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テレワークの人間関係におけるメリット ・ デメリット

今回は、これまでの私自身の会社経営・チーム運営の実感を踏まえ、テレワークのメンタルヘルスへの影響という視点で、人間関係・コミュニケーションにおけるテレワークのメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

テレワークの人間関係におけるメリットとは

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メリット 1 : 相性が悪い人と適切な距離を取れる
テレワークのメリットの 1 つ目は、赤裸々な点ですが「相性が悪い人と距離を取 りやすい」ことにあります。 出社していると同じ空間を共有しているため、否が応でも同僚・上司と接する機会が増えます。一方テレワークの場合は、物理的に距離が離れているため、意識的に機会をつくらない限りコミュニケーションを取る必要がありません。業務上必要な範囲でのコミュニケーションは欠かせませんが、それ以上のコミュニケー ションを無理に取る必要がなくなるのです。

理想としては、上司や同僚との関係は良いに越したことはなく、お互いにもっとコ ミュニケーションしたいと思い合える状況が良いでしょう。また、そもそも私がこれまでお伝えしてきた当ブログは、それを実現するための仕組みや工夫をお伝えする為のものです。

しかし、現実的にはどんな組織・ チームでも、相性や好き嫌いはあります。どうしてもコミュニケーションスタイルが合わず、人間的に好意を持てないこともあります。 そのようなケースにおいて、テレワークは「適切な距離感をとるための仕組み」として有効に機能することがあるのです。

●メリット 2 : ファクトが残りやすく透明性が上がり、トラブルを防ぐ
メリットの 2 つ目は、「コミュニケーションのファクトが残りやすい」という点です。チャットやメールなどの文章ベースのコミュニケーションはそもそもすべてデジタルデータになりますが、電話やオンライン会議なども実施履歴が残り、録音・録画などデータ化することも容易です。

私の会社がまだテレワークに移行する前は、私が外回り営業などでオフィスから離 れていると、職場の様子を知ることは容易ではありませんでした。その結果、社長の私が知らないところで、「パワハラ」に近いコミュニケーションが取られており、後から聞いて愕然とした苦い経験があります。 

今はテレワークになってデジタルでデータや履歴が残ることで、物理的距離があるにも関わらず逆にコミュニケーションの透明性が上がり、誰がどのようにコミュニケーションをとっているかが可視化されやすくなりました。そして、コミュニケーションが可視化されることで、意図せず厳しいコミュニケーションになっている場合に、後から注意することもできる様になりました。

つまり、テレワーク化によるデジタルファクトが残る様になった事で、不要な人間関係のトラブルを防いだり収束させる事ができるようになったのです。これはテレワークの人間関係における明白なメリットと言うことができます。

テレワークの人間関係におけるデメリットとは

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●デメリット 1 : 冷たいコミュニケーションになりやすい
一方、テレワークのデメリットとしては、まず「冷たいコミュニケーションになりやすい」点があります。テレワークの主たるコミュニケーションの手段は文章ですが、文章だけで何かを伝えようとすると、意図せずに「厳しい印象」「怒っている印象」を与えがちです。 

こういった文章でのコミュニケーションが持つ「癖」を理解しないと、感情の乏しい冷淡なコミュニケーションになりがちで、それにより関係性が悪化する懸念があります。

●デメリット 2 : 雰囲気を察しづらい
また「雰囲気を察しづらい」こともテレワークのデメリットです。オンライン会議でカメラ映像 を「あり」にすれば、表情・顔色を通じて雰囲気はある程度わかりますが、会議以外の時間の様子はわかりません。 

それにより、仕事やプライベートなどで悩みを抱えていて気分が落ち込んでいる場 合にも、適切なフォローを入れづらいケースが出てきます。

職場のメンタル不調の最も大きな要因は「人間関係」

ここで、現時点での職場を起因としたメンタル不調の要因が何かを調査したデータを見てみたいと思います。

以下のメドピア社が 2019 年 7 月に産業医 500 人に対して実施した「従業員のメンタル不調に関するアンケー ト」(クレジット:産業保健支援サービス「first call」)では、メンタル不調要因は以下のように挙げられています。

ご覧の様に、圧倒的な 1 位 が「職場の人間関係」です。また「職場の人間関係」の内訳としては「上司との人間関係」が 74%、「同僚との人間関係」が 22%です。 この様に、職場のメンタル不調の最も大きな要因は人間関係にあるという調査結果が出ています。

テレワークの利点を活用することで、むしろメンタル不調を改善できる可能性もある

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以上の様に、職場におけるメンタル不調の最大の要因が人間関係であり、テレワークは人間関係においてメリット・デメリットの両面を持っています。

デメリット面が強く出ると出社よりネガティブな結果になることも考えられますが、逆にメリット面を活かすことでポジティブな結果に繋げることができます。そこでテレワークを実施する際には、今回紹介したメリット面が色濃く出る様に意識して取り組む事が大切です。

「適切な距離感をとるための仕組みとして有効に機能する」、「デジタルファクトが残りやすく透明性が上がり、トラブルを防ぐことができる」といったテレワークのメリット面を有効に活用する事で、従来の対面型コミュニケーション以上に職場の人間関係を向上させる事が実現できるのです


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