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さんざんだったモン・サン・ミッシェル

フランスといえば、パリの次くらいにモン・サン・ミッシェルに行きたいひとは多いのではないでしょうか。パリからだとだいたい片道3時間近くかかるその場所に、わたしも友人とふたり行ったときの、はなし。

モン・サン・ミッシェルまではTGVとバスを乗り継いで行った。なにがさんざんだったかというと、まず、いっしょに行った友人といろいろありとても気まずい状況だった。むしろ、モンパルナス駅発のTGVに彼が乗り込んでくるまで、その日来てくれるかどうかすらわからなかった。結果的に来てくれたのだけれど、会話がほぼなくレンヌ駅までの約2時間、しぬほど退屈でしぬほど気まずかった。ほんと今日、これからどうしよう…と行きの電車の中で困り果てた。

さらに車内で事件は起こった。旅の下調べをしなさすぎることに定評のあるわたしだけれど、この時も下調べが圧倒的に足りなかった。レンヌ駅からモン・サン・ミッシェルまでのバスは、有名な場所だからきっと30分に1本くらいばんばん走っているだろうと勝手に想像で予定をたてていたのだけれど、実際はなんと1日に4本しか走っていなかった。笑ってしまう。1日に何便もあるかと思っていたのにたったの4本…となると、行き帰りのTGVの時間と慎重に照らし合わせて予約する必要があったのでは…?おそるおそる、自分たちのチケットとちょうどよいバスに乗った場合のシュミレーションをしてみた。そうしたら、驚きの結果が出た。

なんと、モン・サン・ミッシェルに滞在できる時間が20分間だった(笑)。

いや…20分?いやいやいや。短すぎる。あの島に足を踏み入れて帰ってきたらもう20分たってしまう。そんなのありえない。せっかく行くのだ。いろいろみたいし、いろいろ食べたい…え?20分…?まじで…?

TGVの車内で軽くパニックになった。なぜきちんと調べなかったんだろう。いま思い出してみると、信じられない。生粋のばかだったのかもしれない。気まずかった友人もこれにはびっくりしていて、ふたりで笑った。きっとなんとかなるよね、と。

ひとまず、モン・サン・ミッシェルに到着した。島の中に入り、すこし歩くと20分なんて時間はすぐにすぎてしまった。あたりまえだけれど。有名なオムレツはまずいと聞いていたし、なにより友人(フランス人)が食べたがらなかったので、小さな食堂でピザをたべた。モン・サン・ミッシェルまできてピザ。なにこれ。

そして、モン・サン・ミッシェルといえば修道院が有名だけれど、ここも行かなかった。友人が「べつにいかなくてもいい」みたいな感じだったので、わたしもやめておいた。行かなかった話をべつの日本人の友人にしたら「あそこに行かなければ意味がない」と言われてしまった。わたしもそうおもう。

わたしたちが訪れたとき、島のまわりの水は干上がっていて歩ける状態だった。ので、島のうしろをすこし歩いた。おそらく、この時点で2時間弱くらいたっていたとおもう。とっくのとうにバスは行ってしまっていたが、自分たちがTGVに乗り換えるレンヌ駅行きではなく、もっと手前のTGVの駅(名前は忘れた)行きのバスに乗った。駅は白くてちいさくて、おじいちゃん駅員さんがぽつんとひとりいるだけだった。

さて、これからどうしよう。ここはレンヌ駅ではないし、そもそも自分たちの乗る電車の出発時刻が迫っている。駅の周りはとんでもなく田舎でタクシーなどもなさそうだし、レンヌ駅までどれくらい先なのかもまったくわからない…なにこれ、詰んだ。そうおもった。

…のだけれど、友人がおじいちゃん駅員さんになにか説明している。ものすごくはやいフランス語でなにがなんだかわからなかったが、なんとチケットをこの駅からパリのモンパルナス駅まで無料で変更をしてもらっていた…!これだけはすべて最悪だったこの日のいちばんいいできごとだった。さいこう、グッジョブ!

モン・サン・ミッシェルに自力で行こうとしているひとは、時間をちゃんとしらべて予定をくんでから行こうね。わたしから言えることは以上です。

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