繋がり

パーカー 携帯 ビーニー
これだけ返して後はあげるから。
私は彼女だった女の子にそう告げた。
貸した時は
彼女は少し寒いから帰りになんか、可愛いパーカー貸してよ!そう元気よく伝えてきた。
これがいいかなー。これかなー。と数分の間で色んな彼女を想像して決めたのが黒の後ろにはキリストのマリアが書いてある少し大きめのパーカーだった。そしてそれに合うだろうと黒のビーニーを被せた。彼女はすごく喜んで
「可愛いし〇〇くんが着てるやつだよね!大切に着る!」と喜んでくれた。
そんなパーカーとビーニーが返ってくる。
そんな彼女は親とは仲が悪く携帯を使えなかった。
その為友達から借りた使わなくなった携帯を彼女に貸していた。
「これあったらたくさん連絡できるじゃん!」
と嬉しげに携帯を触っていた。
そんな携帯が返ってくる。
前日に「明日だけど〇〇駅に四時ね」
「うんわかった」
この会話をして終わった。
当日が来て午後2時になんて送ろう。と悩みながら連絡をした。
「後2時間だけど4時だからね」
そう伝え20分が経ったくらいだと思う
「ごめん。熱が出て体だるいからごめん。」
そんな返信が来た。大丈夫?寒くなったから気をつけて風邪ひかんようにね。など連絡をした。
覚悟を決めて最後の日だし、もうこれで終わりだと思っていた日はもう少し伸びそうだ。
なんでかわからないけど、その荷物の返却が終わってしまったら本当に繋がりがなくなるからだ。
早く終わらせたいと言う気持ちと、もう終わりだけど終わってほしくない。と言う気持ちがせめぎ合った。
繋がりってたくさんある。
友達や恋人や家族などたくさん。
だけど、物でさえ繋がりを持つことができることを寂しく思いながらもパーカーを着た。

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