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  • かめ子の脳ミソ

    アタマの中をうろうろ走り回るあれこれを、ときどきつかまえてみる。ほっとくとすぐどこかに行くからね。

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48)機械に任せる「洗う家事」

少人数の家族には大きすぎるほどの食器洗浄機を導入してみたら、食器洗いという作業の位置づけが大きく変わった。 寝る前に、1日分の食器や調理器具をまとめて食洗機にかける。朝起きたら中身を出して片付ける。使ったらすぐに洗うのが一番と思いながらもついついシンクに置いてしまう罪悪感がさっくりなくなった。 いざ使い始めてみると、食洗機不適のものが結構ある。洗剤の種類を変えれば洗えるものは、日によって使い分ける。可能なものは少しずつ、食洗機向きの材質のものに買い替えている。すぐに洗わな

    • 47)1日10分の小さな実験~行き詰まったからパンを焼いてみた~

      パンを焼き始めて2週間。いい具合に焼けるようになって、けっこううれしい。 品薄になった小麦粉の棚を見て、皆さんどうしてそんなにパンを焼きたがるのかと不審に思ったが、考えているうちに自分も焼きたくなってしまった。ホームベーカリーを入手し、届いたその日に説明書通りに焼いてみた。悪くはないがたいしたことはない。どうすればおいしく焼けるのか、追求したい気持ちがじんわりわいてくる。 毎日1回、少しずつレシピを調整しながら焼いてみる。記録を取る、焼いてみる、調べる、焼いてみる、仮説を

      • 46)常備するポストスケール:愛着のモノたち

        昭和の高校生の頃にわくわくしながら手に入れたものがいくつか、今でも手元にある。小さな町の商店街の不愛想な文具店で、ちょっと珍しいモノを何か月も迷った末に買ったり買わなかったり。雑誌の文具特集に何度も登場する銀座伊東屋は夢の世界だった。高校生の小遣いで買えるものは限られていたが、逡巡の末に数百円を投じたモノはなかなか手離せず、小さくて古びない生き残りたちがいまだに日常をともにしている。 その一つがペンケースに常備しているポストスケール、簡素な形状ながら正確に小物を計量できる。

        • 45)モノを借りるストレス

          シェアリングエコノミーのしくみが広がって、モノやサービスを「所有しない」選択がしやすくなっている。ひとりひとりが所有するより合理的と思うことは多く、ちょっと試してみたりしている。 ところが、たぶん自分自身のずぼらさから来る問題として、借りたモノを「期限までに」「元の状態を保って」返却することのストレスが思いのほか大きかった。借りている間、そわそわと気持ちが落ち着かない。 旅先でのレンタカーやレンタサイクル、ホテルの部屋、コインロッカーなど、少し日常から離れた状態での借り物は、

        48)機械に任せる「洗う家事」

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          48本

        記事

          44)必要としている人の目に触れるために

          ちょっとした思いつきに舞い上がるとき、即座に、まあ自分が考えるくらいだから世の中のほかの誰かも同じようなことを考えているに違いない、それをすでにどこかに書いているはずだ、と思ってしまう。それなのに自分がおぼつかない文章で書く意味などあるのだろうかと気持ちが引けてしまうのだけれど。 あるテーマについて思わず熱っぽく語り合ったあとに、ぼんやりと気にかかっていた二つのことが突然ぴたりとかみ合った。そうか、そういうことか、とひとりで納得しながら、いつものようにもう誰か書いている人は

          44)必要としている人の目に触れるために

          43)伝わる言葉をさがす

          仕事でもプライベートでも、人とのつきあいは突き詰めれば「伝わる言葉をさがすこと」である。 常識的な人、という表現は自分も使うけれど、本当は誰だって自分の常識で生きている。常識的と言われるのはその枠組みにいる人たちの中で多数派が常識と考える言動をしているというだけのこと。枠組みが変われば常識は変わる。 大きな枠組みは、たとえば働く業界、学ぶ分野、年齢層。 小さな枠組みは、学級だったり集落だったり会社の部署だったり。 最小単位は、たぶん家庭。 それぞれの枠組みの中に、ひとり

          43)伝わる言葉をさがす

          42)自分の人権は守られているか

          「あなたの人権は守られていますか」と問われたら。 イエスであってもノーであっても、その答えを出す何らかの基準があるはずだ。 何を得ているから、何を失っているから、 誰から得ているから、誰に奪われているから、 かつてあったが今はないとか、今はないけれど未来に得たいとか、 他人にあって自分にないとか、自分あって他人にないとか、 かの国にあってこの国にないとか、この国にあってかの国にないとか、 誰かの人権ではなく、自分の人権にまずは目を向けてみよう。 必然的に、自分以外の人権に

          42)自分の人権は守られているか

          41)「単機能・高性能」が好き

          ビルトインの洗濯機、致命的なパーツが故障したので、コインランドリー通いをしながら次の策を考えた。2か月後、別の場所に新しい洗濯機を設置した。 家電選びはワクワクする。量販店など1日中でも見ていられる。 が、今回は少々きびしかった。 壊れた洗濯機が海外製品で、修理するにも交換するにも高い。 キッチンカウンター下のスペースに収まる国産品はない。 そもそもどうしてこのタイプにしたんだったかな、と思い出してみる。 導入当時、私は乾燥機のついていない、シンプルなドラム式が欲しかっ

          41)「単機能・高性能」が好き

          40)新年のあいさつだから

          もともと筆無精だが、すっぱり割り切って年賀状を書かなくなったのはずいぶん前である。当然、届く年賀状もごくわずかになった。紙のハガキは、である。さらりとメールやLINEが何人かから届き、こちらは年を追って微増している。ほぼタイムラグなしで近況を返信し、そのうちの何件かは近日中に会う予定が具体化する。 実は20代後半から30代は同級生たちとはかなり疎遠だった。早めに結婚・出産した人は子育てに忙しかったし、県外に転勤があったり仕事がこれまた忙しかったり。ところが40を前にしたあた

          40)新年のあいさつだから

          39)ベツレヘムのクリスマス

          初めての海外旅行は聖地巡礼のイスラエル。 年末年始の日程だったのでクリスマスの雰囲気は味わえないのかと残念に思っていたが、経由地のロンドンもイスラエル各地の教会もまだまだツリーとネイティビティ(キリスト生誕のジオラマ)が飾られていて、旅行中ずっとクリスマスだった。 子どものころに読んだ海外の物語ではクリスマス休暇というのが出てきた。『飛ぶ教室』など読んで、よくわからないながらにどうも日本の冬休みやお正月とは少し違うんだなと知った。まだ教会に足を踏み入れたこともなく、遠い未知

          39)ベツレヘムのクリスマス

          38)専門用語の闇

          ある分野に関わっている人たちが共通認識を短い言葉でやりとりするとき、専門用語は強力なツールである。定義を共有できていれば、ちまちまと説明しなくても一言で通じる。その積み重ねで深く広く情報を共有し、業務を速く的確に進め、さらなる専門性を高めていく。大事なことである。 ウチではそれでいいのだが、ソトと関わるときはとにかく通じる言葉を使う必要がある。ウチが濃密になればなるほど、ソトへの言葉は慎重に選び、伝えるべきことを厳選して組み立て、相手の理解を十分に確認して初めて用をなす。

          38)専門用語の闇

          37)法律を読む

          意外としょっちゅう、法律の条文を読んでいる。 法律を扱うことそのものが仕事ではないが、「世の中でそう決まっているから」というあれこれは、つまり法律で決められている。業務であれ私生活であれ、多少なりとも役所と関わって動くときは、その背景には必ず法律がある。 いちいち知らなくてもさらっとコトが動くならそれでいいけれど、なかなかそうもいかない。市役所の窓口で住民票を取るくらいならお互いに手慣れた手続きで済む。しかし、ちょっと珍しい事案には役所だって調べないと対応できない。自分が

          37)法律を読む

          36)小さなストレスを解決する~耳鼻科で耳掃除~

          人生初、耳鼻科で耳掃除をしてもらった。 掲示物をついつい読んでしまうので、耳鼻科には「お気軽に声をかけてください」と耳掃除を勧めるチラシを貼ってあるのは知っていた。が、いったいどう言えばいいのか?どんなふうにするのか?なんとなくためらって、長年見過ごしていた。 でも、カサコソカサコソ、頭を動かすと耳の中で鳴るささいな音が気になりだしてしまった。自分では取れない何かが耳の奥にいる。痛くもかゆくもないが、気になり始めると気になるものである。 とうとう決意寸前まで来て、検索し

          36)小さなストレスを解決する~耳鼻科で耳掃除~

          35)汚れること・洗うこと:家事にまつわる戯れ言

          洗濯・掃除・食器洗い。家事の一大ジャンルは汚れをきれいにすること。 汚れってなに? 油だったり、デンプンだったり、タンパク質だったり、それが付着していることそのものが不快な状態だったり、付着したままにしているとさらに不快な状態を招くもの。 水洗いして汚れがなくなればいいけれど、水だけでは落ちない汚れがある。 洗剤で洗うのは、生き物的には汚れを落とすためにやむを得ず別の汚れを使うことだ。もともとの汚れを落としたあと、洗剤を落とす段階で思う。 少しの洗剤が残っているとこ

          35)汚れること・洗うこと:家事にまつわる戯れ言

          34)毎日続ける、転んだら立ち上がる

          毎日続けるって、難しい。 たまにやるのはもっと難しい。 毎日続ける難しさは、できなかった日にすべてが無に帰した気がしてやめてしまうこと。 たまにやる難しさは、きっかけを見失うこと。曜日を決めようが予定表にリマインド入れようが、うっかり見落とすとやりそこねる。 続けるためには、基本は毎日やること、そして、できないときがあっても淡々と再開すること。 こつこつ、こつこつ、毎日休まずに何かを続けられる人はすごい。だけど自分にはできない。流されたり、忘れたり、目の前のことで手一杯

          34)毎日続ける、転んだら立ち上がる

          33)旅の予習と復習と

          はじめて沖縄へ行ったときのこと。 国内の旅行先としてとびっきり有名どころだけど、まるで興味を持っていなかった。沖縄出身の友達が地元で結婚式するから来てよ、というので、もちろん、と、ただ披露宴に出席するだけに出かけた。 初めて那覇空港に降りながら、あまりの海の青さに心奪われた。ポスターとか本とか、沖縄と言えば青い海の写真は定番だが、あれは上手に撮ったヨソイキの作品だと勝手に思い込んでいた。本当に青くて透き通っている、だまされてなかったのだ。 飛行機の便が少ないので、前泊し

          33)旅の予習と復習と