リモート化により、外向型の時代から、内向型の時代に

最近読んだ本の一つに、シルビア・レーケンの「内向型人間のための人生戦略大全」というものがあります。内向型である自身の体験を基に、あらゆる場面における実践的アドバイスを記した本です。

これまでは、人間関係づくりが得意な外向型の人が活躍しやすい土壌でした。しかしリモートワークが普及していくこれからは、内向型の人に有利な時代になっていくのではないでしょうか。

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【2020/11/16 追記】
本記事の内容も含んだ『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』を2020年11月27日に出版します!
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内向型か外向型かは、エネルギーの充填方法が大きな違い

「内向型が50人いたら、外向型も50人いる」と、それぞれのタイプは割合的には半分くらいと言われています。出かけるのが好きか、人と話すのが好きかなど、人との関わり方やコミュニケーションスタイルによって、内向型か外向型かがチェックできます。この本によると「内向型と外向型で一番大きな境目は、エネルギーが一人でいる時に充填されるか、人と話して充填されるかの違いである」のだそう。

私は、社長をしていたこともあって一見外向型っぽく振舞っていますが、実は100%内向型。人といるとすごく疲弊しますし、旅行に行ってもなるべく一人の時間がほしいと感じるタイプ。経営合宿なども、早く飲み会を切り上げて一人の落ち着く時間がほしいと思ってしまいます。エネルギーをどちらで充填するかと考えたら…この本を読んで「たしかにそうだ!」と納得し、すごくスッキリしました。

オフィスに出社=外向型に有利

オフィスに出社することが当たり前だったこれまでは、飲み会に付き合ったり、いろいろな人と会ったりすることが成果の出しやすさにつながり、仕事がスムーズに進みやすかった面が多いと思います。つまり、外向型の時代だったと言えます。

外向型の人は、人と直接会って飲みに行ったり喫茶店で喋ったりすることによって、エネルギーを充填します。そういう人にとっては、ネットワークをつくって人間関係を構築する出社というのは、結構重要になってきます。コロナ騒動でなかなか出社できず引きこもっていると、エネルギーが減っていってしまう…いくらリモートワークのハードやソフトの環境が揃っても、出社したいと感じる人は一定割合いるはずです。

リモートワーク=内向型に有利

一方で、これからのリモートワーク時代は、内向型の時代とも言えるのではないでしょうか。内向型の人は、一人でいる時間でエネルギーを充填し、パワーを出します。そしてリモートワークでそのパワーを発揮することによって、さらにエネルギーが湧き出てくるという好循環が生まれます。

そういう意味では、今の状況は、内向型の人にはるかに有利。「一人でいるとエネルギーが充填される」という特性がポジティブに作用し、比較的なかなか活躍しづらかった不利な状況が解消される気がしています。

内向型の人が増えている中、このコロナ騒動は、時代が大きく変わるシーン。「外向型の時代」から「内向型の時代」にシフトしようとしているのかもしれません。


それぞれの特性と場を、上手に活かす

もちろんリモートワークがメインになっても、オフィスを完全になくす必要はありません。それぞれのタイプの特性を生かし、集中したい仕事は自宅でやり、オフィスはコミュニケーションの場として活かしていくのもありだと思います。

外向型の人にとっては、家族や近くにいる友達と話すなど、人間関係を再構築するいい機会でもあるはずです。私が経営していたポップインサイトでは、メンバー全員が集まる機会は半年に1回しかありませんでした。やはり内向型がベースではありますが、みんなで会う場はオフ会のような感じで、すごく楽しかったです。このようにリアルな場が重要になってくるシーンも逆に増えると思うので、外向型の人はそうした機会を活かしてよりパワーアップしていくこともできるかもしれません。

ただし、内向型であっても外向型であっても、やはり人としての信頼関係の構築やコミュニケーションはすごく重要。エネルギー充填タイプに関わらず、リモートにおいて必要なコミュニケーションのコツというのもあるので、その点もこれから紹介していきます。

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