「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んで
三宅香帆さんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んだ。
1日で読んだ、面白すぎて。
内容はタイトルが主題になっているのだが、この本を書くきっかけになったのが映画「花束みたいな恋をした」であり、作中に何度も登場する。
「花束みたいな恋をした」の主人公麦が仕事で疲れて、以前は読んでいた本が読めずパズドラしか出来ないみたいな話から着想を得たらしい。
結論として「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」は描かれるのだが、全体の内容としては1960〜2010年代の労働環境や、労働に対する価値観について重点的に書かれている。ほんとにざっくり言うと構造の話をずっとしている。
全体を通して文字が大きいし文章もかなりやさしく、まさに普段本をあまり読まない人もターゲットにしているのがよくわかる。歴史の話が多いが、高校レベルの歴史の知識があれば読める。
以下気になった文章。
これを読んで私がハッとした、というかギョッとした。
無意識のうちに新自由主義的発想ばかりしていたことに気付いたからだ。
それは私が社会に適合しようとした結果であるのにも関わらず、「自分で考えてたどり着いたこと」と思っていた。
往々にしてある、「思っているのか、思わされているのか」みたいなやつ(語彙力)に遭遇してしばらく放心していた。
構造の話ばかりしていてもしょうがないのだけど、たまには一歩引いて社会を見るということも精神衛生には必要なことかもしれない。
久しぶりに濃い内容を受け取る本を読んだな。
咀嚼するのに時間がかかりそうだ。
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