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お庭で流しそうめん〜めんつゆで乾杯〜



夏に帰省することを母に連絡すると、「夏の予定が何もねえわー」と嘆いていました。それならば、と夏らしいことを思い浮かべてみること数秒。

流しそうめんしたい!本気で!竹で!!


そんな私の発言は完全に思いつきではありましたが、きっと実現できる気はしていたのです。何故なら私のご近所さんにはDIY大好きおじちゃんがいるから。難なく無人島でやっていけるでしょうね、と心の底から思えるほどの人材がすぐ側に住んでくれているというのはなんとも有難いです。

そして私の父も結構アウトドアな人で、大勢で囲めるBBQ用のテーブルを作ったりしちゃう人です。それに甘えて育ってきたのが私です。はい。



そんな私のアイデアは放物線も描かず変化球を投げるかの如く放たれる癖がありますが、今回もまさにそれでした。

みんなで本気流しそうめんをやろうという私の無茶なアイデアは、母伝いに父と近所のおじちゃんに無事届いた模様。流しそうめんのアイデアを聞いたおじちゃんの一言目は、

OK。竹はなんとかするわ。」だったそう。MVPキャッチャー。


木の扱いが上手な父とおじちゃんだから、きっと竹はなんとかしてくれるだろうと思っていましたが、しかし。私は完全に忘れていたのです。水のことを。竹があっても水がなければそうめんは流れない。そんな当たり前のことをすっかり忘れていました。

実家に戻ると、既に真っ二つに割られた竹がそこにはありました。もう準備してくれんだ!と感動しつつ、水について何も考えていなかったことを白状しなければなりません。

そんな私が苦し紛れに思いついた案は、ビニールプールを受皿にし、そこに氷を沢山入れておいて飲み物を冷やしつつ、プールから水が溢れそうになったら植物への水やりやアスファルトへ水打ちをするという、なんともまあアナログな方法です。アナログだけどちょっとSDGs。

それを両親とおじちゃんに伝えると、「そんなアナログなことせんよ!ちゃんと考えとるけん。」と、笑われました。

その方法は、ポンプで水を循環させるというものでした。クーラーボックスに氷水を入れてそこにポンプを忍ばせれば、冷たい水が循環し続ける。無駄がない。これぞSDGsか。

電源ポータブルはキャンプ一家のうちが持っているし、何故かおじちゃんはポンプを持っていました。何故だ。おもろい。

とりあえず何でも聞いてみれば、「あぁ、あるよ。」と返ってくるおじちゃんです。まるであの映画に登場するマスターみたいです。


水についても解決したところで、あるモノを発見しました。なんと、器とお箸まで竹で作られていたのです。これはもうイタリアのあの有名ブランドの商品になってもおかしくないのでは?という完成度。ショーウィンドウで鞄の隣に飾られても良いのでは。

職人か


このお箸作りが予想以上に大変だったらしく、流石のDIY大好きおじちゃんも、「もう二度とせん!」と言っていました。

まさか竹に流れるそうめんを竹のお箸で食べられるとまでは思ってなかったことを伝えたところ、

まあ、期待は超えたいけんな。

と、なんともエンターテイナーな解答。エンターテイナー、基礎もしっかりしているので煮沸消毒もしてくれていました。

ぐつぐつぐつぐつ




竹の設置は彼らにお任せして時々声をかけつつ、私は母と一緒にせっせと流すモノの準備。お庭で自由に流しそうめんですよ。そんなの絶対に面白い要素を盛り込みたい。そうめんだけを流すわけがありません。へへ

順調に進む設置作業
水はポンプで循環


大漁!大量!
薬味入れも竹です


準備が整ってきた頃、次第に人が集まってきました。普段のBBQでは顔を出さない子たちもやって来て、流しそうめん会場は大盛況。

乾杯の音頭は言い出しっぺがやって!ということで、恐れ多くも正真正銘言い出しっぺの私がすることに。

グラスの代わりに竹の器を片手にお持ちいただき、こうして一緒に竹を囲める幸せを噛みしめつつ、「めんつゆで乾杯〜!

さて、真夏の流しそうめん大会、スタートです。

いい感じに流れる水
写真から伝わるスピード感



私がやりたい!と手を挙げた小学生の子がまずは流す係に。「スタート!」の掛け声で流れ始めたそうめん。あまりにも完璧に程良いスピード感を持って流れるそうめんにみんな目が離せません。

目は離せず。手も動かせず。

川下までそのまま流れゆくそうめん。「わー!取って取って取って!」と、みんなが叫び、一番下で構える子が焦りながらもキャッチ。思わず拍手が沸き起こりました。

取れなかったそうめんはザルに溜まるように設置していたんですけどね。それでも取ってやるぞの気持ちがあるからこそ盛り上がりますよね。動画を撮りましたが、何度見返しても楽しそうで良い動画です。

うつくしい
Somen in the bamboo

嘘でしょと思うかもしれませんが、竹の器で食べるお素麺はいつも以上に美味しく感じました。それをおじちゃんに伝えると、「良かったじゃん、作った甲斐もあるわ。」と、嬉しそうにビールを飲んでいました。

こんなに素敵な水が流れる竹が用意されたのだから、そうめんだけを流すのはなんだか勿体無いということで。掴みにくい選手権として、ミニトマト、ウズラ卵、ワカメ、そしてイカソーメンを投入。イカソーメンはウケてました。

必死で掴み取ったウズラ卵

ある程度したら味を変えたくなるだろうとも思ったのでお蕎麦も用意して流したのですが、やはりこれが人気でした。ワカメ蕎麦にも出来て最高。本当は冷製パスタもしたかったんだけど、ソースを作るまで手が回らず。



そしてもちろん、デザートも流しますよ。白玉を流して、冷やしぜんざいです。

大小さまざまに生産
冷やしぜんざい

ひたすら丸めた白玉はとても人気で、あっという間になくなりました。ぜんざいも作れなかったので出来合いのものを購入。有難い世の中。そして何より竹を流れる白玉がなんとも可愛かった。

川下でザルに溜まったそうめんやその他の食材も再度流して、見事みんなで完食。そして竹を流れる水がストップしても、相変わらず竹を囲んだまま宴は続きました。



私から急に飛んできた変化球を見事にキャッチしてくれて、一緒に楽しんでくれる家族とご近所さん。

周りの人たちとこんな風に時間を過ごせることはとても有難くて。身近な人たちが笑い合っている空間がすごく嬉しくて。夏を楽しむことが出来て幸せだなあとしみじみ感じつつ、お素麺を啜った夏の夜。いい夜だったなあ。


竹の加工が大変だった為に、もう二度とせん!と冗談混じりに言い放っていたおじちゃん。私が言い出したばかりにごめん!と伝えると、「いやいや、言ってくれたからみんなでこれが出来とるけんな。」と、返してくれました。

「じゃあ、竹は保管しておいて、冬はお湯を流して湯だめうどんね!」と、早速次回の帰省に向けて調子に乗る私でした。


*2年前の夏に別のご近所さんのお庭で開催したこども夏まつり

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