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【悩み相談】ペットを失い、心が追いつきません。どうしたらいい?【回答】

質問箱に届いた悩みに回答する連載、第16回です。今回は、タイトルの相談におこたえします。

タイトルでは省略しましたが、質問箱に届けていただいた全文は以下のとおりです。

ペットを事故死させてしまい、頭では色々わかってるつもりですが、心が追いつかずに何もできなくて、生きる気力も失いそうです。どうしたらいいと思いますか?

私はペットも人も含めて、身近な存在を亡くした経験がありません。なので、苦しみを理解できず、的外れな言葉を伝えてしまうかもしれません。でも、できるだけ寄り添って、一緒に考えたいと思います。

私も実家でペットを飼っているので、ペットの存在の大きさは理解ができます。会話はできなくても、仕草や表情で伝わるものがあります。不思議なことに、自分がつらいときになんとなくそばに居てくれたりするんですよね。泣いているときに限って寄ってきたりとか。

そんな大切な存在が居なくなってしまうことのつらさや寂しさを思うと、胸が痛みます。特に今回は「事故死させてしまい」という言葉で届いているので、「させる」という表現が入っているということは、きっと自分を責めてしまっているんですよね。

(つらい)の一言ではなく、「させる」という表現を使ったこともそうなのですが、こうやって何がつらいのか、自分がどういう気持ちなのかを文章にして、私に届けてくれたこと自体が、心を追いつかせるための一歩だと思います。

言葉にするという行為は、自分の感情に名前をつける行為です。自分の感情に名前をつけて、客観的に理解して、受け入れようとしているのだと思います。それが、今のあなたに必要なことなのだと思います。

少し心理学的な話をしますが、「喪の作業」という言葉があります。大切な存在を失ったときの心の過程を指す言葉です。この作業は、喪失を乗り越えて前に進むための、とても大切なものです。

喪の作業には以下のように4段階あります。

①無感覚 嘘か事実か分からずに唖然とする段階です。
②否認 事実を受け止めきれずに空虚感や怒りが生じる段階です。このときに罪悪感や自分を責める気持ちが大きくなるのが特徴です。
③絶望 事実を受け止めますが、悲しみが深く、無気力になる段階です。
④再建 徐々に気分が穏やかになり、復帰に向かう段階です。

質問箱に相談してくれたあなたは、事故死させてしまったと自分を責める気持ちが文章に表れていたので、②否認の段階にあるのだと思います。一方で、事実を「頭ではわかっている」という文章もあったので、事実を受け入れている③絶望の段階にも足を踏み入れている状態だと思います。

4段階でみたときに、②と③が一番つらい段階だと思います。今、あなたはその一番つらい時期で闘っている状態です。

気づいてほしいのは、「ペットを亡くして、ただ絶望している」のではなく、あなたは既に①の段階を乗り越えて、②も越えようとしていて、今③に差し掛かっているということです。ちゃんと、前に進んでいます。出口のない真っ暗なトンネルなのではなく、出口である④はちゃんと前にあります。

落ち込んでいる自分はダメだとか、そんなことは全然なくて、これは必要な過程です。ペットが大切な存在だったからこそ、いきなり前向きになるなんてことはできないし、4段階を1つずつ経ていく必要があるのだと思います。

今、いちばんつらいときだと思いますが、事故はあなたのせいではないし、自分を責めてしまうとしても、それは自分を責める気持ちが起きやすい②否認の段階だからです。それを冷静に分かった上で、どうか自分を責めすぎないでほしいなと思います。

事実を受け止めたり、悲しみと向き合うためには、一人で思いを巡らすのも大切ですが、人に思い出を話したりすることも、大きな助けになります。家族でも、友達でも。私であればSNSのDMでいつでもお話をきけるので、よかったらメッセージを送ってください。在宅ライターなので、時間は気にしません。いつでも大切なペットとの思い出の話、聴かせてください。

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