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高校英文法のアウトライン 第10章 分詞 第4回 分詞構文

もともと形容詞的に働く分詞を、副詞的に用いる用法を分詞構文と呼びます。
分詞構文は主節との関係に応じて比較的自由に訳語を選ぶことができますが、一応の訳し方の目安があります。

基本的な分詞構文の訳し方

基本的な分詞構文の訳し方は大きく分けて6通りほどに分類できると思います。
しかしこれは、分詞構文に決まった用法が6つあるというのではありません。
また、見出しにあげる訳語をきっちり日本語に反映させる必要もありません。
あくまで、分詞と主節との関係を適宜捉えて、自然な日本語を当てれば良いのです。
そうとは言え、完全に自由に訳して良いと言われても学習者は困惑するので、文法書には代表的な訳し方が挙げられているのです。

「~しながら」

Nancy was standing at the gate, smiling and waving her hand.
「ナンシーは、微笑んで手を振りながら、改札のところに立っていた。」

「~する時」

Seeing my face, Nancy smiled and began waving her hand.
「僕の顔を見ると、ナンシーは微笑んで手を振り始めた。」

「~して、そして…」

Nancy and I went shopping at Harajuku, having dinner at Shibuya.
「ナンシーと僕は原宿で買い物をして、渋谷で夕飯を食べた。」

「~なので」

Feeling happy, I kept smiling for a while even at home.
「幸せな気分になり、家でもしばらくニヤニヤしてしまった。」

「~ならば」

現在分詞(-ing)の形をしている印象の強い分詞構文ですが、過去分詞(p.p.)の形をした分詞構文もあります。

Seen from other people, we must have looked like a good couple.
「他の人から見たら、僕たちは良いカップルに見えたに違いない。」

分詞の意味上の主語は原則、主節の主語と一致します。
主節の主語(we)と分詞の関係に着目しましょう。
「私たち」は「見る」のでしょうか「見られる」のでしょうか。
すると、「私たち」は周りの人から「見られる」のだと分かります。
また、仮にSeeingの形を取りたいにしても、何を見るのかの目的語が文中に存在しないため意味が成立しないことが分かります。
以上2つの観点から、この文の分詞はSeenが正しいのです。

「~だけれども」

Admitting I love Nancy, it does not mean I don’t like other girls.
「ナンシーを好きなのは認めるけれど、だからと言って他の女の子を嫌いになったわけではない。」

主節の意味内容を意味上の主語とする分詞構文

先に見たように、分詞構文の意味上の主語は通常、主節の主語と一致します。
しかし、そうではなく、主節の意味内容を意味上の主語とする分詞構文が存在します。

I enjoyed talking with Nancy during lunch time, and she smiled at me when we left the cafeteria, making me all the happier.
「お昼の時間にナンシーと話せて楽しかった。しかもカフェテリアを出る時に微笑みかけてくれて、それで僕はますます幸せな気分になった。」

この文では、私をますます幸せな気分にしてくれたことは、ナンシーが微笑みかけてくれたという意味内容だと分かります。

このような分詞構文は、意味内容を先行詞とする関係代名詞の非制限用法と似た構造をしています。

I enjoyed talking with Nancy during lunch time, and she smiled at me when we left the cafeteria, which made me all the happier.

こちらも同様に、ナンシーが微笑みかけてくれたという意味内容がmadeの主語だと分かります。

終わりに

長文を読んでいると数えきれないほどの分詞構文を目にします。
慣れるまでは今回の訳例を参考に、読みこなせるようにしましょう。

第10章はこれにて修了です。
第11章は関係詞を扱います。

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