Popoi

小説のようなものを書いてます。
固定されたノート

死神は肩に座る

ちらちらと視線を感じるので、何だよとおれは言ったのだった。何だよ。何か用か。するとそいつは、べつに。と澄ました顔で言いやがる。何も用がねえならちらちら見るなよ。...

私の混乱の存在と地図

舞う雪が頬に触れ、はっとしたとき、彼は大きなあくびをしていた。光る車の流れは淡く、軽やかな白い粒は流動し、そのひとつひとつに哀しみを見た。黒いアスファルトの固さ...

暴力の峠/VIOLENCE PASS #1

朝の微睡みにふやけるような心地で大きく伸びをした国生の脳裏に閃光の伴う黒煙が具象として浮かび上がったのは、昨日の会合で発せられたあの言葉がひどく印象に残っている...

眩暈

いつしか日も長くなり伸びた陰から微かなゆらめきを感じ取った。幻のように思えたそれは次第に現実味を帯びて私の躰を刺激した。かなしみにも似た曖昧な気持ちを抱きながら...

わたしは戦わない

今日になって三度目の警報であった。戦争は男たちを駆り立て、新聞やテレビが連日のように戦況を報道する。むつかしいことばを並べ立て、日本がいかに優勢であるかを伝える...

豆大福

松風と書かれた人力車が私の前を通りすぎた。おおきな車輪は滑るようにアスファルトを走る。すごく軽そうだった。どこへ向かうのかは知らない。ぼんやりと往来の人間たちが...