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パートナーの海外赴任のために退職する?

共働き夫婦の場合、パートナーの海外赴任についていくためには基本的には自分の仕事をいったん辞める必要がある。今回の私の赴任に際しては、何度も書いている通り夫は大反対で当然ついて来てくれなかった。では逆に、もし夫が海外赴任になったら私はすぐに仕事を辞められるかなと思うと、結構躊躇してしまう。「あなたの海外赴任のために私の仕事を犠牲にするの?」。

こちらの社会では家族>仕事がとても強い。日本は完全に仕事>家族というわけではないが、子どもの卒業式に仕事で行けない、とか妻が出産するのに大事な打ち合わせで立ち会えない、とかは仕事>家族の場合もあるということだ。どっちが大事と聞かれて家族と即答できる人は少ないと思う。でもそれは日本がそういう文化だからだと思う。そんな中で女性にだけ仕事より家庭を大事にしろという雰囲気があるから嫌なのだ。もし夫も仕事より家族が大事と思って行動していたら、私も自然にそう思う(はず)。

一方、CFOと話していたら家族>仕事のカルチャーであるこの国でも、じゃあ明日はEarnings callという日に子どもが熱を出しても休めない。家族の大事なイベントに大事な出張が入ったとき、仕事を優先せざるを得ないときもある。自分のポジション(とサラリー)を考えたらそういう選択をしないといけない。すべてはトレードオフで、自分が何を選択するかという覚悟だと話していた。

人生におけるトレードオフの概念はこちらに来てしばしば出会うが、合理的で面白い。よく見かける「すべてを手に入れて輝こう」ではなくても良いのかなと。正解はないのだけど、モヤモヤしないためには夫婦お互いのトレードオフをしっかり考えるのと、大したポジション(とサラリー)じゃないのに家族より仕事を優先するのはおかしくない?という考えが日本にあっても良いなと思った。もちろんどんなポジションでも自分にとっては大事な仕事だし他人が大したことないというものではないんだけど。