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(ゲームで)ずんだもんを使ってみた。

タイトルにちょっと偽りありでして。
ずんだもんは使ったけど、カット絵を1シーンだけでした。メインは春日部つむぎちゃん。
ずんだもん≒VOICEVOX、という代名詞的な意味で使っています。

(2024/1/21 追記)
本日、ゲームの内容を大幅にアップデートしたため、記載内容とゲームの内容に矛盾がある場合があります。


自己紹介。

こんにちは、POPLINER '99です。
Unityを使ってゲーム開発をしています。
Android向けにゲームをいくつかリリースをさせていただいています。
unityroomにも何本か投稿させていただいています。

記事を書くきっかけ。

Unity1週間ゲームジャム(お題「おくる」)に参加しました。
2024/1/1(月)の早朝に(1週間遅れですが)投稿し、一旦落ち着いたので開発にまつわる色々なメモを残しておきたいと思い。
特にオチのない記事ですが、よろしければご覧ください。

今回は期限を守れたか?

結論としては、今回も期限は守れませんでした。

前回はほぼ2週間遅れの大遅刻でした。
当時としては、「どうせ遅れるならしっかりと作りこもう」という思いはありつつも、そもそもスケジュール意識が低かったのが原因。

なので今回は「品質よりも期限厳守!」という目標を掲げてスタートを切りました。
前回のnoteの最後で、こんなことも描いていました↓↓↓

うーん。

・・・ですが。
作り始めてみると、少なくとも自分が「完成していない」と思う状態でリリースしてしまうのもちょっと違う、と思い。軌道修正しました。
それに前回とは違い、見通しの立たない(立ててない)開発ではなく、企画段階で「実装のイメージがつく範囲でやる」ことを意識していたので、期限が超えそうな時点でも「とはいえ、ギリ年内には何とかなるか?」という感覚はありました。これは、前回よりはマシになった点かなと。

ゲームの内容は?

今回のお題は「おくる」。
ということで、私は「卒業式で送辞を間違えずに読む」ゲームとしました。

  1. 送辞のテキストが流れてきて、それを読み上げる

  2. 時々空欄があるので最適な回答を選択肢から選んで設定する。

  3. 背景にぼんやりとしたイメージが出てきて、それが正答のヒントになる。

  4. スコアは最後の拍手の大きさで判断される。

  5. 高得点を出すと演出がある。

3番は実装をあきらめました。3番がなくても、何とかゲームとしての体はなしている、と判断し。
その代わり「ヒントがなくても、読めば分かる」ようなレベルに下げたため、難易度というか「歯ごたえ」のような、ゲームの面白みが下がってしまったかと思います。

ゲームでのずんだもんの使い方。

ざっくり概要。

送辞を読むゲーム・・・ゲーム内容そのものはかなり地味なゲームだと思います。
なので、演出を強化しようと考えました。
具体的には、動画でよく使われている読み上げソフトを使って音声をつける、さらにその「キャラクター」も使わせてもらう。
しかし知見がないので、イチからの学習となる。

ただ、読み上げ音声の生成とキャラの立ち絵の生成は、結論として難しい作業ではなかったです。

最初のとっかかりとして、「ずんだもん動画の作り方」のようなキーワードでYouTubeを検索し、以下の動画で勉強させてもらいました。

上記の動画はモバイル機器での編集を前提としていたので、PCでの読み上げ音声の生成については、同じ投稿者さんの以下の動画を参考にしました。

作りたいのは動画ではなくゲームなので、読み上げ音声と、キャラの立ち絵の生成方法だけ分かればよし。それだけならば、結論として難しくなかったです。
ざっくり書くと、以下のようになります。

  • 読み上げ音声はVOICEVOXというツールを使用して生成。
    セリフを入力すれば、AIが勝手にイントネーションを判断していい感じにしてくれる。

  • 立ち絵(公式オリジナルのではなく、二次創作)は、ニコニコ静画で公開されているPSDファイル(立ち絵の部品セット)を、専用のツール(PSDTool)に入力すると、表情やポーズを自分で選択して出力することができる。

利用規約。

上記の通り、実現方法はそれほど難しくはありません。ですが利用規約や権利関係はおさえておく必要があります。
これは、使用者が各自確認し、各自で判断したうえで使用すべきものかと思います。
以下はあくまで私個人の見解ですので、その旨ご承知おきください。

立ち絵の利用規約。

まず立ち絵の方ですが、YouTubeやニコニコでよく見る「ずんだもん」などは、そもそも「東北ずん子プロジェクト」などの公式イラストではなく二次創作が多いように思います。(少なくとも私の視ている範囲では。統計を取ったわけではありません。)
私が今回使わせていただいた立ち絵(ずんだもんと春日部つむぎ)はいずれも坂本アヒル様による二次創作です。

よって、二次創作としての利用規約と、公式の利用規約の両方を順守する必要があるはずです。
ただ、坂本アヒル様としては「公式の規約に準拠します」というスタンスなので、利用する側としては公式を押さえておけば一応大丈夫、ということになるかと。
これはとてもありがたいですね。本当に感謝いたします。

公式の規約は、以下に記載がありました。
ずんだもんの公式は「東北ずん子ずんだもんプロジェクト」、春日部つむぎの公式は「春日部つむぎ公式」。

「東北ずん子ずんだもんプロジェクト」の方で気になった点は、「ゲームでの利用」について踏み込んだ内容が記載されていなかったことです。(動画での利用が圧倒的に多いためでしょう。)
規約では「クリエイター」という比較的ふわっとした言葉を使われているので、ここには「ゲームクリエイター」が含まれていると個人的には考えました。

「春日部つむぎ公式」では、動画とは別に、(テレビやラジオと併記される形で)ゲームについても少し触れられています。
字義どおりに解釈すればよいと思うが、判断に迷うところは確認すべきかと思います。

VOICEVOXの利用規約。

音声の方は、以下のVOICEVOX公式に、利用規約がありました。
ただし、春日部つむぎに関しては「春日部つむぎ公式」にもVOICEVOX音声の利用に関する記載がありましたので、注意が必要。

ずんだもんを使ってみての感想。

ずんだもん動画が多い理由。

今回ずんだもんをはじめとした読み上げのキャラクターや音声データの作成を行ってみて「ずんだもん動画が多いの、分かるなー」と思いました。

一つは、参入のハードルが低い(導入が簡単)。
実際に動画を作ったわけではなく、立ち絵と音声を作っただけですが、例えば解説動画などを作るにあたっては、それらはコンテンツや機材の準備の次くらいに難しいものかなと。
立ち絵は専用のツールでさくっと表情やポーズをつけられるし、音声も入力したテキストをAIがいい感じに判断してくれるので、イントネーションや読みがあっているかの確認と調整だけ。

もう一つは、すでにキャラ付けがされているということ。
現時点で「ずんだもん」とか「つむぎ」とかのキャラクターは繰り返し使われて、キャラ付けがある程度済んでいる、と思われます。
これは、急によく知らないストリーマーやオリジナルキャラクターが画面に登場するよりも受け入れやすい、という効果があるかと思います。顔も声も見知ったおなじみの営業マンが「お世話になってまーす」と来る感じです。
また、制作側にとっても、ある程度のイメージができているので、「割とキャラが勝手に動く」という楽さがあると思います。
(この辺は、「ゆっくり動画」とか、もっと言えば同人誌の仕組みと同じなのかなと。)
もしかしたら、「ずんだもん」などのキャラクター性については、制作側と受け手の集団が相互に認識共有している状態・・・というよりは、単に使われすぎていて受け手の中にそれぞれの「ずんだもん」のイメージが定着しており、受け入れやすい、というだけかもしれません。実際に、色々なチャンネルでずんだもんの味付けは微妙に異なりますものね。

この辺は、動画に限らずゲーム制作での利用でも同じことが言えるのかなと思います。実際に私も、立ち絵をチョイスする際には、「一番よく見るつむぎ」「一番よく見るずんだもん」を探して、坂本アヒルさんの素材に行きつきました。

VOICEVOXの仕様。

ずんだもんなどの動画を見ていると「読み間違いが気になるな~」と感じることがありました。
「もしかして、修正できない仕様なのか?」と思っていましたが、VOICEVOXを触ってみて、単に直していない(あるいは制作側が気づいてない)だけ、ということが分かりました。・・・いや、非難しているわけではないです。
短時間で量産しないといけないという動画界隈の事情と、そしてソフトがいい確率で正確に生成してくれるということもあり、しっかり見直すよりそのままリリースしてしまったほうがタイパ的によいのかと。

ただ、個人的には「直すことができる」ということには安心しました。(冷静に考えれば、まあ直せないわけはないか。)

送辞を作るのが大変だった。

いや本当に大変でした。
ゲームの仕組みはある程度できて、あとはデータを載せるだけ・・・という段階で本格的に送辞の執筆にとりかかりましたが、これがなかなかに困難でした。

架空の学校の設定を考える。

それなりにリアルで説得力のある送辞にしないといけないとは思いつつも、でもまあ、3~4分程度の文章、そんなに大変でもないだろうと。
それは大きな間違いでした。
公開されている実際の送辞をいくつか検索して、それらのデータから構成やキーワードなどを参考にしつつ、言葉を多少置き換えてチョチョイと作るつもりでしたが、実際の送辞ってそれぞれの学校の伝統や行事、出来事などに言及していることが分かり、「いやいや、学校の設定なんか考えてないけど・・・」という事態に陥りました。
でも確かに、そういったエッセンスを混ぜると、送辞の説得力が増すのもあり、場面々々で勝手に制度や文化を考えて、こんな感じの学校の姿が見えてきました。

  • 3月でもかなり寒い、割と北国。

  • 坂の上にある。

  • 私立っぽい。

  • 学園祭で仮想通貨を導入するとか、自主の気風が強烈すぎるが、ゲームだからいいか・・・。

  • 学年間の交流が盛ん。

  • 送辞全体として、なんとなく「あきらめない」がテーマになってる。
    じゃあ校是は「百折不撓」で。

ボリュームも必要。

また、設問をそれなりの数(最低10問)設ける、設問と設問の間をある程度空ける、というようなことを考えると、長さもそれなりに必要。
実際の送辞を参照すると、時候の挨拶、イベントで卒業生とのエピソードをいくつか、卒業生へのはなむけ・・・という構成になっており、かさ増しするとしたらイベントのエピソード。
体育祭、文化祭は必須として、ほかにも適当な行事などをでっちあげる。それだけでなく、体育祭や文化祭のエピソード自体もボリュームアップを図る・・・。

迷走しつつ脱稿。

こうして一旦Unityのエディタから離れて、送辞の原稿の執筆に集中すると、

「存在しない学校、存在しない卒業生のために、空想の送辞を書く・・・私はいったい何をしているのだ? このゲーム、本当におもしろいのか?」

・・・という不安が沸き起こってきました。
ゲーム開発に限らず、個別の部分の作業に集中するときって、全体が見えなくなってこんな気持ちになりますよね。
とはいえ、非実在卒業生への送辞を何とか書きあげて開発に戻ると、「面白いかどうかはわからないけど、やりきった感はあるな」というポジティブな気持ちが戻ってきました。
オチはないですが、「送辞、結構大変だった」というお話でした。

これから卒業シーズンですが、全国の在校生代表の方々、送辞の執筆がんばってください。(なんだこのしめ方。)

Unityは縦書き非対応。

内容の順序が後先ですが・・・。
ちょっと困ったことが、UnityのUI(テキスト)は縦書き非対応、ということでした。

送辞なので縦書きにしようと企画段階から思っており、てっきり出来るものと思い込んでいたのですが、そのようなプロパティがコンポーネントに見つからず・・・。
少し調査したのですが、レガシーも、おそらくTMPも、現時点では対応していないっぽいです。(間違いがあったらスミマセン。)

結果的に、以下のサイトを参考にさせていただきました。
ありがとうございます。
他にも、縦書きできないことに困っている方がおり、この手法で縦書きを実現されている方が多いように思われました。

謝辞。

この記事のヘッダで使用しているずんだもんの画像は、坂本アヒル様の素材を使用させていただいております。

最後に。

最後になりましたが、拙作「送辞」、ぜひプレイしてください!(評価期間後でも!)
また、「送辞」の制作にあたり使用させていただいた素材も、下記のサイトの「使用アセット」欄に記載しております。重ねてお礼申し上げます。


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