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リモート移行に失敗するチームの3つの要因〜しくじり先生 俺みたいになるな!?

2016年からフルリモートワークになり、全国採用になり、一度も会ったことがない人が社員として入ってきてマネージメントしていましたが、最初はコミュニケーションがなかなかうまくいかず、ようやく回り始めたのは3年後の2019年位からでした。

今回は、この経験から「3つの失敗ポイント」を振り返ります。

チーム単位でも会社単位でも失敗しやすい点として参考にして頂けるポイントだと思いますので、是非最後までご覧頂き、皆さんはどうか失敗しないようにして頂ければ幸いです。

▼今回の内容は以下の動画でもご覧頂けます。ぜひご覧ください!

要因1.ミッションやビジョンが無い

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それでは早速見て行きましょう。1つ目のリモート移行に失敗する要因は「ミッションやビジョンが無い」というものです。

私が自社をリモートワーク体制に変えた2016年時点では、私の会社は全く「ミッション」とか「ビジョン」を設定していなかったのです。自分の気持ちの中にはもちろんある程度のものがあったのですが、「別にメンバーや社員は、そういうのはあまり関心がないんじゃないか」と思っていました。 

私が独立する前に勤めていた会社は、反対にそういうものをかなり訴えてくる、 強いメッセージ性のある会社だったのですが、私には全然響かなかったのです。 

仕事は面白かったし、モチベーション高くやっていたのですが、ミッションやビジョンなどは大層な感じがして、「そこまで大所高所から言われてもね」という感じで、冷めた目で見ていました。

それもあって、自分の会社では「ミッション」とか「ビジョン」とかいらないかなと思って、作ることも共有することもしていなかったのですが、これは正直失敗だったと思います。

実際に、2018年位から社員にアンケートを採り始めたのですが、ある項目がもの凄く低かったのです。 それは「会社の方向性や何がしたいのかが全然分からない」ということでした。その項目が他社と比べて偏差値30位と圧倒的に低かったのです。

確かによく考えてみれば、せっかく会社に属していているのに、会社が何をしたいのか、どういった方向性に行きたいのかということが分からない中で、ただでさえ物理的距離が離れているリモートで仕事をしようと思っても、モチベーションなど維持できる訳がありません。

少なくとも「この会社が何をしたいか」とか、「社長(である私)がどうしていきたいのか」というミッション、ビジョン、方向性などをきちんと共有して行かないと、メンバーのモチベーションが全然あがらないということを痛感しました。

それまでそういったことをしっかりと共有してこなかったので、退職者が出てしまったり、「この会社将来ないな」と失望してしまった人が多かったのだと反省しました。

その後そういった反省を踏まえて、「ミッション」や「ビジョン」、「方向性」などをきちんと定めて共有するようになってから、随分流れが変わりました。明らかに採用もしやすくなりましたし、入社後のコミュニケーションも格段に取りやすくなった実感があります。実際に、その後社員数も50名を超えていきました。

ミッションとかビジョンを定めずにリモート移行すると、距離が離れることによって、心も離れてしまう可能性が高いと思います。物理的に離れても心を近づけるためには、そういった一本通る芯を作る必要があると思います。

これは会社単位で取り組むことが望ましいですが、もちろんチーム単位でも取り組めますので、もしまだミッションやビジョンが無い会社やチームの方は、ぜひ作って共有することを強くお勧めします。

要因2.評価の仕組みが無い

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続いて2つ目のリモート移行に失敗する要因は、「評価の仕組みが無い」というものです。

これも本当に反省している点なのですが、私の会社は、起業してから5年間位、明確な評価の仕組みが全く無かったのです。 評価制度や昇給制度も決まっていなくて、思いつきとか雰囲気で、「何となく頑張っているから来季から少し昇給しようか」といった感じでした。

仕事においての評価指数とかフィードバックの仕組みが無く、全てが思いつきで本当にダメな感じだったのです。 

メンバーからすると、「この会社って何をしたら評価されるのか分からないな」「どういう風に自分の給料が将来なっていくんだろう」と不安だったと思います。

実際に、この評価制度がなかった時期のメンバーは、やはり相当数が辞めてしまいました。これは完全に私のせいだと反省していまして、本当に申し訳無かったと思っています。

しかし現実には、多くの中小企業などで、「人数少ないし別にいいか」と、評価制度がきちんと作れてない会社やチームが多いと思いますが、これは絶対に止めた方が良いと思います。最初は粗いものでも良いので評価の軸を作りましょう。昇給制度を作り、きちんと定期的に話し合うようにしましょう。

チーム単位では昇給まで踏み込めないと思いますが、少なくともチームとして何をしてもらいたいか、どうすれば評価が上がるのかをフィードバックする機会を定期的に設けて話す。こういったことが無いと、メンバーからしたら凄く不安だと思いますし、反対にマネージャーとしても評価ポイントを伝えることができないので、ある時に急に気分で怒ったりとか、気まぐれに見える様な指示をする感じになってしまいます。 これはお互いにとって良くないですよね。

そこで大切なのは、仕事をする上で何が大事なのか、何をして欲しいかをきちんと明確にして定期的に話し合っていく、できればそれを昇給に繋げるという仕組みが無いと、距離が離れているリモートワークではモチベーションが維持されず上手くいきません。

本当にこの点も「気付くのが遅かったな」と反省していますが、是非皆さんは私と同じ轍を踏まないようにして、評価制度をきちんと定めた上でリモート化して頂くと、物理的に離れても上手に気持ちを繋いでいくことができると思います。

要因3.コミュニケーションの仕組みが無い

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3つ目のリモート移行に失敗する要因は「コミュニケーションの仕組みが無い」というものです。

実は、私の会社がフルリモートに移行した際には、一応定期的に皆で集まる機会を設けていました。2016年当時、既に貸会議室というのがぼちぼちあったので、毎週違う会議室を借りて「ノマド会社」とか言って、週1回集まっていたのです。

当時の貸会議室はネット回線が非常に遅くて、非常に効率悪いといった笑い話もあったのですが、「ある程度集まる機会があった方が良いかな」と思って行っていました。

しかし実際はただ集まるだけで、ランチにも行ったり行かなかったり、雑談を交わす訳でもなく、コミュニケーションを効率的に取れていた訳ではありませんでした。

実際に突然退職したいという話が来たり、トラブル的なことも起こったりして、「あれ、ちゃんと集まってるはずなんだけどな」と思うことも多く、ただ集まるだけがコミュニケーションではないということが、非常に身に染みて分かりました。

そういった苦い思いを何回か重ねた後、徐々に1on1であったり、チームの朝会を設けて毎日きちんと状況を共有するであったり、全体参加の会を作って発信するであったりといったコミュニケーションをきちんと定期的に取る仕組みを作っていきました。 そして、そういったものが整うのに伴って、全体のコミュニケーションが上手く取れるようになっていったのです。

「リモート環境になるとコミュニケーションの機会が減る」ということは、多くの調査でも立証されています。リモート化にはコミュニケーションを取る仕組み作りが必須だと今となっては心から痛感しています。できていなかった当時のメンバーには、本当に申し訳無かったと思っています。

今回のおさらい

リモート移行に失敗するチームの3つの要因
要因1.ミッションやビジョンが無くて伝えられていない
要因2.評価の仕組みが無い
要因3.コミュニケーションの仕組みが無い

以上、今回は「リモート移行に失敗するチームの3つの要因」をお伝えしました。最後に振り返っていきましょう。

失敗する要因の1つ目は「ミッションとかビジョンが無くて伝えられていない」でした。会社やチームの方向性が伝わっていないと、ただでさえ物理的に離れているリモートワークでは、モチベーションが下がるのも当然です。リモートでは、ミッションやビジョンや方向性を定めて共有することがより大切です。

2つ目の要因は、「評価の仕組みが無い」でした。評価の仕組みが明確になっていなければ、何をしたら良いか分からないし、適切なフィードバックもなされなくて、モチベーションも凄く下がります。リモートでは評価の仕組みの設定と共有が非常に重要になってきます。

3つ目の要因は、「コミュニケーションの仕組みがない」です。何となく集まるだけとか、物理的に距離を近づけるだけでは効果的なコミュニケーションは取れません。リモートでは、コミュニケーションが定期的に取れる仕組みをきちんと作っていくことが必須だと言えます。

私のYouTubeチャンネルやnoteでは、こういったリモートワークで上手にコミュニケーションを取る仕組みの話ばかり紹介していますので、具体的な方法はそちらをぜひご覧頂きたいと思いますが、この3つのポイントが上手く行っていない会社やチームは、恐らくリモート化しても相当苦戦してしまうと思います。

ですので、もし1個でも該当する点があれば是非解消して頂いて、しくじり先生的な私の様な失敗を体験しないようにして頂ければ幸いです。

もし取り組んでいく中で、疑問や不明点があったり、反対に上手くいったとか成功したという話があったら、ぜひコメント頂ければ、とっても嬉しいです。

それではまた、次回の「リモート仕事術」でお会いしましょう!

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▼動画版はこちらです。ぜひご覧下さい!

▼YouTubeチャンネル「テレワークで活躍する秘訣~池田朋弘のリモート仕事術」

▼テレワークで活躍したい方向けのnoteシリーズ

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