映画を観ようと思う。「BlacKkKlansman」

観たいと思った映画を観たい時に観ていく映画鑑賞メモです。
2月、時間がありあまっていた時期にAmazonプライムで「BlacKkKlansman」を観たので、感想など。ネタバレ…あるかもしれません。

私の映画鑑賞方法について

基本は「洋画を字幕版で映画館で観る」。邦画はほぼ観ません。吹き替え版も観ません。映画に求めるのが「非日常感」、「エンターテインメント」と「ダイナミックさ」だからかな。観るときはポップコーン大盛り+炭酸飲料必携(むしろポップコーンを食べに行っている感も否めません)。

でもどうしても公開中に映画館で観られない作品も、もう一度観たい!フガフガ‼ってなる作品も沢山あるので、その場合はWOWOW、WOWOWオンデマンド、Amazonプライムなどで観ます。ポップコーンも極力携行で。

Spike Leeは苦手かもしれない。

監督はスパイク・リー。
いままで作品で観たことあるのが、「Jungle Fever」「Malcolm X」だけ。印象としては「人種差別について真っ向から戦う人」で作品も人種差別、特にアメリカでの黒人・有色人種差別を取り扱ったものが多いので、観ているとだんだんいたたまれなくなってくる感じ。

未だに酷い人種差別があって、それに対して彼のような発信力のある人が映画という手段で抗議することは世の中の価値観に少なからず良い影響を与えていくだろうと思います。もちろん、人種差別はもちろんあらゆる差別に対しては常に200%NO!主義です。

が、なんだか苦手。声高に「黒人はこんなに差別されているんだ‼‼‼」「黒人だけがこんなに理不尽な環境に置かれているんだ‼‼」とでっかい声で叫び続けるのを耳元で聞かされてる感じ。でした。

それでも観ようと思ったのは

まずは、ここ最近気になっている俳優が出ていたから。Star Warsの新シリーズに出演しているアダム・ドライバーです。この人もなんだか不思議な役者さんだな~。見た目はいわゆる正統派のイケメンではなくどっちかというとクセが強い顔(目は綺麗です)かも。やたらとガタイが良くて顔とのバランスが取れてない気がするし、声もくぐもってるし、演技派か?と言われるとそう…かも?しれない??かな?みたいな。(個人的な感想です)

でも、観ているうちに籠った声やでっかい図体のふとした仕草になぜか繊細さがチラッと見えたり(気のせいか…笑)、米国海兵隊出身でジュリアード音楽院で演劇学んだとか聞いてますます、他の作品も観たい!と思っていたのです。

設定からして映画っぽくておもしろい

それから、プロットが「ザ☆エンターテインメント」って感じだったのも観たいと思った理由のひとつです。1970年代アメリカ・コロラド州が舞台で、KKK(Ku Klux Klan)白人至上主義の秘密結社…なのにあまりにも有名なあの白いとんがり頭のマスクと白装束で十字架に火をかけたりするあの集団に、こともあろうに黒人警官が電話で連絡役、白人(といってもユダヤ人)警官が潜入役として2人一役で覆面捜査をする、というお話です。

黒人はもちろんのこと、白人の中であってもユダヤ人もKKKにとって排斥の対象です。映画の舞台である1970年代当時のKKKはその第3期とも言われ、表向き理性的な活動が行われつつも過激な黒人・有色人種差別や排斥行動が多くなってきていました。
そこに潜入捜査なんて危険極まりないしそもそも2人一役でって笑

イケイケどんどん‼︎笑 な時代が眩しい

主人公の黒人警官は人種差別がまかり通っている警察内部の実情を目の当たりにしながら、「自分は出来るって事を証明してやる!やってやるぜ!」と自ら覆面潜入捜査を提案して熱意と口の上手さでどんどん周りを巻き込んで行くし、アダム・ドライバー演じるユダヤ人警官もクールを装いながらも「KKK崇拝白人警官」になりきってノリノリで潜入するし、警察の上司も「おう!やってみろ‼︎どうなっても知らないぞ!ははは!」って感じだし、なんだかとっても軽妙な雰囲気で物語は進んで行きます。

映画の中のお話なので、もちろん当時の差別や人種間の軋轢はもっとシビアで残酷だったはずですが、この「イケイケどんどん!」な雰囲気が当時社会を包んでいたことは間違いないです。(日本もちょうど高度経済成長期の真っただ中でした。)
その空気感が重いテーマなはずのこの映画全体を包んでいて、そんなどこまでもポジティブだった時代を眩しく感じました。

まとめ

時を経て、現代。アメリカの現職大統領が白人至上主義発言を繰り返し、過激な白人至上主義者がまた顕在化し始めている様子を繋いだ映像でエンディングとなります。全編軽妙かつ淡々と進んでいたので、ライトな映画感覚で観ました。このエンディングまでは。…そう。これは現実だった。
結局こうした差別には終わりがないのか…という、輪郭ははっきりしない、でも確かにそこにあるとわかる「怒りと絶望」を感じつつのエンドロール。
   
やっぱスパイク・リー…。
でも今までの作品とは違いました。構えずに映画として純粋に最後まで楽しめたし、だからこそのエンディングを観ての絶望感だし、観た後も彼が訴えたかったことについてずっと考えることが出来ました。

完全な補足になりますが、アダム・ドライバーが期待を裏切らない「微妙かつ絶妙な存在感」だったのも私的に好ポイントです笑 どうも不思議でならない。また別の作品を観よう…うん。
ちなみに主演はジョン・デビッド・ワシントン(Malcolm Xを演じたデンゼル・ワシントンのご子息)です。

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