見出し画像

34 note展 自己紹介:なぜペン画を描くのか

というわけで、始めまして、
そして何かしらの記事を読んでいただいた方は、ありがとうございます。
ペン画を描いている、34(さよ)ともうします。

今回、noteにwebの展として
自分の作品の解説をすることで、

誰でも気軽に作品を味わえるようにしよう。

という個人企画の一貫として、自己紹介代わりに

「なぜペン画を描くのか。」

について記事を描こうと思います。


1.きっかけは教科書で見たブリューゲルの作品

私は小さい頃から積極的に絵を描いてきたというわけではなく、
なんとなくたまに絵を描いている程度で、
主にキャラクターやアニメ系の絵を真似して描くのが中心でした。
そもそも美術作品というものにもあまり興味がなかったのですが、
高校生の時、美術の教科書をパラパラと見ていると、異質なものが目に飛び込んできたのです。

画像1

ピーテル ブリューゲル「大きな魚は小さな魚を食う」 

モノクロと線で描かれた世界の美しさと
幼い頃から魚に対して抱えていた恐怖や不気味さ。

この2つがマッチして、初めて絵を見て強く惹かれる。
ということを体験しました。しびれた。

しかし、まだこの時は
「こういうものを描いてみたいな。」
程度のぼんやりとした気持ちだけで、
版画はおろかペン画というものがあることさえ知らず、
美術部での展示用の作品がアニメよりから、
モチーフの宗教的意味を調べて作ったイラストへ変化するなどした程度でありました。


2.ドローイングとの出会いと貧困

上の記事でも書いたのですが、
デザイン学校の授業の一貫で、ドローイングと出会ったことで、
ようやく「大きな魚は小さな魚を食う」に近い画風を作る方法
「ペン画」というのを手に入れることができました。

また、水木しげるさんのペンで書いた背景など
優れた作品を目にする機会が多くなり、
すっかりペン画が中心の絵を描くようになりました。

ちなみに、「大きな魚は小さな魚を食う」が版画である
ということは結構先まで気付きませんでした。


ペン画を続けたのにはもう一つ大きな理由があります。

わたしは長らく、とにかくお金がない時期がありました。

特に仕事につけなかった時期は、
シャワーもなく、漫画喫茶の30分100円のシャワー代を浮かすために
シンクでペットボトルにお湯を詰めて体を洗ったり、
塩とオリーブオイルをかけただけのパスタを
毎日食べるような生活をしていました。
電気がとまっている時は、
夜は蝋燭をつけて、その灯りで過ごしました。

画像2

その当時はペンはボールペンを使っていたので、値段はかかってもせいぜい200円程度、
色もモノクロなので蝋燭を近づければ夜も少しは作業することができました。

こういう点もペン画だからこそ絵を描くことを
続けることができたのだと思います。


3.他にどうしようもないからペン画を描く

きっかけは色々あるし、
何か壮大な絵を描く理由を長い詩にするように
言われたこともあるのですが結局は、

他にどうしようもないから。

という一言に尽きます。

もっと周りや社会に合わせて行動できたり、
仕事がバリバリできる素晴らしい社会人
だったら、多分わたしは絵を描かないと思います。

正直ぜんぜん絵を描かないで過ごす時もよくありました。
絵を描くのは、色々勉強しないといけないことも多くて大変ですし、
絵描きなのにパースとか、立体的に捉えるなど苦手なこともあります。

けれど、何かをしなくてはいけない気がするのに、
みんなちゃんと生きているのに
自分は何もできないと思ってなさけなくて泣きたくなる時、
生きている意味がないと思う時も
少しずつでも進んでいって
自分でもどうやって描いたかわからないけれど
時間を積み重ねて作品が完成する。
ということにわたしは救われているのだと思います。

細かい絵は年をとったら今のようには描けなくなったり
もしくは完全に絵がかけなくなる日がいつかきたり
するかもしれませんが、
日々、今その絵がかけることに感謝して
作品を進めていこうと思います。


というわけで、
長くなりましたが、自己紹介代わりのペン画を描く理由でした。
作品で何を描きたいか、やたら魚がでてくるのはなんなのか
などはのちの作品紹介で語りたいと思いますので、よろしければお付き合いください。
ではまた。別の作品で。