【ChatGPTの使い方】ClaudeやCopilotと比較するのではなく、3者にチームプレーをさせるためのコツ
こんにちは。宮澤大和です。
生成AIをつかって文章を書くために、編み出した小技のようなものがあるので、自分の記録のためにもnoteに書き留めておきます。
この方法では、ChatGPTとClaudとCopilotを使います。
ここまでのおさらい
昨年2月に書いた記事『乗り物としての文体、あるいはChatGPT(AI)と書き手の問題』では、以下のようなことを生成AIの問題として指摘していました。
そのうえで前回の記事『AIが生成してくれた文章に100パーセントの納得がいっているわけではない. けれども, 近い将来にAIは人類にとって欠かすことのできないtoolになっているだろうから努めて使うようにしている.』では、この問題をさらに深掘りし、
と結論づけて、
と次回予告をしたのでした。
今回は「心」を注ぐために編み出した小技のようなものをご紹介できればと考えております。
AIに欠点を補ってもらう
とはいえ、文章を書くうえで「心」がそこまで重視されないような形式のものもあります。
事務的な文書では「心」よりも正確であることが求められます。
また、場合によっては、簡潔であることも求められます。
ただし、このような文章であっても、「心」がまったく必要ないというわけではないのです。優先順位が変わるというだけのことです。
けれども、僕は「心」で書いてしまうタイプだから、事務的な文書の作成にはこれまで幾度も難渋をしてきました。
そこで、AIをうまく活用して自らの欠点を補うことはできないだろうかと考えだしたのです。
AIを「単なる道具」ではなく、「パートナー」として位置づける
自分が苦手とする事務的な文書の作成をAIに丸投げすると、それはそれで、今度は「心」がないとフィードバックを受けてしまいました。
では、どうしたらいいのかというと、人間とAIの理想的な共創関係を構築しないといけないんですね。
そもそも「AIに丸投げ」では、人間存在の意味がないし味気もなくなってしまうわけです。
人間(自分)に足りないスキルをAIに補ってもらい、AIに足りないスキルは自分が肩がわりしてやらないといけません。
そして、なにより忘れてはならないのは、AIは道具だということです。もっと言えば、パートナーであるということです。
産業革命によって多くの労働者は機械によって職を奪われ、ITによってもまた職を奪われた人たちは存在したが、そのぶん新しい職業も生まれました(機械やITを管理する職業、つまり道具を扱い、整備するための職種)。
つまり、人間の役割が狭まっているというよりは、人間に求められる役割——役割の構図が変遷していっているというだけの話です。
ですから、これからどんなにAIが進化していったとしても、人間の役割がゼロになるということはありえません。
人間とAIはつねに「共に」なにかを成し遂げるためのパートナー同士になるのです。
AIとの理想的な共創関係を築くために
正確性が重視されつつも適度に「心」を吹き込んであげる必要もある事務的な文書をAIと共創するために自分が編みだした手法は以下の通りです。
ChatGPTで自分が作成したいテーマをAIに理解してもらう
→ 最初にChatGPTでテーマを整理し、AIに理解させることで、文書の方向性をしっかりと定めます。Claudeで文章を生成してもらう
→ Claudeを使って効率的に初稿を生成し、速度と品質のバランスを取ります。ChatGPTに②の工程で生成された文章をフィードバックしてもらう
フィードバックのうち、妥当なものは残し、そうでないものは削除する。必要あれば人間(自分)からのフィードバックも追加する
→ ChatGPTを使って得たフィードバックを活用し、文章の精度を高めます。ここで、AIだけでなく人間の目も重要になります。②〜④の工程を何度か繰り返すうちに、事務的な文書はだいたい完成するので、
→ 繰り返しのプロセスを通じて、内容を洗練させ、より高品質な文書を作成します。しあげに人間の手で整形する
→ AIによる生成内容を人間が最終的にチェックし、細部を調整することで、文書全体の印象を向上させます。
このように、AIと人間が、それぞれの長所を活かして協力することで、効率的かつ品質の高い文書を作成することが可能になります。
また、このプロセスはほかの作業(創作や異なる職業領域)にも応用可能だと思われるので、引き続き試作を重ねていく所存です。
人間の直感的なフィードバックと、AIの計算能力の組み合わせが、新たな価値を生み出すかもしれません。
生成AIの役割
それぞれのAIがどのように活躍しているか
この手法を文書作成に適用するための具体例と理由を示すためにも、一連の工程で活躍する各生成AIの役割を紹介したいと思います。
Claudeの役割
ClaudeはChatGPTよりも「心」のこもった文章を作成してくれる傾向が強い(と自分は感じた)ため、主に本文の作成を担ってもらっています。
Claudeの生成する文は語感が好ましいです。リズミカルで読みやすい。
こうした特性は、読者にとって魅力的な文章を作り出すのに役立ちます。
ChatGPTの役割
理解とフィードバック
その名に"chat"と付くくらいだから、やっぱり対話に特化しているように思います。
そのため、本文を作成してもらうというよりは、フィードバックをお願いしたりする「練り上げ」の工程に参画してもらうようにしています。
Claudeによって生成された文章をフィードバックしてもらい、さらに良いものにしていくための改善策を一緒に考えてもらっています。
また、実際に文章を作成する前の構想段階で相談にのってもらうこともあります。
これは工程①に当たるものです。
この段階で自分が作成したい文章のテーマをChatGPTに理解させておくと、後々フィードバックを依頼した際に、テーマを反映させたものを返してくれることが多くなります(返してくれないこともある。でも、それは相手が人間であったとしても起こり得ることではあるわけで、その場合にはもういち度擦りあわせをおこなえばいいだけの話だ)。
自分が作成したい文章のテーマを、他者であるAIに理解してもらうために「説明」をするこの工程を通じて、テーマに対する自分の理解がさらに深まったり、テーマの深堀りが可能になることもあるので、工程①は初手でありながらとても重要です。
僕の場合は、体力と気力があるときには、AI相手にプレゼンをするような感じで文章を書いていくこともありますが、そんな体力や気力がないときにはChatGPTからのインタビューに応えるかたちで、テーマの深堀りと「説明」をこなします。
とにかく自分がへんに気負いしないような形式でやるのが一番いいと思います。
それに、付け加えるとすれば、初歩を踏みだしたからといって、かならずしもゴールにたどり着かないといけないというわけでもないのです。いつでも中断してもいいんです。
けれども、少しでも気が向いたときに容易に戻ってこられるようにログを残しておくことは重要です。例えば……
自分はこのプロジェクトをどんな方向に走らせようとしていたのか
けれどもどの時点で、どんな迷いが生じて中断するに至ったのか
を書き留めるようにしておくと、ひじょうに効率がいいので、よかったらお試しください。
僕がここに示した一例では、Claudeに文章を生成してもらって、その文章をフィードバックすることによって、ChatGPTに内容の整えてもらうための役割を果たしてもらっています。
二者の協力により、技術的な正確性と人間的な感覚が融合した高品質な文書の完成を目指しています。
Copilotの役割
では、Copilotはどの時点で活用しているのかというと、主にファクトチェックに使用しています。
ChatGPTやClaudeがいかにも本当らしく噓らしいことを述べているときには、Copilotに訊くんです。
「この情報は確かですか?」と。
たとえば、あるレポートを作成する際に、ChatGPTやClaudeによって提供されたデータが含まれている場合、Copilotを使用してそのデータの出典を確認し、最新の動向と一致しているかを検証することができます。
このようにして、レポートの正確性を保証することができます。
Copilotの利用により、生成AIが提供する情報の検証を効率的に行い、文書の品質を確保することができます。
これは、テクノロジーを活用した新しい形の品質管理プロセスと言えるかもしれません。
あとがき
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
以下に今回のnote記事の要点をまとめてみます。
生成AIの活用
僕はClaude, ChatGPT, Copilotの3つのAIを効果的に活用して、事務的な文書に「心」を吹き込みつつ、正確性を確保するように努めています。
Claudeには、文書の本文を生成し、「心」のこもった魅力的な文章の作成を担当してもらっています。
ChatGPTには、生成された内容に対してフィードバックを提供し、内容の整合性や論理性を向上させる役割を果たしてもらっています。
Copilotはファクトチェックを通じて、文書の正確性を保証するために使用しています。
3つのAIをもちいる際に、共通して心がけているのは、プロセスの柔軟性を保つことです。
例えば、体力や気力、気分に応じて、AIとの関わりかたを調整するようにしています。
プレゼン形式にしたり、インタビュー形式にしたり、プロセスが柔軟であるからこそ、いろいろと試すことができて、結果、発見も多くなります。
それから、AIを単なる道具とは見做さないで、「創造的なプロセスのパートナー」として位置づけることで、共創の意識が生まれやすくなると、僕は考えます。
計算機の正確性と、人間的な感覚が融合したときに、未来的高品質なクリエーションが完成するのではないかと期待しているからです。
最後に、このような共創のアプローチは、文書作成だけでなく、他のクリエイティブな活動にも広く応用可能であると考えます。
また、AIの利用がさらに進む未来において、人間とAIが共に成長し、新たな価値を創出するためのモデル・ケースとして参考程度にはなるのかもしれません。
もし、そうなっていたら幸いです。
この記事を通して皆さまが得られたインスピレーションが、皆さまの今後のプロジェクトのお役に立っていたら、それ以上に嬉しいことはありません。
なにか、ご感想やご質問があればコメント欄にお気軽にお寄せください。
AIと人間のより良い共創を目指して!
宮澤大和
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今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。