見出し画像

メルカドで服をもらった話

南米を旅していたとき、いちど南米のいちばん南・ウシュアイアまでいったあと、もういちど北上してエクアドルのグアヤキルにもどり、そのあとコロンビアのカリにサルサのレッスンをしにいった。カリでサルサのレッスンに通うときめていたので、グアヤキルを去る前日に、レッスン用のショートパンツを買おうとおもってメルカドに行ってみた。

南米ではよく、「チナ!チナ!」と声をかけられる。なぜただ「中国人!」とだけ声をかけるのかその意図はわからないけれど、そのときの気分で無視したり「ちゃう、日本人やで」と返したりしていた。例によってメルカドを歩いていたときもめっちゃくちゃ「チナチナ、チーナ!」と声をかけられていたのだけれど、無視したり返したりしながらショートパンツを吟味していた。

最終的に、まずおばちゃんがやっているお店で青いショートパンツを1枚購入。adizeroと書いてあるパクリもの。

画像1

なんなんだadizeroって。でもはきごこちはよかった。7ドルくらい。ぜったいもっと安く買えるけど、まあいい。

なんどもなんども同じ通路を通っていたので、はじめは嫌味ったらしくわたしに声をかけてきたちがう服やのおじちゃんとなぜか仲良くなった。そこに気に入ったものはなかったから何も買わなかったのだけれど、いろいろ世間話をしていたら最終的に「これあげる」とTシャツをくれた。全然ほしくないデザインのやつ。でもうれしかった。

そんでもってもう一枚買おうときめていた別のおじちゃんの店で花柄のショートパンツを手に取ると、おじちゃんがもう一枚渡してくれた。これは俺から、とジェスチャーつきのスペイン語で。このお店も何回も行ったり来たりしていたから、なんでか気に入ってくれたらしい。アジア人はめずらしいから気になるんだろうな。

わたしをばかにしたような声をかけてきていたメルカドのおじちゃんたちを結果的にわたしのとりこにし、4枚の服のうち2枚はただで手に入れて宿に帰った。宿にいた友人シャハに一部始終を話すと笑ってくれた。Tシャツは一度も袖を通さなかった…おじちゃん、ごめん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?