会議の前にアジェンダを送ろう|テレワークでも圧倒的な信頼を獲得するリモートコミュニケーションの基礎シリーズ【第8回】
テレワークでも圧倒的な信頼を獲得するリモートコミュニケーションの基礎シリーズ第8回は「会議の前にアジェンダを送ろう」というテーマでお伝えします。今回から数回に渡って「オンライン会議をいかに生産的にするか」というテーマに入っていきます。
今回の記事をお読み頂くことによって、オンライン会議の生産性を劇的にアップできるようになりますので、ぜひ最後までご一読ください。
・今回の内容は以下の動画でもご覧頂けますので、ぜひ御覧ください!
●前回の復習:「画面キャプチャ」や「スクリーン録画」を活用しよう
まずは前回の復習です。前回は「画面キャプチャ」や「スクリーン録画」に関する内容でした。
リモートコミュニケーションにおいては文章とかチャットが中心ですが、言葉や文章だけでは伝え辛いことも多いですよね。そんな時は「画面キャプチャ」や「スクリーン録画」を使うことによって、時間を同期しない形で表現するときの力や伝える力が、楽に且つ格段にアップします。
使うシーンとしては「資料を共有する時」「コミュニケーションの過程を生で伝える時」「複雑な操作をする時」といった感じがあることをお伝えし、ぜひ積極的に活用していきましょうと紹介しました。
●オンライン会議におけるアジェンダの重要性
まずは、「オンライン会議におけるアジェンダの重要性」をお伝えします。会議をする時には、社内会議であっても社外会議であっても、きちんと「アジェンダ」を作って送りましょう、という内容です。
「アジェンダって何?」という人も、もしかしたらいるかも知れませんね。
アジェンダ(Agenda)(Wikipediaより)
会議における検討課題、議題、議事日程。(公的機関の)スケジュール、行動計画、日程表。ラテン語の「agenda」(「行動する」という意味の動詞「agere」の動形容詞「agendus」の中性複数形)に由来する。
「アジェンダ」とは何かというと、上記Wikipediaからの引用にあるように、会議における検討課題とか、議題とか議事のことです。更にもうちょっと拡大すると、公的機関におけるスケジュールとか行動計画のようなまあ拡大する話もあります。ここでは要するに「会議で話したい事というのがアジェンダになる」ということをご理解頂ければと思います。
次にアジェンダのメリットを3つ紹介したいと思います。
以下は私が本を出版した際に、実際に編集者に定例打ち合わせの前にアジェンダを作って送っていたものです。
この事例では、伝えたい内容はこういうところで、執筆ペースと原稿ファイルの体裁、ここまでの原稿を確認したいと。また、noteの記事が溜まっていることや、脱稿に向けてどれぐらい書く必要があるのか自分の想定を書いて、認識が違ったら教えてくださいといった感じの内容です。私は実際に著書の打ち合わせの前に、この様な「アジェンダ」を作って送っていました。
こういったアジェンダを、クライアント会議などの外部の会議は当然のこと、社内向けの会議や1対1の打ち合わせであっても、なるべく事前に使って送るというのがオンライン会議の生産性を劇的に上げるポイントになります。
それでは次にアジェンダの3つのメリットを順にお伝えしていきたいと思います。
●メリット1:思考が整理され、実力がつき、会議を生産的にする事ができる
アジェンダを作るメリットの1個目は「思考が整理され、実力がつき、会議を生産的にする事ができる」です。
会議を生産的に行おうと思うと、少なくとも事前に自分が話したいことや、背景であったり選択肢だったりといったものがある程度整理されていないと、自分も話しにくいし、聞いてる相手も理解しづらいですよね。さらに会議を長時間化する原因にもなります。
故にそれを事前に整理しておくのはすごく重要です。事前にアジェンダを整理するして言うことを決めておくことができれば、上記の「会議を不毛にする問題点」を全て解消できます。
自分の思考も整理されますし、それによって自分自身の実力もつくし、会議の時間も非常に生産的にする事が出来ます。これがアジェンダを作るメリットの1点目です。
●メリット2:参加者が事前に確認することができる
アジェンダを作るメリットの2点目は、「参加者が事前に確認することができて、その結果として、言いたいことを伝えたいことの理解が促進される」という点です。
特に新人の方の場合、上司に相談したり、会議で話そうとしても上手くいかないことがありますよね。どんなに優れた上司とかマネージャーであっても、当然その人のことだけを考えてるわけではないので、個人の相談においてもオンライン会議においても、その場で聞いただけでは全部のことがきちんと理解できたり、把握できるかどうかは分かりません。
そこで、事前に話す内容をアジェンダにまとめて送ることができれば、すぐには理解しづらい内容も事前に読み込むとか確認することもできますし、関連情報を調べてくることもできるので、受け取る側としても格段に内容を理解しやすくなります。
それによって当然、伝えたい側としても伝えやすくなりますし、伝えられる側も理解しやすくなります。その結果、会議の時間を圧縮することが出来て、スムーズに議論ができようになるというのが、アジェンダを作るメリットの2点目になります。
●メリット3:全体像が可視化される
アジェンダを作るメリットの3つ目は、「話したい内容の全体像が可視化される」という点です。
個別打ち合わせでも多人数会議でも、よくあるのは、「言いたいことが何個あるのか」とか、「今話してる内容が全体像のどこにあるのか」が分からないという印象になるケースです。
特にビジネス力とかロジカルシンキングに不慣れな新人の皆さんにおいては、油断すると各論とか断片的な話をしてしまって、聞いてる側が相当気を使って考えなくてはいけないというケースです。
「全体のどこの話をしてるんだろう?」「今日相談したい内容の何個目の話をしているのかな?」「これ、時間的に大丈夫なの?」といったことが気になって、結果、話している内容自体はよくわからないという感じになってしまいがちです。
こういったケースに対して、アジェンダを事前に整理することによって、今回話したい内容、プロジェクト全体で話すべき内容が可視化されるので、すべてが事前に明確になってから本題に入ることができます。
先程触れた本の出版の際も、「この見出しのデザインどうしたらいいですか?」 といった「各論」を話題に持ち出す時に、編集者の側からすると「この著者は、ちゃんと全体の進行スケジュールとか意識してるのかな?」と不安になる訳です。
しかしきちんとアジェンダがあって、「今話してるのはすごく各論なんですけど、全体的な他の事もきちんと気にしてますよ」というのが伝わると、聞いてる側も安心しますし理解もしやすくなります。
この様にアジェンダをきちんと作ると「全体像が可視化される」という大きなメリットを得ることができるのです。
●メリット4:信頼されやすくなる
アジェンダを作るメリットの4つ目は「信頼されやすくなる」ということです
「しっかりきちんとアジェンダを用意して臨む人」と「勢いや思いついたままに気分で話す人」、どちらのほうがビジネスパーソンとして信用できるかというと、圧倒的に前者の方が信用できますよね。
しかし残念ながら、現実にはこの意識がある人はほとんど見かけません。私自身も社内外を超えた数多くのミーティングに参加しますが、自分の話したい内容をまとめて事前に提示してくれる人は、残念ながらほとんどいません。そのため、反対に事前アジェンダを作成し実践できている人は良い意味でとても目立って、「この人はきちんとしてるな」「信用できそうだな」という印象を持てます。
そういった意味で、この記事をご覧になった皆様は大チャンスです。恐らく皆さんの周りの方の多くは、その意識が弱かったり実践が出来ていない人が多いと思うので、皆さんが事前アジェンダ作成を実践することで、差別化ができて印象アップできます。
ちなみに大企業の人たちはやはりこういった事前アジェンダ作成をとてもきちんと実践しています。社内会議でも社外会議でもしっかりアジェンダを作って臨む光景を良く見かけます。そして、とても良い印象が持てて信頼感があります。
ぜひ皆さんも事前アジェンダを実践して、周囲の人たちに一歩差をつけていきましょう!
●コツ1:まずは文章に慣れよう
次にここから「アジェンダを活用するコツ」をお伝えします。アジェンダを活用するコツ、1点目は「まずは文章になれよう」ということです。
アジェンダを作るということは、つまりは文章で言いたいことをまとめていくということなので、文章コミュニケーションの力、文章リテラシーが非常に重要になります。
文章コミュニケーション力を上げるポイントは、当シリーズの第4回「文章コミュニケーションに慣れよう」で詳細にお伝えしていますので、ここでは簡単に復習したいと思います。
●ポイント1:いきなり文章を書かない
文章コミュニケーション力を上げるポイント、1点目は、「いきなり文章を書かない」です。いきなり文章を書き始めずに、その前にきちんと言いたいことを自分の中で準備しましょう、必要な情報を集めておきましょうということです。
文章を書くのが苦手な人は多くの場合、言いたいことが頭の中に整っていません。料理は材料がなければできませんよね。それと同様に、文章は書く内容(=言いたいこと)が頭の中に整っていなければ書き出していくことができません。
多くの場合は文章力が無いのではなくて、内容が準備できてないというだけのケースが大半なのです。そこで、いきなり文章を書き始めるのではなく、まずは内容を考えて準備しましょうというのが1つ目の文章コミュニケーション力を上げるポイントです。
●ポイント2:箇条書きにしましょう
文章コミュニケーション力を上げるポイント、2つ目は「箇条書きにしましょう」ということです。
特にアジェンダの場合は、文筆作品ではないのできれいな文章でなくても大丈夫です。 言いたいことをキーワードとか一文にまとめて並び替えて言いたいことはどこです、と箇条書きで分かりやすく書かれていれば全然OKです。見る側としてもダラダラと長文で書かれるよりも箇条書きの方が圧倒的に見やすいです。
●ポイント3:構造整理しましょう
文章コミュニケーション力を上げるポイント、3つ目は「構造整理しましょう」です。
箇条書きで内容を整理したものの、全部並列に並んで書かれていると、見る側には言いたいことは何で、その理由は何で、選択肢は何で…とこちらの言いたいことの構造が分かりにくいのです。
そこで、言いたいことをきちんと分類・レイアウトして、「自分が考えていること」「主張したいこと」「主張に対して考えられる選択肢と推奨案」といったことがぱっと見て分かるように、グループに分けて見た目的に整理するというのが「構造整理」になります。
●ポイント4:見直ししましょう
文章コミュニケーション力を上げるポイント、4つ目は「見直ししましょう」です。
誰の文章でも最初に作った文章は、だいたい冗長で見にくいケースが大半です。事前アジェンダの際にも、送る前に必ず何度か見直ししましょう。
●ポイント5:とにかく練習しましょう
文章コミュニケーション力を上げるポイント、5つ目は「とにかく練習しましょう」です。
特に今回のアジェンダの作成というのは、良い文章コミュニケーションの練習になります。 先程お伝えしたように、アジェンダ作りはほとんど他の人達はやっていないので、これを毎回やるだけでも他の人達よりも文章力の向上スピードが格段に加速することでしょう。
●コツ2:事前に送付する
続いてアジェンダを活用するコツの2つ目は、「事前に送付する」です。
せっかくアジェンダを用意しても「会議の場」で出す人がいます。これはとても残念なことですよね?当然事前に送っておくほうが印象が良いのは間違いありません。事前に送ることによって、参加者も事前に見て理解を深めることもできますし、きちんと事前に内容を送ってくれる人ということで、ビジネスマンとして信頼も上がります。
せっかくアジェンダを事前に作ったのであれば、ぜひ事前に送るようにしましょう。
●コツ3:会が始まった瞬間に冒頭で提示する
アジェンダを活用するコツの3つ目は、「会が始まった瞬間に冒頭で提示する」ということです。
事前に送ったとしても、残念ながら全員参加者が事前に見てるとは限りません。そこで、まず会議が始まった冒頭のタイミングに「今日話したい内容はこういう内容なんですけど」という感じで、画面共有等でアジェンダをパッと出すということができると良いと思います。
良い意味で会議の主導権を持って進行をできるようになりますし、内容もきちんと全員に伝わって全員の意識も揃うので、アジェンダは会議の冒頭に提示するのが有効です。
新人の方の場合は、会議全部を進行してる訳ではないので、自分のパートは全体の一部という感じかもしれませんが、その場合は「自分のパートが始まった時に自分のアジェンダをパッと提示する」というのが有効です。
●コツ4:会議の途中で提示する
アジェンダを活用するコツの4つ目は、「会議の途中で提示する」です。これは会議や自分のプレゼンが長くなった場合、途中にも再度アジェンダを提示することができると、さらに参加者の理解が深まるということです。
多くの会議に参加していると、正直なところ時間が長くなって、プレゼン内容を忘れてしまったり、覚えてないということも出てきます。覚えていないものの、気まずくて言い出せないという人も結構いると思います。・・・残念ながらこれも現実です。
そこで、会議が長くなったらアジェンダを再度提示して、「今日話した内容は、改これだったんですけど」といった感じで改めて伝えると、議論の軌道修正にもなりますし、最確認もできるので良いと思います。
●今回のまとめ
リモートコミュニケーションの中でもオンライン会議と言うのはとても重要なコンテンツです。テレワーク化が進む昨今では、「オンライン会議の印象が信頼を決めるかなり重要なファクター」になっています。
オンライン会議の機会を活かして生産性を上げ信頼を得るためには、事前にアジェンダをきちんと作って共有しましょう。
アジェンダを作成することには「自分の思考が整理される」「周りの理解を促進できる」「信頼アップに繋がる」とメリットばかりです。
アジェンダを活用するコツとしては、「まずは文章になれる」「作ったものは事前に送る」「会議の冒頭で出す」「会議中に再度出す」などがありました。
ぜひ今回紹介したアジェンダの活用法を駆使して、テレワーク時代の主流であるオンライン会議の輝ける主役になっていきましょう!!
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