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編集長!! 「ポプラディア第三版」に載っている福祉関連の項目、教えてください!

※この記事は、2022年1月20日配信のポプラ社図書館部メールマガジン009に一部掲載したもののフルバージョンです。

こんにちは! 営業Tです。
 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。「ポプラディア第三版」の魅力をお伝えできるよう、努めてまいります。
 今回は、教科書にも出てくる福祉関連の言葉が「ポプラディア第三版」でどのように掲載されているのか、編集長に聞いてみました!


営業T: 先日、ある展示会場で小学校の先生から、教科書に出てくる言葉が「ポプラディア第三版」に掲載されているかを尋ねられたんです。具体的には「盲導犬」「車いす」「点字」「手話」「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」といった福祉関連の言葉でした。ポプラディアに載っていますか?

編集長: はい、それらの言葉はすでに前回の新訂版から掲載されており、第三版でも載っています。ただ、第三版では新訂版よりも福祉や多様性に関連する言葉に力を入れたので、点字手話バリアフリーユニバーサルデザインは特大項目として大きく掲載されています。ボランティア性の多様性も特大項目ですね。

 新しい学習指導要領や教科書もそういう観点でチェックし、さまざまな言葉を新規項目として掲載しました。合理的配慮基礎的環境整備などは学習指導要領、バリアフリー法バリアフリー住宅障害者差別解消法などは教科書から掲載した言葉ですね。また、それらに関連する言葉として、読書バリアフリー法インクルーシブ教育DAISYディスレクシアユニバーサルデザインフォントカラーユニバーサルデザインアーレンシンドロームなども新規項目として掲載しました。また、項目募集キャンペーンで応募があった白杖リーディングトラッカーという言葉も採用しました。まさに私たちが今回の第三版で掲載したいと思っていた言葉でしたから。

「ポプラディア第三版」福祉関連項目(一部)五十音順

営業T: すばらしいです。リーディングトラッカーは、最近図書館でも見かけることが増えてきましたね。ところで、そもそも「ポプラディア第三版」は、本のつくり自体がユニバーサルデザインに配慮されている点でも評価の声をいただいています。ポイントを教えてください。また、ご苦労された点はありますか?

編集長: はい、さっき言ったユニバーサルデザインフォントカラーユニバーサルデザインアーレンシンドロームなどは、まさに「ポプラディア第三版」の紙面のつくりとして採用していることです。本文は「UDデジタル教科書体」というユニバーサルデザイン(UD)フォントを使うことで、ロービジョンやディスレクシアなど、さまざまな特性を持つ読者にも読みやすい紙面になっています。また、図版や表などの色使いはカラーユニバーサルデザイン機構という専門の団体に協力してもらい、色が見分けにくい読者にも情報が正しく伝わるようなデザインにしています。さらに、光に対する感覚が過敏なため、紙面がまぶしくて文字が読みづらいと感じるアーレンシンドロームの読者にも読みやすいように、紙の色は白ではなく、薄いベージュのようなやわらかい紙色にしています。これらの工夫を施したことによって、特定の読者だけでなく、幅広い読者にとって読みやすくなっているのではないかと思います。そもそもユニバーサルデザインという考え方は、特定の人を対象としたものではなく、全ての人を対象にしたものであり、誰もが使いやすくするためのデザインですからね。

 ただ、苦労というほどではないですが、確かにこれまでの本づくりよりは、試行錯誤に時間をとられましたね。例えば、UDフォントといっても、教科書体、ゴシック体、明朝体などさまざまな書体があるのですが、どれがいちばん読者である子どもたちにとって読みやすいのかを調査するために、小中学校で実際に子どもや先生・司書の方々にアンケートを取りました。その結果、子どもからも大人からも最も支持されたのが、今回採用しているUDデジタル教科書体でした。また、紙色については、筑波大学でアーレンシンドロームを専門に研究している先生にご協力いただき、実際のクライアント(患者)の方々に文字が印刷されたゲラをさまざまな紙色で見てもらいました。その結果、最も読みやすいという感想が多かった紙色を元に何度か微調整を重ね、現在の紙色になりました。

 あと、本文の全ての漢字にルビを振ったとか、新訂版と比べて1冊あたりの重さが約500グラム軽くなったとかというのも、ユニバーサルデザインのひとつと言ってもいいかもしれません。また、これはユニバーサルデザインとは少し違うかもしれませんが、国語辞典のように本の小口側に五十音の文字を印刷したり、裏表紙に各巻の収録五十音の一覧を載せたりしたことで、以前よりも調べたい言葉を見つけやすくなったのではないかと思います。軽くなったことや、裏表紙の一覧は、実は私自身もとても助かっています。特にこの軽さは非常に快適ですね。今でも仕事上、新訂版を使うことがあるのですが、たまに持つと…正直重いです。第三版の軽さに慣れたら、もう重い新訂版には戻れませんね(笑)。

小口の五十音

本の小口側に、ツメに対応する五十音を印刷。第三版の改良点のひとつ。

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各巻の裏表紙に収録五十音一覧を掲載。こちらも第三版の改良点のひとつ。

 という感じで、今回の第三版は、新たに多くのユニバーサルデザイン関連の言葉を掲載しただけでなく、本のつくり自体でもユニバーサルデザインを体現しています。結果として、「あらゆる読者にとって使いやすい百科事典」にするという製作当初からの目標に近づいたのではないかと思っています。それが読者の方々に評価されて、「使いやすい」と思っていただけているのだとしたら、とてもうれしいですね。

営業T: すばらしいですね! 「あらゆる読者にとって、使いやすい百科事典」というコンセプトがとても素敵です。本日は、ありがとうございました! 

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