全くリーダータイプでなかった僕が、どうやって4社のM&Aを実現し、起業家っぽくなっていったか?(4)~副業として起業スタート

私が起業するに当たって、このルートを辿って本当に良かった、という点がいくつかあります。その内の1点目、それは“副業として起業を始めた”ということでした。私は、「これから頑張って会社をスタートしよう」という感じで会社を起業したのではなく、最初は前職就業中に副業として会社経営を始めたのです。

自信がないので副業から始めた起業

当時ビービットに就業していた私は、(副業をするには会社の許可が必要でしたので)会社の許可を取り、ビービットでの仕事を正業としながら、副業として会社経営をスタートしました。時期としては、前述した勉強を開催した約1年後、当時26歳でした。やりたいサービスがあって、是非これを会社で事業展開したいと考えていました。

しかし、成功する保証は無かったですし、当時4歳と1歳の子供がいましたから、ギャンブルのようなチャレンジはできませんでした。そこで、正業は正業として持ちながら、副業としてまあ1回やってみようということで、勉強会に来てくれた、同じ会社の同期のエンジニアと一緒に会社を設立しました。

そこには失敗の可能性もある訳ですから、私は正直弱腰だった部分もありました。

しかし、一緒に起業した人がもうすぐ結婚するというタイミングを控えていて、 一回チャレンジしてみたいからと会社を辞めるという話になりました。彼がやると言ってるのに、もともと企画した私がやらないというのはどうかなと思い、それじゃあやってみようかということになりました。

その時私は、妻には「1年以内に単月黒字がなかったらこのチャレンジは止める」と約束しました。役員報酬を最低限ちゃんともらった上で、単月黒字いかないぐらいの収益しか出ないのであれば、継続性が見えないので、その場合は会社経営を諦めて終わりにすると約束をして、1年間の時限でやったのです。

結果、1年以内に無事に単月黒字を出すことが出来て、その後度々苦戦はしましたが、事業を進めていくことができたのです。


ポイント:「一番不安定な時期」を副業で乗り越え

会社経営の一番難しい時期は、起業して収益性が見えてくるまでの期間だと思います。私の場合、一番難しい時期は副業の期間に終わっていたのです。

副業の段階で、ホームページを簡単に作って、広告も出してみて、クライアントも何社か出来て、売上もある程度上がったのです。
それがちゃんと継続性のある収益が上がるかどうかまでは見えないものの、売り上げが全くないということはほぼないということが、その時点で既に確証として持つことができたのです。

それは大きな差だったかなと思います。
多くのベンチャーは、うまくいくかどうか検証できていない状態で、売り上げが全く無いかもしれない可能性を持ったまま、勢いで起業するケースもあると思います。

まだ何も決まってないけれど、とりあえず起業して、一時しのぎのサービスなどで食いつないでいかなくてはいけないとか。その結果、なし崩し的にそれを続けて、真のサービスに移行していけないとか。そんなケースも散見します。


目標の「1年以内に単月黒字」を達成

副業として経営を始めたというのは特殊ケースだったかなとは思います。
ですが、全く何をしたら良いか分からないとか、お客さんがいるかどうか分からないとか、サービスがちゃんと売れるかどうかわからないとか言うフェーズは、副業の期間で終えていたのは、すごく良かったと思います。

単月黒字も8月までには達成していて、 これもたぶん副業期間にやっていなければ、半年から1年遅れていたと思いますので、多分止めていたかなと思います。
これはすごく良かったです。ラッキーですね。狙ってそうしたわけじゃないですが、振り返ったらそうだったという感じです。

子供もいて、正業の仕事もやっていましたし、副業として行うということはどうしても隙間時間で取り組むことになります。
メンバーとの打ち合わせは朝にカフェでするとか、営業は夜中のちょっと隙間時間で行くとか、土日をメインの業務時間にする、とかという感じでしたので、労働的には結構大変だった面もありました。

しかし、本格的に経営をスタートしたら、やっぱりもっと大変です。
そこに一番メンタルを削られるお金の不安も付きまとってきますし、ローンとかフォームとか、いろんな問題も出てきます。
そういったフェーズを副業という形で乗り越えたことによって、ちゃんとできるということを見極めた上でサラリーマンを卒業して、経営を本業にすることができました

もし、その期間をこの形で乗り切れていなかったら、会社経営はそこで止め、そのままサラリーマンでいたと思います。

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