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室町砂場 赤坂店 〜粋なそば屋で一杯〜

子どもの頃から憧れ続けていた老舗を訪問。

「室町砂場 赤坂店」通称「赤坂砂場」

伊丹十三監督作品『タンポポ』(1985)に登場し、子どもの頃から憧れてきた蕎麦の名店。
そう。映画で大滝秀治が、お汁粉の餅で喉を詰まさせていたシーンのロケ現場だ。

店構えからして老舗。西原理恵子なら「マッチ一本で全焼」と言いたくなる古民家である。

数名並んでいたので、行列の最後尾で暫し逍遥。
店内にはテーブルと小上がりがあり、たまたま小上がりが空いていた。望むところである。映画で大滝秀治が餅を喉に詰まらせたのも、小上がりであった。

まずはつまみと、お酒(菊正宗)を冷やで注文。
「冷や」とは冷酒ではなく常温のこと。
お酒といえば菊正、しかも燗酒か冷や(常温)しかない。

突き出し(浅利の生姜煮)で菊正をちびちび。
これが不思議とハマる。時が止まった空間で、懐旧の念を感じながら、杯を重ねる幸せ。

つまみは甘めの卵焼きと、焼き鳥。しみじみと旨い。
ジャズのスタンダードナンバーを聴くような安定と安心がある味わい。菊正の杯が進むこと請け合いである。

〆のもりそば。
思わず「旨い」と声が漏れた。
流行の十割蕎麦とは異なる、伝統的な二八蕎麦だ。
香りや味わいより、喉越しを重視する江戸っ子好み。理屈ではなく、蕎麦好きのDNAに染み渡る旨さ。
まさに、老舗の実力ここにあり!である。

食後に蕎麦湯を頂きながら、美味しさを振り返る時間も愉し。

伝統と粋を体現した「赤坂砂場」。
未訪問を後悔すると共に、この年齢になって初訪問して良かった、とも感じた。

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