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夕暮れのアザーン
事務所からの帰り道。 いつもはバスなのですが、風が気持ちいい季節になってきたので今日は歩いてみました。 普段はバスの中からの横目に見て通り過ぎるだけの大きなモスクから、ちょうどアザーンが流れてくるのに出会ってふと足を止めました。 アザーンは、イスラム教の1日5回の礼拝の呼びかけ。スピーカーから近隣中に響き渡りますが、録音ではなく拡声器で毎回生身の声で呼びかけているそうです。 (ちなみに、夜明け前のアザーン(深夜4時くらい)が大体、夢と現実の狭間で聞こえてくるので睡眠は邪魔されます) 1日5回のうち、日没(マグリブ)の時間に鳴るアザーン。私的に、一番アザーンが美しく聞こえるマジックアワー。こっちに来てから、日没の印象が変わりました。 日本では、日没は「1日の終わり」ですよね。 この土地では「夜のはじまり」というような概念を人々が持っているように感じます。 小さな子どもでも、深夜まで親に連れられ外で元気に遊んでいる光景をよく見かけたり、お店ももちろん日付が変わるころまで通常営業していたりするのですが、そんなそんな感じでみんな「夜を思いっきり楽しんでる」のです。昼間が超暑いので日が沈んでから遊ぶ、という文化もあるのでしょうが、何より「夜」に対して美しいイメージを持っているように思います。イスラームのシンボルは月🌙美しい女の人を月に例えるのもそうですよね。 話が逸れましたが。 私にとっては異文化感満載で、まだ聴くたびにソワソワしてしまうアザーンですが、ふと周りを見渡せば、「あぁもうこんな時間か」みたいな顔でいそいそと道を歩く人々。祈りが日常に溶け込んでいるなぁという心地がしました。 #海外生活 #海外駐在 #旅 #サウンドスケープ
ある日のエルサレムの路面電車の中
エルサレムには、ライトレールと呼ばれる路面電車が走っています。ユダヤ人が住む西エルサレムから、アラブ人が住む東エルサレム、そしてさらに東のイスラエル軍の基地があるエリアまでも繋ぐ、とても快適な乗り物です。2011年に開通して、だいたい車内は綺麗だし走行音も静か。ICカードでピッとして乗れます。 他にもエルサレムの主な交通手段にはバスがありますが、バスはユダヤ側とアラブ側で、それぞれ違うバスが走っています。色も車内のつくりも全く違うバス。路線が被らないように非常に巧く設計されてる。ユダヤ人は絶対にアラブバスには乗りません。逆もまた然り。 でも、この路面電車では人々が混ざり合います。 ユダヤ超正統派のもみあげを伸ばした紳士も、パレスチナ伝統の刺繍ドレスを着たおばあちゃんも、おへそを出したライトな格好をしたアメリカからの移民の女の子も、乗客に小銭をせがむ無賃乗車のおばさんも、みんなひとときだけ同じ空間に入る。色んな言語が飛び交う。 降車したら、それぞれの住むエリアへ。 なにも特別なことはない、とある夕暮れ時のトラムの車内音を拾いました。 とっても短いですが、音から情景を浮かべるのが好きなので、載せてみました。 ちょっと旅の気分を味わっていただけたら幸いです。 #サウンドスケープ #エルサレム #旅 #海外生活