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Googleスプレッドシートで過去ファイルのコピー&使いまわしが絶対ダメな理由(GoogleドキュメントやGoogleスライドも

今回は「知らないとアウト! Googleスプレッドシートで過去のファイルをコピーして使いまわしをするのが絶対ダメな理由」と題して、少し怖い話をお伝えします。

これを知らない人が多そうですが、実はかなり危険な状態です。

既存ファイルのコピー&使い回しする人は多い

まず今回、自主調査としてスプレッドシートを使っている165名の方にアンケートを採ってみました。内容は「Googleスプレッドシートで過去に作った資料をコピーして使いまわして使ったことがありますか?」 というものです。

結果は、約7割ぐらいが「コピーしてファイルを使いまわすした事がある」という回答でした。さらに、その中でも2割ぐらいの方は「良くファイルをコピーして使い回している」という状況であることが明らかになりました。 

48_スプレッドシートでコピーしてはいけない理由


続いて2つ目の調査を見てみましょう。過去のファイルをコピーして使い回したことがあると回答した方に対して聞きました。スプレッドシートのファイル共有をどの様にしているかということで、「リンクを知っている全員を編集者にする」「友達や知人を編集者にする」「取引先や顧客を編集者にする」という選択肢で聞きました。

48_スプレッドシートでコピーしてはいけない理由

結果は上記の通りです。3〜4割位の方はリンクを知っている全員を編集者にしたり、友達や取引先を編集者として招待して共有していました。 

実はこのように多くの人が行なっている共有方法が、知らない内に超危険な状態になってしまっているのです。 何故でしょうか…?


Gooogleドキュメントで過去ファイルのコピー&使い回しがダメな理由

スプレッドシートやGoogleドキュメントには、凄いメリットでもあり、物凄く怖いリスクでもある機能があります。それは「変更履歴機能」です。

変更履歴機能は、ファイルの編集過程を遡って確認・戻すことができる機能になります。バージョン管理的なものです。非常に便利で「誰が更新したのか」や「どこがどの様に更新されたのか」ということが後から簡単に見る事ができるので、重宝している方もとても多い機能です。

しかし、この機能、多くの方が気づいていない物凄く怖い要素もあるのです。 

実は、過去ファイルをコピーして、データを消しても、変更履歴の中に元のデータが残るのです。図解すると以下のような感じです。 

48_スプレッドシートでコピーしてはいけない理由

例えば取引先のA社という会社がいて、そこで使っていたスプレッドシートファイルをコピーして中身のデータを全部消しました。 そして、タイトルをB社に変え、データもB社のデータに書きかえて、B社の人が編集できる編集者として送りました。 

そうすると削除したデータは消えて無くなっているので見れないと思いますよね。いいえ、スプレッドシートでは「変更履歴」という機能のせいで、もともとコピーした時に有った前のデータが丸々見えてしまうのです。変更履歴の中にはA社のデータが丸々残っていて、B社の人が全部見れてしまうのです。怖すぎますよね…。

物凄く怖いですよね。実は私も様々な企業の方とお仕事させて頂く関係で、こういった形でスプレッドシートを共有頂くケースが数多くあるのですが、正直な話を言うと、少なくとも半分以上は元データが残っていて見れてしまう状況にあるのです…。 

取引先の情報などが流出して大きな実害を出してしまう可能性がありますので、重々ご注意頂きたいと思います。


変更履歴はどうやってみるのか

「ファイル」→「変更履歴」→「変更履歴を表示」で確認できます。以下のGif画像をご覧ください。

変更履歴の確認


変更履歴は誰が見れるのか

次に、この「変更履歴」を誰が見れるのかという話をしたいと思います。

48_スプレッドシートでコピーしてはいけない理由

1つ目のパターンは「編集者」としてファイルを共有されている人、この人は履歴を見ることができます。 つまり、管理者がその人を「編集者」という共有権限で設定しているケースです。

2つ目のパターンは、ファイルの閲覧権限が「リンクを知っている全員」になっていて、かつ「編集者」設定になっている場合。つまり、「リンクを知っている人は誰でも編集していいよ」というケース。このパターンで使うケースも結構多いと思うのですが、この場合はリンクを知っている全員が変更履歴を見れてしまうのです。 これが一番危険なパターンですね。 

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特定の人に限定もせずにリンクを知っている全員が編集者というステータスでファイルを共有すると、リンクを知る全員が過去のファイルデータが見えてしまうのです。 これは凄く怖いですよね。

今回一番お伝えしたいことは、スプレッドシートファイルをコピーして渡した際に、共有権限の設定が「編集者」の人には、過去の履歴(=過去のデータ)が全部見えてしまう・・・ということです。 重々ご注意頂きたいと思います。

スプレッドシートを使い回す問題を解決する3つの対処法

今回の問題に対する解決策、対処法を紹介したいと思います。きちんと仕組みを知っていれば大丈夫です。今回は3つの対処法をご紹介します。それは以下の3点になります。

48_スプレッドシートでコピーしてはいけない理由

対策1:2重コピーで元データを消す

48_スプレッドシートでコピーしてはいけない理由

それでは、1つ目の対策「2重コピーで元データを消す」から説明します。

まず、元ファイルをコピーします。元ファイルは枠や計算式などのデータを消したくないので、データが残っている状態でコピーします。 

そして、次にこのセルの中の入力データを一度全て消してください。この段階では表面的なデータを消しても、変更履歴にこのファイルの過去のデータが残ってしまっています。

次にポイントになるのは、「変更履歴はコピーを取った状態の一番最初の変更履歴になる」ということです。

つまり、ファイルをコピーして1個作った上でデータを消し、消した物をさらにコピーすると、この最後にできた2個目の「ファイル2」に関しては、変更履歴の中にある最初のデータが空欄になるのです。

このように2重コピーを使うことによって、元データを残さずにファイルを移動して、もともとのテンプレート枠を使いながら使い回すことができます。 

対策2:テンプレートファイルを作る

2つ目の対策は「テンプレートファイルを作る」です。基本的な考え方は1つ目の対策と同じです。

要はデータがまったく含まれていない状態でコピーしてあげれば、コピーした先のデータには変更履歴は何も残っていないので大丈夫という考え方の応用です。

つまり、まず全くデータが入力していない状態のテンプレートファイルを作ります。それをコピーして使えば、過去の変更履歴が全く無い状態のものになるので大丈夫という訳です。 


対策3:Excelにエキスポート(書き出し)して共有する(閲覧者権限で共有する)

3つ目の対策は「Excelにエキスポートして共有する」です。

この「変更履歴の共有」という機能は、「スプレッドシート」独自の機能であって、Excelには基本的にありません。ですので、スプレッドシートを一旦Excelデータにエキスポートする(書き出す)ことでその過去の変更履歴を消すことができます。

必要があれば、その一旦書き出したExcelデータを再度スプレッドシートで開けば過去の履歴が残っていないデータができるのです。

また、そもそも「編集者」にしなければ履歴は見れないので、「閲覧者で共有する」という手もあります。

今回のまとめ

以上、今回は「ファイルをコピーして使いまわすと怖いGoogleスプレッドシート」という話を紹介しました。意外と知らなかったという方も多かったのではないでしょうか。

しかし、実際にこの様に「編集者」として閲覧する人には全部過去のデータが見えてしまいますし、それができるということは、会社や取引先に大きな被害を出してしまう可能性もある訳です。

ぜひ今回のnoteを機にご注意いただいて、非常に便利な機能を知らずに使って恐ろしい目に合ってしまう、といったことが無いようにくれぐれもお気をつけ頂ければ幸いです。

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