見出し画像

フリーランスこそ再確認したい、ビジネスマナーのいろは

フリーランスが意識すべきビジネスマナーとは何でしょうか?会社員経験があったり、日頃、周囲の人たちとの関係が円滑に築けてれば問題はないと思っていませんか?

フリーランスという働き方は、会社・団体・組織に所属することなく、業務を請け負うことができる自由度の高さが魅力的です。一方で、言葉遣いや振る舞いなどを顧客に直接評価される場面も数多くあります。

昨今では、コロナ禍において対面の機会も減り、在宅業務で全てを完結させることも可能になりました。

この機会に、改めてオンライン・オフラインのビジネスマナーを学んでいきましょう。

ビジネスマナーとは?

まず、ビジネスマナーとは何なのか、改めて確認してみましょう。

ビジネス実務マナー検定を実施している公益財団法人 実務技能検定協会のホームページには、ビジネス実務マナー検定は「職場常識であるビジネス社会の基本ルールを身に付けているかどうか」を問われる検定であることが記載されています。

ビジネスマナーとはつまり、「ビジネスパーソンとしての常識」のこと。働く環境によっては生活における一般常識と少し異なることもあるかもしれませんね。

仕事ができればビジネスマナーはいらない?

「仕事ができればビジネスマナーなんていらない」という意見をたまに聞くことがありますが、本当にそうでしょうか?この項ではルールとマナーの違いや、マナーを身につけることの重要性について確認していきます。

ルールとマナーの違い

ルールとマナーは時折混同されることがありますが別のものです。具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

◆ルールとは

「ルール」とは、環境や枠組みにおいて守らなければならないものです。例えば日本の法律の一つ、道路交通法は道路における危険を防止する交通ルールですし、ゲームやスポーツにもルールがありますね。いずれも、守らないと違反となったり、罰則を受けたりする可能性があります。

◆マナーとは

「マナー」とは、一言で言えば「行儀作法」です。ルールと異なり、マナーには罰則はありません。私たちが暮らす社会や人間関係において、「お互いが気持ちよく過ごすために守る必要のあるもの」がマナーです。

ビジネスマナーを身につけることの重要性

堅苦しい形式や社内規範が苦手な方は、マナーと言われると耳が痛いかもしれません。また、行儀作法程度なら、そこまで意識しなくていいのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。

特に、リモートワークが普及し、非対面で働く機会の増えた現在では、「仕事さえできていれば」と思ってしまうのも、仕方ないかもしれません。しかし、ビジネスマナーを知らなかったり守らなかったりすることで、礼儀や常識のない人だと思われると、結果として大切な仕事を失ってしまう可能性があります。

人と人との間には、言葉を介したコミュニケーションだけではなく、例えば表情や間の取り方といった、実際に人と触れ合うことで得られる「非言語的」コミュニケーションもあります。

リモート環境では、特に非言語的コミュニケーションに触れる機会が少なく、直接指導をしてくれる人もほとんどいないでしょう。また、限られた人間関係の中で過ごしていると、交流の機会も限られるため、さまざまなタイプの人との適度な距離感を学ぶこともなかなか難しくなってしまいます。

マナーは信用につながる

ビジネスにおいて、マナーを守ることそのものは目的ではありません。マナーはあくまでも「お互いが気持ちよく過ごすために守る必要のあるもの」であり、罰則もありませんから、こまごまとしたマナーに煩わしさを感じる人もいるかもしれません。だからといって、守らなくても問題がないとは言えません。

マナーに対する評価は、目に見える形で受け取ることができないことがほとんどです。フリーランスの場合は、自分が仕事をコンスタントに請け負うことができており、顧客と良好な関係が築けているなら、おそらく問題ないマナーレベルだと判断できます。なぜなら、「一緒にいて心地の良い人」と、継続した関係を持ちたいと思うのは、プライベートでもビジネスでも変わらないからです。

ビジネスは人との繋がりで生まれるものです。クライアントの身になって考えるとわかりますが、経歴や実績が同じレベルの人材なら、より、人となりやマナーができている人に仕事を任せたいと思うのは普通のことですよね。

人同士のつながりと同じように、企業同士のつながりが無数に存在していることを考えると、クライアントを介して新たなご縁も生まれる可能性もあります。一方、マナーひとつで仕事を失うフリーランスがいたり、社員一人のマナーがなっていないばかりに、企業全体の評価が悪くなってしまうこともあります。

押さえておくと安心なビジネスマナー

どんな勤務環境でも、共通して身につけておきたいビジネスマナーをご紹介します。仕事での対人関係を円滑にするヒントにもなりますので、心構えとして覚えて実行してみましょう。

「報・連・相」

「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとった「報・連・相」を「ほうれんそう」と読みます。ビジネスマナーの基本として重要視されているので、ご存知の方も多いでしょう。

業務内容や進捗状況を上司や先輩に伝えたり(報告)、自分が得た情報を職場内で共有したり(連絡)、何かわからないことや困ったことがあった場合に、周囲の人にアドバイスを受けたりする(相談)ことを指しています。

「報・連・相」は職場の人たちそれぞれが業務を抱える中で、滞りなく仕事を進めるための大切なマナーです。

挨拶、お礼、お詫び

挨拶、お礼、お詫び……。、当たり前のことですよね。しかし、振り返ってみてください。どんな時もどんな相手にも、同じように対応できているでしょうか?

機嫌によって基本的な礼節をおろそかにしてしまったり、忙しいことを理由に省いてしまったり、関係性が良好だからと適当に済ませてしまったり、ということはないでしょうか。ひとつひとつは小さなことですが、「先日はありがとうございました」「この度は大変申し訳ございません」など、挨拶やお礼、お詫びの一言をきちんと伝えることが大切です。

正しい言葉づかいを意識しよう

日本語には「敬語」という、敬意を表す言葉づかいがあります。敬語は尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類に分けられ、それぞれ敬意の表し方が異なります。

尊敬語と謙譲語、丁寧語にはどのような違いがあるのでしょうか。文化庁の「敬語の指針」によると、それぞれ以下のような違いがあります。

尊敬語
 相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて,その人物を立てて述べるもの。

謙譲語
 自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。また、自分側の行為・ものごとなどを,話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

丁寧語
 話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。
                 「敬語の指針 文化庁」より引用

コロナ禍において多くの人と交流する機会が減った今、限定されたコミュニケーションの中で、相手を不快にさせず、なおかつ円滑に仕事を進めるためには、正しい言葉を使うように心がけましょう。

すばやく、簡潔に、丁寧に伝えよう

「時は金なり」ということわざがあるように、ビジネスにおいては自分の時間もクライアントの時間も、非常に大切なもの。本来、1秒も無駄にするべきではありません。そのため、連絡や報告などは素早く、簡潔に、丁寧に伝える必要があります。

なるべく早く必要な分だけの情報を共有できるよう意識するとともに、さまざまな連絡手段におけるビジネスマナーについて確認していきましょう。

電話の場合

電話では相手と顔を合わせず、声だけでコミュニケーションすることとなります。明瞭にゆっくりと、語尾まできちんと話しましょう。

小声・早口で喋ると、内容が聞き取りづらいだけではなく、印象も良くありません。人は、話の内容と態度(声のトーンや口調など)に矛盾があると、後者を信じる傾向があります。例えば「ありがとうございます」と小声でぶっきらぼうに言われても、お礼を言われているようには思えませんよね?

誤解が生まれないように声のトーンなど話し方に気を払うようにしましょう。

メールの場合

メールは、休日でも深夜でもタイミングを気にすることなく、いつでも送受信することができる非常に便利なツールです。

気軽に送ることができる分、送る側が早い返信を求めがち、というのがメールの特徴でもあります。また、LINEなどのメッセンジャーと違って既読がつかないので、届いているのか不安になる方も。返信すれば届いていることがわかるため、なるべく早く返信することで相手の不安を和らげる、という効果もあります。

◆返信は24時間以内を心がけ、遅れる場合は必ず謝罪の言葉を

多くの企業サイトではメールでの問い合わせに対して「○日以内に返信します」と書いてあ

りますね。メールの返信は基本的に24時間以内、と意識し、可能な限り早く連絡をすることで信頼度もアップします。

どうしても返信が遅れてしまう場合は、本来はその時点で伝えられる内容を共有し、質問などへの回答が遅れる旨を予め連絡しておくと印象が良くなります。遅れてしまった場合には、必ず謝罪の言葉を添えるようにしてください。

◆件名と本文はわかりやすく

件名には、どのようなメールかわかりやすいように本文に書いてあることを端的に記載し、相手が内容をすぐに理解できる配慮をしましょう。

本文では、5W1Hを意識すると伝わりやすくなります。わかりやすく、かつ情報に不足がないようまとめることが大切です。

相手からのメールの内容にわからないことがある際は、相手のメール本文を引用して確認を取るようにするといいでしょう。また、「はい」「いいえ」で答えるだけではなく、提案を付け加えるようにする等、プラスαのやりとりは話が迅速に進むため好まれます。

本題に入る前に時候の挨拶を入れたり、相手との関係性によっては砕けた話題を入れても良いですが、近年、ビジネスメールは比較的簡潔な文章の方が好まれる傾向にあるので、過剰に意識する必要はありません。

オンラインの場合

コロナ禍においてリモートワーク化が進み、オンラインでのミーティングや接客が一気に普及しました。オンラインでのやり取りは、年代関係なくコロナ禍で始めた人が多いため、ルールやマナーもまだ定まっていないのが現状です。とはいえ、マナーはお互いが気持ちよく過ごすための思いやり。オンラインでも対面でも、相手への思いやりを忘れなければ問題ありません。

オンラインも対面も、身だしなみ、表情、発言などに対する相手の反応はお互いに気になるところです。

対面でやりとりをするとき以上に、画面越しの相手にとって、わかりやすい反応を示すようにしましょう。表情が乏しいと仏頂面に見えてしまいますし、相槌や返事がないと、「本当に聞いてくれているのかな?」という印象を与えてしまうので、気を付けましょう。

環境に合わせて柔軟に

今回ご紹介した内容は、どのような方にも当てはまる基本的なビジネスマナーですが、立場や環境によって、求められるものは変わってきます。

例えば新入社員であれば、まずはマナーに関する知識と経験を学ぶことが必要とされますが、中堅・管理職以上になると、組織の顔として、一歩進んだ振る舞いを求められます。また、海外とのやりとりが多く発生するビジネス環境であれば、意思決定の速さ、評価基準、個人の主張の重要性等、日本企業と根本的な常識が異なることも。

求められることが変わっても、常に誠意をもって相手と接することができれば相手にもそれが伝わります。今回ご紹介したビジネスマナーや、これまで学んできたビジネスにおける常識はあくまで基礎的なものと捉え、置かれた環境に合わせて柔軟に変化を取り入れ、常に自分をアップデートしていきましょう。

まとめ

最近では、副業推進の流れもあり、フリーランス人口も増えており、働く場所やスタイルを選択できる自由度が高まっています。

しかし、繰り返しになりますが、ビジネスの基本は人と人との繋がりです。ビジネスマナーを身につけることは、「信用」や「信頼」を得ることであり、それらはお互いに気持ちよく仕事をするために必要不可欠なものです。

ビジネスマナーを知らずに損をすることがあっても、身につけて困ることはありませんし、マナーを知っていることで評価が上がることも。フリーランスでもサラリーマンでも、、全てのビジネスパーソンに求められるビジネスマナー。改めてご自身を振り返り、学ばれてはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?