人間関係でメンタルを消耗しないためにできること
なぜ自分はいつも人間関係で疲れてしまうんだろう……。
つい自分よりも他人を優先させてしまったり、人の気持ちを感じ取りすぎて、しんどくなってしまう。そんなことありませんか?
私自身、これまでに何度も、人間関係が原因で疲弊し、苦しい思いをしてきました。相手のために自分が疲弊しているのに、当の本人はケロッと楽しそうに過ごしていて腹を立てたこともあります。
今回は、
いつも人間関係のトラブルが絶えないと感じている方
つい自分よりも他人を優先させてしまう方
人の気持ちを感じとりすぎて、しんどくなってしまう方
に向けて、私が新社会人のときに起きた出来事を例に、人間関係が原因でメンタルを消耗しないためにできることをお伝えします。
1. 新卒1年目で経験したこと
大学卒業後、大手学習塾に小中学生の講師として配属された私。入社後早々、想像もしていなかった人間関係での悩みを抱えることになりました。
1.1 毎日泣き続けるメンターとモクモク業務に取り組む新入社員
私の指導係としてメンターとなったのは、1歳年上の女性の先輩。先輩より年上の女性の講師は他にもいましたが、部署で初めて本社から配属となった方でした。
私が配属になるまでの1年間、先輩は困ったことがあると泣いて意思表示をするため、周囲も接し方に戸惑い、結果的に腫れ物に触るような扱いになっていたようです。
入社3日目に行われた私の歓迎会で、他の女性の先輩から「あなたの先輩は少し精神的に弱いところがあるから、助けてあげてね。あなたはしっかりしていて大丈夫そうでよかった」と言われる始末。
新入社員の私が話題の中心になると、それを嫌がるように先輩が泣き出す、ということが増えてきました。
私自身、新入社員で慣れない仕事にあたふたし、聞きたいこともたくさんある状態。しかしながら、メンターとして頼りにしたい先輩は目の前で泣いている。
次第に、私は悩みがあっても、「目の前にもっと大変な人がいるから自分は言ってはダメだ。自分が悩んでいることを伝えると先輩や上司は困ってしまう」と思い込むようになり、元気なふりをし、言いたいことが言えなくなりました。
つまり、元気でタフな新入社員の仮面をつけて仕事をしていたのです。
当時は周囲が先輩のことでかかりっきりな中、自分も迷惑をかけてしまうのは申し訳ないと謎の遠慮をし、自分が我慢すれば良い、と本当に思っていました。
先輩が泣くと周りがチヤホヤ、かたや後輩の自分は言いたいことが言えなくて疲弊することに不公平さを感じながらもくもく仕事をする、という状況が続きました。
今考えると本当に馬鹿らしいです。
1.2 入社半年で肺炎で入院、2ヶ月の療養生活
就職して約半年経った11月頃、咳がずっと止まらない時期が続きました。
私が働いていた塾では、定期テスト期間中は授業がないため、そこまで乗り切ろう!と思って仕事に打ち込む毎日。
最終日の授業後、「ようやく休める!」とほっとしたのも束の間、一気に体調が悪くなり40度近い熱が数日続きました。一度は同僚に勧められた病院で診察するも、原因が分からず。
再び別の病院で受診すると「肺の下部3分の1が真っ白、あと1日遅かったら本当に危なかった」と医師から言われ、大病院に連れられ即入院に。そのまま約1ヶ月の療養生活となりました。
入院してしばらくは、看護師さんにさえ苦しいから薬が欲しい、水が欲しいと言うことをいうのが申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そこで初めて、私は自分の痛みですら言えないレベルまで気持ちを押し込んで我慢してきたのだと自覚。
仕事から離れて療養せざるを得なくなったことで、自分の置かれている状況の理不尽さや異常さにようやく気がつきました。
入院している間ベッドの上で休養しつつ、自分の周りで起きていることを整理しました。
自分が頭を悩ませていることは、仕事そのものではなくメンターとの関係。
先輩だけに責任があるのではなく、職場は仕事をするところである(愛情を求めて周りに心配をかけるところではない)と、線引きをしていなかった上司にも問題がある。
困ったことがあった時に相談していいのは、メンターのみだと思い込んでいた(他の誰かに相談すると明らかにメンターの機嫌が悪くなるため。)。
他の女性の先輩が「心配している」と言ってご飯に誘ってくれるが、大体は仕事が終わった夜中で、しかも先輩の持論を聞かされることがメイン。心配してくれていると思っていたため、断れなかった。
困っていることを言わなければ、人にはわからないし伝わらない。上司は少し長く生きているだけの人であり、全知全能のエスパーではない。
新米講師である自分に大切なことは、生徒や保護者に信頼される講師になること。先輩のお守り係になるためにいるのではない。
退院後少しずつではありますが、自分にとって今何が大切なのか意識できるようになってからは、困ったことは別の先輩に聞いたり、できることできないことをはっきり言えるようになりました。
仕事が落ち着いてできないため、最終的には、先輩を私のメンターから外して欲しいことも上司にお願いすることもできました。
2. 経験から学んだこと
ここからは、この経験から学んだことをご紹介します。
2.1 問題を呼ぶ体質なのではなく、問題の大半は自分で作り出していると悟る
周囲で起きていることは自分の解釈次第。どこまでを自分の問題として捉えるのかも自分の解釈次第です。そして、何をモチベーションにして取り組むか決めるのも自分次第です。
私は中学のころに学校が荒れていたため、逆境をモチベーションに変えて勉強に打ち込みました。そのことから、何かを頑張るときには負の出来事をモチベーションに変えるために、自分の周りにある問題を見つけるのが習慣になっていました。
困ったときに、困ったと言わず、「自分が我慢すれば」とか「自分が解決すれば」と思い込んでいたせいで、負の出来事を作り出すような状態になっていました。
自分の周りに問題が多いのではなく、大半は自分が問題を探している。
そう気が付いてからは、周囲で起きている出来事の中で、本当に自分が関わる必要があるものについてだけ考えたり、対応するようになりました。
↓負のスパイラルを生み出してしまった中学校時代の経験はこちら↓
2.2 相談することは悪いことではない!冷静に自分の悩みを伝えることも必要
社会人になって苦労するのは当たり前。言わずに我慢して耐えるべき、と思い込んでいました。しかし、社会人として仕事の経験を積むために努力や苦労をすることと、職場で理不尽な出来事に耐えることは全く別のことです。
「あなたは大丈夫だよね」と言われ、大丈夫なふりをしてしまいましたが、大丈夫なふりをする必要は一切ないのです。むしろ自分が抱えている問題を自覚して、解決していくことの方が大切です。
時間がかかってでも伝えようとすれば、わかってくれる人はちゃんといます。
私の場合、何に困っているのか言葉にすらできない状態だったため、思ったことをノートやワードに書いてみて、少しずつ整理をするところからはじめました。
自分がすべきことを着実にしつつ、周りに自分の悩みを伝えることで、徐々に理解者が増えていきました。
2.3 相手が不機嫌になっても、できないことはできないと言っていい
相手が自分を気遣ってくれている(ように見える)からといって、全てを受け入れる必要はありません。
必要なときは受け入れ、そうではないのであれば3回に2回は断って、自分の時間を持つように心がけたことで、周囲からの不要な干渉を減らすことができました。
相手が不快にならないよう「それなら仕方ない」という理由をつけて、断るようにしました。
断ったことで相手が不機嫌になるのは、あなたの問題ではなく相手の問題です。
3. メンタル消耗しないためのコツ
ここからはメンタルを消耗しないための、心の保ち方について紹介します。
3.1 自分と人との境界線を明確にする
私は中学時代以降、自分の気持ちよりも人の気持ちを優先させてしまったり、人の問題を自分のように感じてしまってしんどさや辛さを感じてしまうことがよくありました。
新入社員になって経験したこの出来事から、私はこれまで必要以上に他人の問題を自分の問題として背負い込んでしまっていたのだと気が付きました。
相手が悩みを話してくれるのは自分を信頼してくれているから、とは限りません。誰かに話を聞いてほしかったときに、たまたまそばにいたのが自分だったということもあるかもしれないからです。
私はこのことに気が付かず、相手が話してくれたのと同じくらい自分のことを話し、信頼関係を築いていると思い込んでいました。
結果的に相手との境界線が引けなくなり、相手の悩みも自分ごととして取り込むことが多くなってしまいました。
信頼関係を築くことと、相手との間に境界線を引くことは全く別のことです。
ちゃんと境界線を引いて、必要以上に他人を自分のテリトリーに踏み込ませないことも安定したメンタルを保つために必要なことです。
3.2 自分にとって重要なことは何か?を考える
今の自分にとって重要なことは何か?を考えて行動すると、悩む必要がないことに意識を向けることが少なくなります。
逆説的な言い方をすると、自分にとって重要なことがわかっていないが故に、周囲のノイズに振り回されるのです。
人間関係の悩みが増えてきたら、自分にとって重要だと思うことが薄れ、周囲が気になりやすくなっているサイン、と捉えるのも良いでしょう。
私の場合、「授業力を高めて、生徒や保護者に信頼される先生になることが最重要だ」と認識できてからは、以前より楽に先輩と関われるようになりました。相変わらず先輩はことあるごと泣いていましたが。笑
自分が何をするためにここにいるのか?を考えると、するべきこと・やめるべきことをはっきりさせることができ、先輩との関係を考える労力も時間もグッと減りました。
3.3 今起きていることのしんどさを過去の経験と比べない
私は職場での人間関係で悩んでいた時に、中学校で苦しんだ経験と比べ、「中学校の時と比べると、マシ」と考えて乗り切ろうとしていました。
しかし、結果的に自分の気持ちを言葉で表現できないくらいにまで押さえつけ、体調を崩してしまいました。
今感じている人間関係の苦しさと、過去に感じていた苦しさを比べ、今のほうがまし、と考える必要はありません。
なぜなら過去に苦しさと向き合っていた自分と、今の自分は同じ人物ではないし、起きている問題や周囲の環境も全く異なっているからです。
しんどい、苦しいと感じた時にはまずその気持ちを認めてください。どう対応するか考えるのはそれからです。
3.4 ストレス発散方法を見つける
仕事や学業だけに集中しすぎてしまうと、気持ちの行き場がなくなってしまうので、ストレスの発散方法を持っておくことも大切です。
体力も気力も疲れ切っているときには、しっかり食べて寝ることが第一です。
楽しさを感じたり、リフレッシュできる趣味があることで気分の切り替えに繋がったり、気持ちが明るくなることにつながります。
体を動かすことでもいいし、本を読んだり、絵を描いたり自分の好きなことであればなんでもいいです。
ちなみに私は元々運動がとても苦手だったため、唯一自慢できる柔軟性を生かせるピラティスを試しました。
動きはとても地味ですが、じっくり体を伸ばせるのでとてもスッキリするし、健康にもいいです。今でも定期的に時間をとっています。
趣味に取り組んでいる時間は、抱えている悩みを考えることはないのでいいストレス発散になります。
まとめ
以上、人間関係でメンタルを消耗させない方法についてみていきました。
人間関係で息苦しさを感じたら、こちらを思い出してもらえると嬉しいです!
経験から学んだこと
問題を呼ぶ体質なのではなく、問題の大半は自分で作り出していると自覚する
相談することは悪いことではなく、冷静に自分の悩みを人に伝える
相手が不機嫌になっても、できないことはできないと断る
メンタル消耗しないためのコツ
自分と他人の境界線を明確にする
自分にとって重要なことは何か?を考える
今の苦しみと過去の経験を比べない
ストレス発散方法を見つける
私自身、これらのことを意識しやってみたことで、人間関係でメンタルを消耗することや、人に対して嫌悪感を持つことがガクンと減りました。
おそらく、他人とちょうど良い距離感を測れるようになり、ニュートラルな気持ちで人と接することができるようになったからです。
以前は自分の周りに嫌いな人がたくさんいましたが、今はほとんどいません。それは、嫌いだと感じるほど近い距離感で人と接していないからだと思います。
人付き合いをしていて「この人ちょっと今は一緒にいるのがしんどいかも」と感じることは、相手との距離が近すぎることのバロメーターになるので、参考にしてみてください。
また、自分にとって何が重要なのかをはっきりさせ、できるできないをちゃんと伝えることで、私を利用しようと思って近づいてくる人が少なくなりました。
人間関係でメンタルを消耗させないことは、自分にとって何が大切なのかを知り、居心地の良い環境を作ること。
ご機嫌に楽しく日々を過ごしていくために、自分にとって何が大切なのか、また、ノイズになっているのは何なのか、見つめる時間を取るのもいいかもしれないですね!
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