ポップインサイト創業記(12)〜アルコ黒須さんとの出会い
有力販路を拡大するために努力していた結果、比較的初期の段階から中心的なクライアントになってくれたビジネスパートナーが数社できました。それは『クロスコミュニケーション』『アルコ』『ソウルドアウト』『データアーティスト』の4社でした。
アルコ黒須さんとの出会いは勉強会
初期の重要な顧客の1社にアルコさんという企業がありました。当時の窓口だった黒須さんは、今ではアルコを退社されていますが、今も大変懇意にして頂いています。
黒須さんと出会ったのは、私が起業前に開催していた勉強会でした。第5回の勉強会に参加者として黒須さんが参加して下さったのです。
その時に、黒須さんが「ユーザーテストって凄く良いですね!」と言って下さったのが、私達のビジネスパートナーとしてのスタートでした。
ユーザテスト×SEOの可能性
アルコさんは『SEO対策』と呼ばれるネットの検索結果を上位にするサービスを提供する企業です。
検索エンジンでの掲載が上位になると、人がたくさん来たり購入や資料請求が増えるなど、求めている成果(コンバージョン)が得られるので様々な会社がSEO対策にとても力を入れます。そのサービスを提供するSEO対策の会社は、当時も現在も数え切れないくらい多数存在するのです。
SEO対策して成果が出ると、検索エンジンの結果が上位にあがります。通常SEO対策会社の役目はそこで完了です。しかし、本来ビジネスは利益を上げる事を目標としています。
つまり、検索結果が上位になった所から、お客さんがサイトを見て、その上で実際に求めている『注文数アップ』『資料請求アップ』『登録件数アップ』などの求めている成果のアップ、すなわち『コンバージョン・アップ』しなければ本来の目的を果たしていないのです。
しかし、多くのSEO対策の会社はそこまで考えている訳でなく、SEOで上位にあがったので任務完了ということになりがちです。
しかし、アルコの黒須さんは、SEOのサービスはそこで終わりではないと考えていました。SEOの先に企業の望む成果『コンバージョン』が上がって始めて成功であると。その為にはどうしたら良いかを考えていたのです。
そんな時に彼は、私達のユーザーテストに出会ったのです。彼はユーザーテストが彼の求めていた答えの1つになると考えたのです。
一般的な解析方法では、そのサイトに入った後の事しかデータが取れません。つまり、サイトに来てから『どんな順番で見た』とか、『どんなボタンを押した』とか、そういった情報しか得ることができないのです。
しかし、実際のユーザーは、何回も色々なサイトを行ったり来たり横断します。
例えば、引っ越しをしようとする人は、あっちのサイトを見たり、こっちのサイトをみたり、また最初のサイトに戻ったり、新たに他のサイトを見てみたりしながら決めていきます。
ユーザーテストでは、そういった経緯も全て分かります。思考発話しながら操作する手順が全て分かるので、どの様に考えて、どのようにサイトを渡り歩き、どのように購入を決めていくのかが全部分かるのです。
これはSEOビジネスにおいても、抜本的なユーザーの価値の向上へとつなげることができます。現在はSEOとユーザーテストの相性が良いということは当然のように認知されていますが、実は当時はかなり先進的な事でした。
黒須さんは勉強会でこの事を知り、自分のサービスにユーザーテストを導入することを決めてくれたのでした。
黒須さんから、既存商材にユーザテストを混ぜ込む方法を学ぶ
ユーザーテストの良さを知った黒須さんを始めとするアルコ社は、その後どんどん自分達でユーザーテストを実施していきました。勿論ユーザーテストのプロではないので、難しい案件や、やりにくケースがあった際には、私に相談が来ました。
一緒にEbookを作らせて頂いたのもいい思い出です。
実は、その過程の中で彼等が自分達で顧客への提案資料など作っていたツールを、逆に私達に提供してもらったりした事もありました。そのお陰で私達は彼等が作った良質なツールを他のクライアントに提供することができたので、とてもWin-Winな形だったと思います。
その他にも、アルコさんがユーザーテストを展開する上での社内研修を、私達が請け負って開催した事もあります。
また、アルコさんが上げた成果はユーザーテスト自体の成果でもあるので、私達は成功事例を次々と得ることができたのです。これは私にとっても大きな自信になりました。
その中でも一番大きかったのは、アルコさんの成功事例を踏まえて、私はOEM戦略の要であるユーザーテストを様々なサービスと掛け合わすという手法を確立することができたのでした。
イノベータ(先進的な利用者)とのやり取りは、大きな学びが得られる
優れたイノベータである黒須さんとのつながりの中から、私はOEM戦略を行う上で、色々なサービスにユーザーテストを掛け合わせていく可能性を把握することができたのです。
アクセス解析をするサービスにユーザーテストを付加価値で行う
アクセス解析×ユーザーテスト
SEO対策をする時にユーザーテストを付加価値で行う
SEO×ユーザーテスト
リスティング広告を制作をする時にユーザーテストを付加価値で行う
リスティング広告×ユーザーテスト
ABテストをする時にユーザーテストを付加価値で行う
ABテスト×ユーザーテスト
この様に既存のサービスに掛け合わせていくことで、サービスの価値が大きく拡がっていきます。もし黒須さんとの出会いが無ければ、このパターンに気づくことも無かったかも知れません。
黒須さんとは今でもとても親しくさせて頂いていますが、このとても優れたイノベータとの出会いには心から感謝しています。
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