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ポップインサイト創業記(21)〜初月売上は47万

独立起業して『ポップインサイト』を立ち上げた私は、いよいよ本格的に事業を開始しました。会社設立は1月23日でしたが、前職を退職したのは、日付を会社に預けていたため2月1日でした。今回は、ポップインサイト初月度の営業活動を、どのような感じで展開していったのかをお伝えしていきます。

起業前の売上は約20万円

以前の記事((6)〜サービス完成前にプロモーションLPをリリース)でもご紹介したように、私は起業前の段階で、既にLP(ランディングページ)を作って、反応を検証していました。

その結果、10社から問い合わせがあり、そのうちのポエガさん、トレジャーハントさんに加え、さらに2社の計4社からの売上を得ていました。つまり、起業前から売上を上げることが出来ていたのです。

発注金額はそれぞれ約5万円前後でしたので、トータルすると約20万円を起業前に売り上げていたことになります。

初月の売上は…約47万円売上

そして、いよいよ起業し初月度の営業を行いました。まず結論から言うと、初月度の2月から3件の売上を上げることに成功しました。 それぞれ、32万円、8万円、7万円の受注でした。このように、初月度から実際に売上を得ることができたのが、自分にとって大変大きな意味があったと思います。

特に大きかったのは大手Web制作会社のL社で、この企業からはスタートして早々の2月6日に運良く問合せがあり、 英語系の調査案件の発注を受けました。

実はこの時、私は相談を受けてから、わずか1週間という超速で納品をしました。今でしたら、絶対にこんな短納期では仕事しませんが、当時の私は、「こんなスピード感にこそ、ベンチャーの価値がある」と思って凄く力を入れたのです。

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「大手には到底できない低価格とスピード感。これこそが新会社ポップインサイトのセールスポイントだ」と。その思いから、普通では到底ありえない短い期間での納品を行いました。

結果、L社からは「こんなスピーディーな会社は、他にはなかなか無いですよね」という、驚きすら伴った高評価を頂くことができました。

もう1社は、今は上場しているチャットサービスの会社です。ここは前職のビービットと取引したこともある会社で、ユーザーテストへの認知も持ち合わせていました。

そこで、「うちなら圧倒的な低価格と、めちゃくちゃ早い納期でできますよ」と伝えてアピールしました。当時、ポップインサイトでは、他の会社にはないレポートなどのサービスも付けていたこともあり、クライアント視点でのメリットで勝っているのは一目瞭然でした。結果、話はトントンと進み、受注することができました。

この様に、当時の私は、ベンチャーならではのストロングポイントである、『小回り感』に徹底的にこだわった取り組みをしていました。ベンチャータイムとも言うべき短納期と、大手には到底できない低価格。これこそがクライアントのベンチャーへのニーズそのものだと。

「これが、クライアントから信頼感と評価を受けるポイントだ」と力を入れた結果、初月度から着実な実績を残すことができました。


起業前からのしっかりした準備が大事

さらに、もともと付き合いのあったポエガさんからも初月に発注を頂きました。この3社からの発注を頂けたお陰で、初月度から売上ゼロという状況を免れ、結果460,775円の売上を得ることができました。

前年の5月に勉強会を開始して、このサービスをスタートしたので、実質8ヶ月間程を、起業前の準備期間として当てていたことになります。結果、種がまかれていたので、初月度ある一定の売上を勝ちとることができたというのは、起業の流れとして本当に良かったと思います。

勿論、私と喜多君の役員報酬や諸経費を考えたら全然赤字です。 しかし、売上のある赤字とぜんぜんない赤字では全然違うと思います。 これはどの企業の社長にも頷いてもらえることだと思います。

例えば、先日私が投資している先の企業の社長と打ち合わせしていた際のこと。

その企業は、ピボットという方針転換をしなくてはいけないとういう状況で、少々難しい局面に立っていました。 私が「色々あるけど頑張りましょう」と励ましたところ、その社長は「全然大丈夫です」と力強く言っていたのです。

「起業の時には何年か売上がなくって、ものすごく苦しんだ時期がありました。でも、今は少なからず売上があります。売上が全くなかったころの苦しみに比べれば全然楽です」と。

このように、会社を経営していく社長にとっては、同じ赤字でも売上のある赤字と無い赤字では全く価値が異なります。私の場合は赤字でこそありましたが、初月度から40万を超える売上があったので、むしろ気持ちは前向き。「よし、来月もやってやるぞ!」という感じでした。

この様に出来た要因は何かと言うと、それはやはり「起業前にしっかり準備したのが良かった」と言えます。起業前の8ヶ月間、勉強会を開き、システムを作り、無料トライアルをし、広告ランディングページを作り、受注をし…といったことを着実に行っていたことが、このような初月度から売上の達成に繋がったのです。

当時を思い返しても、本当に準備期間を設けてしっかりと事前準備をしておいて良かったと思います。


目標の単月黒字への一歩目を踏み出した

以前もご紹介したように、起業当時の私の目標は『単月黒字』を上げることでした。これはシンプルに、営業利益が単月黒字に成るか否かを判断基準にしていました。

営業黒字とは、かかる全コストに対して、売上がコストを抜いてそれが黒字になっている状態のことです。これを目標であり、同時に1年間達成できなければ、この事業を諦めるという撤退基準にもしていました。

税理士事務所が作ってくれる表の黒字赤字のボーダーラインを絶対に上回ると。

このような明確に設定した目標に向かって努力していった結果、初月度から売上を上げることに成功することができたのでした。

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