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スペインで初めて人の家に泊まった話

はじめての海外ひとり旅はスペイン・バルセロナだった。そのときすでにひとりでフランスに来てフランスに住んでいたけれど、ひとりで外国に旅行にいくのは初めてだった。

旅行のとき、だいたいドミトリーのあるホステルに泊まる。人の気配がないと怖いから、つまり個室が苦手なのだ。

そんなわたしでも、初めての旅行のときは海外のホステルに泊まることを躊躇していた。どんなかんじなのか謎だしへんなひとが同室だったらいやだったから…まあ、スペインの翌日に訪れたコペンハーゲンでホステルに泊まったけれど。それに、泊めてもらうなら日本人の家がいいな…とおもい、いろいろ探していた。

当時はAirBnBなどもなかったので(あったのかもしれないけど有名ではなかったはず)mixiで探してみることに。mixiは当時日本で流行っていたSNSで、自分の趣味などで繋がることができる「コミュニティ」というページがいくつも存在していたのだけど、その中からバルセロナの「部屋貸します」という書き込みを片っぱしから探した。日本人の方がおうちのひと部屋を1泊単位で貸していることが多く、そのときも無事バルセロナの中心で1泊20ユーロで泊まらせてくれるお家を見つけた。

バルセロナの海岸にほど近いアパルトマンで、やりとりをしていた女性が出迎えてくれた。部屋は5部屋ほどありイタリア人などとシェアをしているが、ひと部屋あまっているので旅行者向けに貸しているのだそうだ。とてもひろびろとしていてにぎやかなリビングで、お風呂や洗面所も広くてきれい。

初日の夜は、泊めてくれた女性が近くのバルに連れて行ってくれた。彼女はスペインに住んで4年ほどたつそうで、たしか料理の仕事をしていたんだったかな。スペインは夜遅くからごはんをたべたり飲みに行ったりするのがふつうだとか、正直経済がやばいとか、でもそれでも陽気で楽しそうにしているスペイン人が好きだとか、そんな話をしてくれた。バルセロナやスペインのことはなにも知らなかったわたしにはどれもこれも新鮮で、ソースのかかったポテトフライを食べながらうんうんと話を聞き夜は更けていった。

ずいぶん昔の話だけれど、わたしが旅で出会ったひとたちといっしょに時間をすごすことがすきなのは、この体験があったからかもしれない。

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