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「学び方の学び方」の要約・解説〜名著に学ぶテレワーク実践スキル

「リモート起業家」の私がお伝えする、名著に学ぶテレワーク実践スキルシリーズ。今回紹介するのは「学び方の学び方」です。この本は、見た目の印象は学習本ですが、なぜテレワークスキルとして取り上げるのかまずは簡単に説明します。

テレワーク時代は激変の時代と言われています。そもそもコロナが起こる2年前、こんなに皆さんがテレワークであったりリモートで働くことを誰が想像したでしょうか。またデジタル化の波はさらに急になっていて、10年先20年先どうなるか誰もわからないと言われています。

このような激変の時代だからこそ新しいスキルや考え方を自ら学んで習得していく力が求められます。 そしてさらにリモートになってくると、この学習を「自分」で行わなければなりません。その為、学ぶ力をつけるのはリモート時代に活躍する上では不可欠なのです。 

私もこれまでに7社を起業していまして、最近だと探偵会社と組んだ不動産購入前の隣人調査事業やBtoBスタートアップ向けの戦略PR事業やVRの開発を行っているのですが、やはり新しいことを行う上では、色々なことを学ばなくてはいけません。この「学ぶ力」というのが、激動の時代を生き抜くためには本当に重要だと思っています。

そんな時にこの本を読み、非常に参考になりましたので、ぜひ素晴らしい内容をシェアさせて頂きたいと思います。

▼今回の内容は以下の動画でもご覧頂けますので、ぜひご覧ください!

「学び方の学び方」はどんな本なのか

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まずこの本がどの様な本なのか紹介します。この本の著者の方は、自称勉強が苦手だったそうですが、この本に書いてある手法を踏まえた上で勉強した所、オックスフォードに入学して優秀な成績で卒業されたそうです。

この本は神経科学や認知心理学の粋を凝らして、どのように学べば効率的なのかを詳しく書いています。 この本と同じ内容が学生向けプラットフォームで公開されているのですが、数百万人が学んで大好評を得ているそうです。

今回はこの本の中から、この激動のリモート時代を生き抜く学習スキル3選というテーマでポイントを要約してお伝えします。

「効率的な記憶の仕方」とは

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今回紹介する1点目のポイントは「効率的な覚え方」です。

近年はグーグルなどで簡単に色々な事が検索できるとは言え、やはり頭の中にしっかりと入ってないと、新しいことであったり仕事をする上ではスピードが全然遅れてしまいます。その面から言ってもこの効率的な覚え方を覚えておく事は非常に重要です。

それではまず「覚える力」とはどんな力を指すのでしょうか、それは「ニューロンを効率的につなげる力」なのだそうです。

「ニューロンって何だろう?」・・・多くの方は詳しくはご存知ないのではないでしょうか。ニューロンというのは脳の神経細胞です。脳の中にはこのニューロンが866億個あると言われています。このニューロンが繋がることによって考えたり記憶するという作用が起こります。つまり、効率的に覚える能力や考える力を鍛えるためには、このニューロンをいかに効率的に繋げるかがポイントになります。本では「ニューロンの結合を効率的に行えるかどうかが記憶力と学習力を左右する」と明言しています。

ニューロンを結合するための3つのテクニック

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次にいよいよ具体的なテクニックに入ります。ニューロンを繋げるにはどうしたら良いのか。この本ではそのアプローチを3つ紹介しています。

1つ目は「回顧する(=思い出す)」です。 実は、本を読んだりYouTubeを見ている時、ただ受動的に見ているだけではあまりニューロンは伸びたり繋がったりしません。 

それではどうすれば良いのか。それは、読書やYouTube視聴を一旦止めて、意図的に書いてある内容を思い出したり、動画を止めて言ってる内容を思い出す。 この思い出すことをこの本では「回収する」と訳されているのですが、この回収作業=回顧作業をすることでニューロンが繋がり始めると書かれています。

2つ目は「誰かに説明する」です。 よく仕事でも「誰かに教えることが自分にとって1番勉強になる」と言いますよね。 誰かに説明することを通じて、やはりニューロンが繋がりやすくて記憶も明らかになっていくと説かれています。

3つ目「推敲する=自分に対して行った手順を説明する」です。 例えば、ある学びや仕事や作業を終えたら、もう1回振り返ってみて手順を推敲することで頭が整理され、この手順を自分に説明することを通じてニューロンが繋がりはじめると書かれています。

この回顧・説明・推敲の3つのステップを行うことで効率的に記憶することができるようになるのです。

難問への取り組み方

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次に紹介するのは「難問への取り組み方」です。

リモートである無しに関わらず、知的労働全盛の時代においては難しい仕事や課題ってありますよね。

「明日までに上司からの回答に回答しなきゃいけないけど答えが出てない」「クライアントにレポート作らなければいけないけど何を言えばいいのかな?」この本では、こんな時にすごくお勧めの方法が紹介されています。それが脳の2つのモードを使い分けるということです。

2つのモードというのは「集中モード」と「拡散モード」です。「集中モード」は特定の課題にフォーカスしているモードで、簡単な問題処理や、やり方を知っている方法を行うのが得意と言われています。

もう一方が「拡散モード」です。これは特定のものに集中するのではなく、いろんなものに思いを馳せている状態を指します。この本ではドローンが脳の中を回ってビュンビュン色々なところを見て回っている様なイメージと例えているのですが、実はこの「拡散モード」が新しい物事や難しい物事を考えるのが得意なのだそうです。 

「集中モード」は例えるなら道が決まっている通路を歩んでいるだけという状態です。しかし、難しい問題は1本道ではなかったり、違う道を探さないといけませんよね。これはすごい苦手らしいのです。 

一方で「拡散モード」はドローンで飛び回っているような状態なので、道なき道を色々と考えることができるのです。つまり、拡散モードに上手く入って脳に難問を考えさせることが、脳の上手な使い方であり上手く難問を解く方法なのだそうです。

拡散モードを活用する4つのポイント

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それでは、どうやって拡散モードに入るのでしょうか。これが非常に面白いので早速紹介したいと思います。

①直前まで対象テーマに集中する
まずは拡散モードに入る直前までは、その対象テーマに集中するということです。たとえば明日までのレポートを書かなきゃいけない場合、まずは一旦集中してレポートを書き始めます。 

②休憩を挟む
この後が面白いです。集中した後に「休憩を挟む」と。考え続けると、ずっと集中モードなので難問が解けていきにくいそうです。そこで集中した後に休憩を挟む。例えば散歩をしたりシャワーを浴びる訳です。よく散歩中やシャワー中に思いつくとか言うじゃないですか。これによって「拡散モード」に入るそうです。拡散モードに移行し、これによって脳の中のいろんな所を飛び回って検索することができて、新しい物事に対する理解であったり、難問への解決方法が思いつくのだそうです。

③ハードスタートテクニック
ここからさらに面白くなります。この脳の集中モードから拡散モードへ移行する働きを応用したテクニックが「ハードスタートテクニック」というものです。これはどういうテクニックというと、先に難しい問題を考えて後で簡単な問題を解いていくというものです。

難しい問題を解こうとするが解けない。そして解けないうちに簡単な問題に移行していく。そうすると、簡単な問題は「集中モード」で解ける訳ですが、脳は並行してさっき考えたら難しい問題を「拡散モード」で考えているそうなのです。ですので、ハッと解決方法を思いつく。

この本は、このテクニックを活用して、試験の際はまずは先に難しい問題を解きましょうと解いています。私はずっと簡単な問題から解いて点数を稼ぐタイプだったのですが、難しい問題をちょっと考えた上で、簡単な問題に移って裏側で難問を拡散モードを処理させると、これが非常に有効らしいのです。

本では、仕事においてもまず難しい問題を取り組んでいくことを強く推奨しています。そうしてから、メール処理とか簡単な作業に取り組むと、脳が並行して拡散モードで難しい問題を考えてくれる。これが拡散モードの活用のポイントです。

④Write or Die
これは文章を書く際のポイントです。「拡散モード」は色々な文章をたくさん書いていくのが得意だそうです。一方で「集中モード」は文章を整えたり、語尾を整理したりするのが得意だそうです。これを同時に一緒にやらない方が良いそうです。

同時に行うと両方のモードの良さが消し合ってしまうと。そこで、この本が推奨しているのは、最初は「拡散モード」を活用して、バァーっと書き出す。その間は集中して推敲することはせず、ある程度文量を書けたらそこで初めて「集中モード」に切り替えて、文章を整えたり推敲する。そうすることで、脳の得意なモードを活用した文章の書き方ができるそうです。これがこの本が推奨する「Write or Die」という手法です。

集中力をアップする方法=ポモドーロ・テクニックとは

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次に紹介するのは「集中力をアップする方法」です。

やはりリモートワークは在宅や仕事専用で無いオフィスで無い場所で行われることが多く、集中しづらくなりがちですので、これを知ってることはすごくメリットがあります。

この本が推奨する集中力をアップする方法、それが「ポモドーロテクニック」です。イタリア語でトマトのことをポモドーロと言い、広くストップウォッチがトマトの形をしているそうです。このトマト型のストップウオッチを使うことから、この名前が付けられているそうです。

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ポモドーロ・テクニックの方法はすごいシンプルです。

まずは(1)余計なものを片付けます。 そして(2)タイマーを25分セットして集中して課題に取り組みます。25分間はそれしかやりません。そしてその後(3)5分間の休憩を取ったり自分へのご褒美をもらいます。 そしてこの(2)と(3)を繰り返します。以上の非常にシンプルなテクニックです。一見すると当たり前の方法の様ですが、実は凄い価値があります。

まず25分間という短時間だと集中力が持ちます。私もやってみたのですが、確かに25分なら他事に気を取られることもなく集中が持ちます。

次に休憩時間。これがポイントでして、これをすることで「拡散モード」に入るので、その直前までやっていた内容が記憶として定着したり、新しいことや解決策が思いつきます。さらには休憩時間とかご褒美があると意欲も維持しやすくモチベーションが維持できます。

このポモドーロテクニック、本当に有効なので、ぜひ覚えて実践して行きましょう!

今回の振り返り

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それでは今回の内容を振り返ります。
まず「効率的な覚え方」を紹介しました。覚えていますか?少し思い出してみてください・・・そうですね。 覚え方は「ニューロンを繋げる」ということでした。そのためには「回顧する(=思い出す)」「誰かに説明する」「推敲する=自分に対して行った手順を説明する」という3つのプロセスを取ることが有効でした。

次に「難問への取り組み方」を紹介しました。この場合は脳の2つのモードを使い分けることが大切でしたね。「集中モード」「拡散モード」があり、難問は「拡散モード」が得意でした。

拡散モードに入るためには、まずは「直前まで集中」し、その上で散歩をしたり、シャワーを浴びたり違うことをすることによって「拡散モード」に入り、脳内ドローンがビュンビュン飛び回って新しい物事を理解したり、難問を考えてくれるという話でした。

最後「集中力をアップする方法」。これは「ポモドーロ・テクニック」でしたね。 邪魔なものを片付けて、25分タイマーを使って集中して取り組む。その後5分間休憩する。これによって集中も維持できるし、拡散モードで定着したり新しいことを閃いたり難問解決がしやすい。こういった集中力アップ法でした。

ということで、今回は3つのポイントをピックアップして紹介しましたが、これ以外にもこの本には非常に使えるスキルが満載ですので、ぜひご興味があれば読んでみて頂ければ幸いです。

それではまた、次回の「テレワーク実践術」でお会いしましょう!

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▼動画版はこちらです。ぜひご覧下さい!

▼YouTubeチャンネル「テレワークで活躍したいなら~池田朋弘のリモート仕事術」

▼テレワークで活躍したい方向けのnoteシリーズ

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