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【1】 挫折からのキャリア論 〜レジリエントに生きる〜 山口真由 著

こんにちは!ぽんたろうです。
こちらのマガジンでは最近読んだ本で、とても印象に残った本を紹介していきます!
初回は 挫折からのキャリア論 〜レジリエントに生きる〜 山口真由 著 です!


以下の内容でお送りします^^


この本との出会い・なぜ読もうと思ったのか

別の本を買おうと立ち寄った本屋で、偶然見つけたこちらの本。
休職し始めた時期に、タイトルに惹かれてつい手に取りました。

というのも、著者山口真由さんは東京大学法学部をオール「優」で卒業後、
財務省に入省、アメリカハーバード・ロースクールに留学後、ニューヨーク弁護士に登録……テレビで見る彼女はキラキラしていて、私に映る彼女は「めちゃくちゃ強い女性」のイメージ。「挫折」とは無縁、無敵な無双のような方だとずっと思っていたからです。
挫折っていっても、こんな賢い人がいう挫折は一般人が思う挫折とはかけ離れているのではないか?そう言った点に興味を持ちました。
また、「挫折からのキャリア論」とやや堅苦しい感じのタイトルでありながら、とても柔らかい雰囲気の表紙。このギャップにも興味を持った理由の一つです。

彼女がどんな人生を歩み、人生の岐路で何を思い、どう選択したのか。
気になって、気がつくと買う予定だった本と一緒にレジに持って行っていました。

内容の要約

山口さんのこれまでの半生で経験した大きな挫折トップ5を「特大の飴玉」として紹介。それぞれの「飴玉」で起きたこと、どう感じて克服してきたかを時系列に記述しています。
(一つ一つの飴玉の内容について記載するとネタバレになってしまうため、ここでは割愛します。ぜひお手にとってご自身で読んでみてください。しいて言うならば、華々しく見えるキャリアの裏で、都度大きな変化が起きている、ということです。)

大きな飴玉を舐めていく(挫折を思い出し、反芻する)ことが、次のアクションへのモチベーションとなり、努力をする原動力となる。目に見えない「挫折」を「飴玉」と見えるものに変換し、原動力が欲しい時に箱から取り出して舐める
また、「飴玉」を通して過去の出来事を振り返って、随所で過去の自分やその世代にいる人に向けてメッセージを送っています

回顧録にとどまらず、個人がよりよく生きるため、社会を良くしていくための不可欠な要素についても言及しています。
・女性が社会で活躍する際の大きなハードル
→女性のロールモデルや女性を引き上げるシステムがまだまだ日本の社会には足りていない。先輩が自身の失敗や弱さを開示して、後輩が安心して育っていける環境が必要。
・日本の教育についての問題点
→教育の場と、社会に出た時の「評価基準」が大きく異なっていること
 評価が異なることで、勉強ができる=仕事ができる、に必ずしも結びつかない。

単なる回顧録に終始するのではなく、随所に若い世代へのメッセージや、今の社会に対して感じることが書かれています。

感じたこと

正直なところ、挫折の内容が想像の域を超えていました。しかし、いい意味で裏切られました。華々しく見えるキャリアの裏側には大きな挫折があり、その中で山口さんがもがきながら勝ち取ってこられたことが書かれています。40年ほどの半生で、自身のアイデンティティーが揺れる出来事が何度も起きているのに、その度に踏ん張り、腐らず前を向けている。テレビでキラキラしている姿から姿からは、とても想像できない半生。まさに臥薪嘗胆の半生を送ってこられているのだと思いました。
ただこの本に書かれていることについては、おそらく程度は違えど、多くの人(特に学生時代勉強が「できる」と他者から評価され、自分自身もそう思っていた人)に当てはまることが沢山書かれていたように思います。
自身の根幹を揺るがすようなことがあった時に、それをどう人生の糧にするのか、昇華しよりよく生きていくのかということを、山口さんの半生を振り返り教えてくれているように思いました

例えば、大学卒業し新卒で就職。今までは「優秀」と評価されてたのに、社会に出ると評価がすっかり変わってしまう……これまでの自分と社会に出てからの落差にひたすら自分に落胆する。山口さんのように、日本の最高学府を上り詰めた人が、「あなた仕事できないよ」と他者から指摘されたり、自分の不甲斐なさを実感すると、そのショックはより大きかったと思います。学生時代、順風満帆でやってこれた人であれば、尚更自分のできなさ加減を受け入れるには、勇気も覚悟も並々ならぬものが必要です。(分からないことがあった時に、人に聞くのですらプライドが邪魔して聞きにくいといった小さなことから)
彼女のすごいところは、そこで諦めるのではなく時にはその場でもがきながら、時には場所を変えながら(本の中では「逃げ」と書かれていましたが……)徹底的に自分と向き合い、自分の強み弱みを分析、活躍できる場を見つけようともがいてこられたことです。

挫折を飴玉として認識することで、「そこにあるもの」と認識する。今の自分を形成する一つの要素でありながら、挫折が自分自身ではない、と客観的に切り離して考える。飴玉であれ何であれ、一度自分とは「別のもの」と切り離して認識する。今後より良く人生を生きていくためには必要で素敵な考え方だと思いました。

今後に活かしたいポイント

私自身まだまだ昇華しきれていない、絶賛味わい中の特別な飴玉が大なり小なり沢山あります。
思い出して辛くなることもまだありますが、「この飴玉は生姜味(まだ辛い)、kこっちのはスイカ味(甘くてだいぶ昇華されてきた)」などと変換しながら付き合うっていくことで、必要以上に辛くなったり悲しくなることも無いのでははないかと思いました。

本に書かれていたことで、こんな事だったら自分にもできる気がします!
自分の失敗や挫折について他者に話してみる(話す相手は選ぶ)
折に触れて過去の辛い経験やその時の感情について書き出し、自分の中に溜め込まない。時間をおいて心境の変化があった場合は都度修正。

うまく生きようとするのではなく、今自分にできることは何か?
腐らず、前を向いてぼちぼちマイペースに生きていこうと思える本でした。


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