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2021年5月よりNGO職員としてエルサレムに駐在している27歳女です。4年前、旅行で…

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2021年5月よりNGO職員としてエルサレムに駐在している27歳女です。4年前、旅行で訪れたエルサレムに惚れてずっと住みたいと思っていたところ念願叶いました。 日々の生活で感じたことを少しずつ残していきたいと思います。食と音楽の話が好きです。

最近の記事

夕暮れのアザーン

事務所からの帰り道。 いつもはバスなのですが、風が気持ちいい季節になってきたので今日は歩いてみました。 普段はバスの中からの横目に見て通り過ぎるだけの大きなモスクから、ちょうどアザーンが流れてくるのに出会ってふと足を止めました。 アザーンは、イスラム教の1日5回の礼拝の呼びかけ。スピーカーから近隣中に響き渡りますが、録音ではなく拡声器で毎回生身の声で呼びかけているそうです。 (ちなみに、夜明け前のアザーン(深夜4時くらい)が大体、夢と現実の狭間で聞こえてくるので睡眠は邪魔されます) 1日5回のうち、日没(マグリブ)の時間に鳴るアザーン。私的に、一番アザーンが美しく聞こえるマジックアワー。こっちに来てから、日没の印象が変わりました。 日本では、日没は「1日の終わり」ですよね。 この土地では「夜のはじまり」というような概念を人々が持っているように感じます。 小さな子どもでも、深夜まで親に連れられ外で元気に遊んでいる光景をよく見かけたり、お店ももちろん日付が変わるころまで通常営業していたりするのですが、そんなそんな感じでみんな「夜を思いっきり楽しんでる」のです。昼間が超暑いので日が沈んでから遊ぶ、という文化もあるのでしょうが、何より「夜」に対して美しいイメージを持っているように思います。イスラームのシンボルは月🌙美しい女の人を月に例えるのもそうですよね。 話が逸れましたが。 私にとっては異文化感満載で、まだ聴くたびにソワソワしてしまうアザーンですが、ふと周りを見渡せば、「あぁもうこんな時間か」みたいな顔でいそいそと道を歩く人々。祈りが日常に溶け込んでいるなぁという心地がしました。 #海外生活 #海外駐在 #旅 #サウンドスケープ

    • 海外生活、一日中家でパジャマでもいいじゃない

      駐在員としてエルサレムに住み始めてから、もうすぐ4カ月になる。 4年前、休暇中に1週間旅行で訪れて、心奪われてしまったエルサレム。旅好きの私は、日本人の平均よりは割と多くの国を訪れてきたと自負しているが、その中でも他の国では感じることのできない何かに惹かれたのが、このエルサレムという土地だった。この「何か」とは結局何だったのかについては、また別の機会に書きたいと思う。 1週間の旅行を通してすっかり中東文化の虜になってしまった私。帰国して日々働きながらも、仕事終わりにアラビ

      • ある日のエルサレムの路面電車の中

        エルサレムには、ライトレールと呼ばれる路面電車が走っています。ユダヤ人が住む西エルサレムから、アラブ人が住む東エルサレム、そしてさらに東のイスラエル軍の基地があるエリアまでも繋ぐ、とても快適な乗り物です。2011年に開通して、だいたい車内は綺麗だし走行音も静か。ICカードでピッとして乗れます。 他にもエルサレムの主な交通手段にはバスがありますが、バスはユダヤ側とアラブ側で、それぞれ違うバスが走っています。色も車内のつくりも全く違うバス。路線が被らないように非常に巧く設計されてる。ユダヤ人は絶対にアラブバスには乗りません。逆もまた然り。 でも、この路面電車では人々が混ざり合います。 ユダヤ超正統派のもみあげを伸ばした紳士も、パレスチナ伝統の刺繍ドレスを着たおばあちゃんも、おへそを出したライトな格好をしたアメリカからの移民の女の子も、乗客に小銭をせがむ無賃乗車のおばさんも、みんなひとときだけ同じ空間に入る。色んな言語が飛び交う。 降車したら、それぞれの住むエリアへ。 なにも特別なことはない、とある夕暮れ時のトラムの車内音を拾いました。 とっても短いですが、音から情景を浮かべるのが好きなので、載せてみました。 ちょっと旅の気分を味わっていただけたら幸いです。 #サウンドスケープ #エルサレム #旅 #海外生活

        • 一切の生産性を禁ずる日

          エルサレムに住み始めてもうすぐ1ヶ月経つわけですが、初めてちゃんと「シャバット」を経験しました。 シャバットというのは、ユダヤ教で大切な日、安息日。金曜の日没から、土曜の日没まで、何もしてはいけない。家事や仕事はもちろん、運転も、電気のボタンを押すのも、花に水をやるのも、写真を撮り撮られるのもだめ。電子機器も全部オフ。 この期間、エルサレムは交通機関が全部止まるので、休日どこも行けなくて単純に迷惑に感じてた。あと私が住んでいるのは東エルサレムと言ってパレスチナ側のエリアなの

        夕暮れのアザーン

        夕暮れのアザーン

          Who am I

          25歳、会社員、女。 匿名の自己紹介で必要となる情報は、おおまかにこんなもの。同じ3フレーズに当てはまる人間が今現在この世界にどれだけいるのだろう。しかし、大体の場合ではこの3フレーズで満足される。勝手にそれぞれの頭の中で何となくモザイクのかかった「25歳、会社員、女」の像が出来上がる。 少なくとも日本社会では自己紹介のときに、まず自分の所属を言うことが当たり障りない。会社、部署、学校、部活、出身地。私も例に漏れず悪目立ちするのを恐れるタイプなので、これまでの自己紹介では

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