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【爽快滅亡アクションアドベンチャー】「プリンと盾琴」の楽しさについて

10/25に配信され1週間以上経過した「プリンと盾琴」


楽しみに楽しんで、感想がまとめられそうになったので記事にしました。

なお、ゲームの性質的にネタバレをしてしまうと楽しみがかなり減りやすいゲームなので、なるべくネタバレを避けて書いていこうと思います。




○「少ないヒントから答えを探る楽しさ」に特化したゲーム性



 本作はともかく「少ないヒントから答えを探る楽しさ」を体験させるゲームになっています。

 あまり多くを指示せず、プレイヤー自身で手探りしてもらうゲーム性は過去作である「魔王物語物語」にも見られた傾向ですね。

 ただ本作は「魔王物語物語」よりもいろんな部分で手探り感が強いです。とにかくプレイヤー自身が気付き、考えなければならない面が多くなっています。「とりあえずゲームしてればいいよね?」という調子だと進めない場面や見られないものも多いです。ヒントは少なめ。

 とはいえゲームの構成や演出、その他もろもろでも「もしかしてこうするのかな?」と気づいたり試せたり出来るようにしてあるので凄い。

ヒントは少ないものの、わかりやすいものもあるので意外と目的は見失いにくいです。

 色んな面から「もしかしてこうかな?」→「やっぱりそうなんだ!」を自力でやっていくゲーム性がありだと思える方は楽しめるかと思います。逆に「ちゃんと説明してくれないと困る!理不尽すぎ!」となるプレイヤーとは相性が合いません。好みの違いが出ますね……。


 


○風変わりだけど意外と優しいシューティング


 本作は「爽快滅亡アクションアドベンチャー!」とやたら個性的なジャンル名を名乗っていますが、説明文にもちょっと書いてあるとおりメインとしてはシューティングゲームです。

 もう少し詳しく説明すると「敵の攻撃を跳ね返して進むシューティング」なのが「プリンと盾琴」のシステム的な特徴です。ちょっと変わったシステムなのに楽しいのもいつものカタテマですね。

 一風変わったシステムなので慣れるまでは大変ですが、一度慣れると「意外と優しいな……?」となるので不思議。不思議と言ってもシステムを把握してみれば難易度の高い避けの技術がいらない、多少ミスしても意外と持ち直せる、同じパターンのプレイングが通用する部分があるので覚えやすいと「シューティングが苦手な人にも本当に安心!」という説明に嘘はない仕様になっていると思います。まあそれでも油断したら死んだりはしますけど。

 カタテマ作品といえばマゾプレイヤー向けの遊び方をほぼ毎回用意してくるぐらいやりがい重視的な部分があるのですが、本作は比較的優しい難易度になっていますね。

 さらに本作ではシューティングが苦手な人にもっと優しいシステム「幸福リング」があります。

画像内のピンクの輪が「幸福リング」、大賢者シグナスに守ってもらえます

 「幸福リング」とは入るだけでまったくダメージを受けなくなり死ななくなる、とっておきの秘策です。どうしても厳しい!というときはこのリングに入り込んでしまえば乗り切れます。安心安全ですね。流石は大賢者だなぁ。

「幸福リング」内に弾幕が入っていないのがわかります。これは安心




○少しずつ繋がっていく要素で分かるシナリオと世界観


 ストアページでも「少しずつ明かされる世界観」として紹介されていますが、これがまた魅力的でして……。

 ゲーム内の出来事、世界観が少しずつわかっていく構成はカタテマ作品ではお馴染みですね。

 本作は細かい部分に関してあえてはっきりと語らないタイプのシナリオなのですが、そういう部分が本作のコレクションとなる「後日談」で見られるアイテムやゲーム中のキャラクターの台詞などを合わせると分かってくるようになっているんです。

キャラの何気ない一言も、他の要素と組み合わせると見えてくるものがあったりします。
ちなみに台詞はプレイごとに変化したりするためかなり情報量があります。目が忙しい……。

 また本作は前述した通り比較的難易度が優しいのでこういった情報を集めやすく、より世界観に浸れやすくなっています。

 なおこのゲームはとあるものがモチーフになっているのが分かるのですが、その元のモチーフの要素も各所に盛り込まれており、そこから色々考察するのもまた楽しいんですよね……。

 「少ないヒントから答えを探る楽しさ」に特化したゲーム性にも言えることですが、本作はとにかく様々な場所に散らばった点のような要素を線で繋ぐ作業をしていくゲームなのです。

 こうやって書くとなんだか星座作りのようですね。良い……。



○凝ったギミックと演出


 カタテマ作品ではお馴染みのやつです。書きすぎるとネタバレになるので抑えますが特定のタイミングでしか見られない情報や出来ない操作などがあったりします。それがまたシナリオを補完してくれたり考察要素になったりするので、そういう面からも楽しめる……。

 演出の凝り方も相変わらずで、見ただけで「これってまさか……」という気付きを得られてしまうような演出方法にカタテマ作品らしさを感じた人は多いかと思います。私もそう思いました。

 本作は470円という相当お手頃な価格になっていることからも分かるかと思いますが、ボリューム自体は抑えめです。ですが上記の仕様もあって情報量は多いです。よくここまで詰めたなって……。




○カタテマ作品既プレイヤーに嬉しいあれそれ


 本作はメイン開発スタッフがてつさん、蓬餅さん、watsonさんと過去作「ムラサキ」シリーズと同じになっています。

 だからというのもあるのか(?)、既に別のカタテマ作品を遊んでいると「これ○○で見た(聞いた)やつだ!」という進研ゼミのようなノリになれるものがわりとあります。特に開発スタッフが同じ「ムラサキ」シリーズや、楽曲担当が同じくwatsonさんである「いりす症候群!」などを遊んでいるとそうなりやすいかなと思います。


 ちなみに本作でwatsonさんが手掛けた美しいBGMの数々はサントラで聞けるので是非……。


 ところで「ムラサキ」シリーズについては前にも別の記事で触れたのですが、本当に良いゲームなので是非こちらも遊んでいただきたいです。





 あらゆる面から「手探りの楽しさ」の体験に特化したゲーム「プリンと盾琴」、好みこそ分かれると思いますがカタテマ作品既プレイヤーはもちろん、カタテマ初見プレイヤーにもおすすめしたい作品です。ご興味あれば是非遊んでみて欲しいです。

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