敵なんだ、ということを教えてくれたのも彼らだ。あるARMYのことばで、「人生で一番必要な時にBTSに出逢う」というものがあるらしいけれど、本当にその通りで、この2年間、私には彼らの存在が必要だった。
けれど、もしも私が10代の頃に彼らの楽曲が在ったならば、と考えることもある。きっと救われた感情は数えきれないだろうな。彼らの楽曲は、寄り添ってくれるものが多い。今の私からあの頃の私に贈りたいなと思う楽曲やことばがいくつもある。
今回のことも気づきや学びのあることだ。K-POP界・アイドルは曲のリリースに追われて音楽的にも人間的にも成長する時間がないことが問題だと話していた。それが当たり前だとも気付かないほどに当たり前となっているシステム自体に疑問を持ち、それを仕方ないと嘆いて終わるのではなく、無理して自分に嘘をついてやっていくのではなく、そのレールを脱却して新たな道を作ろうと進んでいる。
これまで何度も自分たちで証明してきたんだろうし、これからもきっとそう。そして彼らの証明が、誰かの道標になるんだろうなと想像できる。
「僕はBTSを長く続けたい。」
在り続けるために在り方を変えていく、ということなんだな。一旦このタイミングでグループの活動を控えめにしてソロ活動を始めるのは。全て話せなくて申し訳ないと言っていたから話されたこと以外に憶測することはしないけれど、理由が何であれ、これは未来のための決断。
今回のことを知ってから「Yet To Come」や「For Youth」を聴くと、歌詞に込められた気持ちが余計に刺さる。自分を愛する為に僕・僕らを利用してくださいと言う彼に、いつも幸せを感じていてほしいなと心から願う。
そしてここでさらっと書いちゃうけれど、BTSのChapter2が始まるという発表があったほんの数日後、私の転職先が決定した。この転職を機に、ひとり暮らし即ちソロ活動を始めることにもなる。ファンのひとりとして、私も人生のchapter2を始めよう。正直今は不安の方が多いけれど、もちろんそこには希望もある。
私は彼らのファンとして、彼らの人生を応援しながら、自分の人生を大切にしよう。この先を楽しみに、時々立ち止まっても、それでも前へ進んでいこう。最高の瞬間は、まだまだ、未来にたくさんあるはずだから。
You and I, Best moment is Yet To Come
반탕소년단 사랑해요!
この記事が参加している募集
じっくり読んでいただけて、何か感じるものがあったのなら嬉しいです^^