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まるでヨーロッパのようなメキシコの白い街

メキシコという国がすきだ。カラフルで、ひとも陽気であたたかくて、ごはんもおいしい。そんなメキシコに、タスコという小さな街がある。カラフルなメキシコではめずらしい、真っ白な街だ。真っ白な家々と、石畳、そこに白いビートルが走っているそこはまるでヨーロッパの小さな田舎町のよう。

メキシコシティからバスで3時間くらいだったとおもう。ふらっとそこへいこうと決めた。ものすごい山道をひたすらに走った後、街の中心からすこし離れたところでおろされた。まったく道がわからなかったが、勘をたよりに歩いていく。

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白のビートルはタクシー。この街のシンボルになっている。どこを切り取っても絵になる、そんなふうにわくわくしながら歩いた。

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例によってこの時も下調べなんてしていなかったので、どこへ向かう、なんてとくに決めていなかった。とりあえず、てきとうにぷらぷらした。そうしたら、わたしがどこかへ向かっていると勘違いしたおばさまに、「ウフフ、あっちよ!」と道を示された。ほほう、そっちになにか楽しい場所があるんだね?とおもい、示してくれたほうへ歩いてゆく。

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おばさまが示してくれた道は、とにかくずっと坂だった。どこに向かっているのかもまったくわからないのに、ここで引き返してはすべてが水の泡になってしまう…とおもってしまう場所までのぼってきてしまった。もはや白い建物はどこにもなく、ふつうの民家の間をとおりぬけていく。暑くて暑くて、ひたすら階段や坂ばかりできついし、ゴールもなんなのかよくわからないし、いったいわたしはなにをしているんだろう?という気持ちになった。

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着いた。展望台のような場所で、キリストの像が立っていた。白い街がものすごく小さくみえる。こんなに高い場所まで登ってきたとは…もはや登山…

山登りはべつにすきじゃないのに、旅先でなぜか高いところへのぼってしまう。自分で意図せずとも、このときのようになぜかのぼってしまう…なぜなんだろう。それでも、山の上の空気はおいしかったし、ながめもとてもきれいだった。

帰りはビートルタクシーに乗ってみたかったけれどつかまらず、早足でかけおりた。ピンクベージュの教会がよくみえるレストランのテラス席で、ものすごく大きなお魚をたべてかえった。

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メキシコのタスコ。訪れた数都市のなかでもとくにすきになった街。いつかまたいくことができたら、こんどはビートルにのってみよう。

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