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麻倉ももさんApiacere アナログ盤(LP盤)の話

どうも、ぽん酢です。
麻倉ももさんの3rdアルバム『Apiacere』のアナログ盤(LP盤)が発売されました。
以前、すべて妄想で感想をnoteに書きましたが

きちんと聴くことができたので感想を書きたいと思います。

まず最初に視聴環境を記します。
プレーヤー:DENON DP-29F
ミキサー :ALLEN&HEATH ZED10FX
スピーカー:Tannoy Reveal501a
以上です。(ケーブルは割愛)

音質の話

LPを再生してまずはじめに感じたことは、“優しい音質”ということです。
これは『僕だけに見える星』を再生した際に顕著に現れます。この曲、ベース等が入ってくると音がゴチャつく印象だったのですが、それが軽減されています。
他の曲にも言えることですが、「あれ、こんなフレーズ入ってたっけ?」となります。
LPを再生してからCDに戻ると、音の圧迫感というか音が前に張り出して窮屈な印象を持ったので、おそらく音圧が低いのでしょう。オタクの好きな『not海苔波形』です。(真相は知らん)
もちろんS/N比で考えるとCDの方がノイズフリーで高音質です。ですが「パチッ、パチッ」というノイズもアナログ盤の味として受け入れましょう。
音質というのは最終的に好みの話ですので安易に“良い”という表現は使いたくありませんが、Apiacere アナログ盤は良いです。少なくとも私にとっては好みです。

A面の話

1曲目の『プリンセスじゃなくても』、まずストリングスが打ち込みではなく生楽器を録音していることとアナログ盤の音質もあってか、曲に奥行きが生まれ優しく麻倉ももさんの歌声を包んでくれています。
2曲目の『eclatante』ですが、聴いた時に広がるお姫様感はCDの方が良いです。ただアナログ盤には躍動感があり、ワクワクしている気持ちが全面に溢れたようなテイストです。
3曲目は『monologue』。それぞれの楽器が被らず聴こえ曲の世界観により浸れます。この曲は間違いなくアナログ盤が良いです。
4曲目『僕だけに見える星』ですが、まず前述の通り優しい音質です。最初に聴いた時、こんなに優しい僕だけに見える星があるのかと非常に驚きました。右チャンネルのギターが何弾いてるのか聴きやすいことにも感動です。
5曲目の『フラワーズ』はローパスフィルターが掛かっている前半部分とフィルター無しの後半部分の差がCDより明確になっており、アナログ盤を聴くことでフィルターはフラワーズが蕾段階の様子を表しているのでは?という新たな解釈の花が咲きました。

A面を再生する前は「何故フラワーズが最後なんだ?」と疑問を持っていましたが、聴いてみると納得です。理屈抜きにA面ラストはフラワーズが最適です。

B面の話

B面1曲目の『シロクジチュウム』ですが、CD音源だけでなく空間オーディオもありますがこれは本当にどの音源が至高なのかが分からないです。むしろすべての音源がそれぞれの理由で至高なのかもしれないです。少なくともアナログ盤シロクジチュウムでしか接種できないベースのニュアンスはあります。
次に2曲目の『Love me,Choose me』は麻倉ももさん真骨頂の“可愛いのに悲壮感が漂う”歌声が最大限に活かされています。低めの音圧のせいか打ち込み系でも圧迫感は無いですしね。あとアウトロの指パッチンの余韻が気持ちいいです。
3曲目の『満開スケジュール』はアナログ盤の躍動感溢れる音質がマッチしていて聴いていると胸が高鳴るワクワク感に襲われます。ライブかな????
4曲目は『彩色硝子』。イントロに奥行き感が追加されかなり好みです。曲への没入感がより増してる気がします。そしてこの曲まで通しで聴いていると、麻倉ももさんが丁寧にどの曲も歌っていて、それぞれの曲に合った感情を込めていることに気づかされます。このことに気づく位置に彩色硝子があるのです。なんて素敵なことでしょう。
ラストを飾るのは『ピンキーフック』です。この曲は言わずもがな最高の曲です。最高の曲がさらに最高になりました。まずイントロのシンバルのキレがいいです。そしてハイハットの細かいプレイが聴こえます。鳥肌もんですコレ。CD音源でめちゃくちゃ音質良いなと思っていましたが、軽くCDを超えていきました。

B面ラスト、全体としてもラストにピンキーフックを持ってくることで、麻倉ももさんの全力投球を表しているのかなと感じました。またCD盤Apiacereのラストがシロクジチュウムで、始めに戻りループしていく雰囲気を出していますが、こちらはループ再生できないアナログ盤ですので、ピンキーフックで締めるという正攻法をしてきた印象です。

最後に

Apiacere アナログ盤はCD盤には無い魅力を持った素敵なアルバムです。
レコードを再生するというのは、今の時代なかなかハードルが高いことかと思いますが、Apiacereが好きな方、麻倉ももさんが好きな方には是非聴いてほしい一枚です。
アルバムとしても素敵な作品ですので、今まで麻倉ももさんを知らなかったという音楽好きな方にも、Apiacere アナログ盤を通じて麻倉ももさんに触れて頂けたら嬉しいです。
最後になりますが、麻倉ももさん、そしてスタッフの皆様、ミュージックレインさん、Apiacere アナログ盤を発売していただき本当にありがとうございます。

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