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高校英文法のアウトライン 第7章 仮定法 第3回 さまざまな仮定表現

仮定法は何かしらの仮定表現と共に用いられることが普通です。
もちろんifを使うことが多いですけれども、今回はifを使わない仮定も含むさまざまな仮定表現について見ていくことにします。

should「万一~ならば」

if節の中で助動詞shouldを使う仮定表現があります。
非常に可能性の低い仮定を表すのでもちろん仮定法と相性が良いですし、直説法の文や、以下の例文のように命令法(命令文)で用いることもできます。

If you should find any suspicious object, please contact the security office immediately.
「もしも不審なものを見つけたら、至急警護室までご連絡ください。」

were to「仮に~ならば」

shouldと共によく使われる仮定表現に、were toを用いるものがあります。
こちらは純粋な仮定と呼ばれ、実現する可能性の高低にかかわらず仮にその事柄が起きた場合を想定して物事を述べたい時に使います。

If the Internet access were to be interrupted across the world, the whole society would not work at all.
「もしも世界中でインターネットが遮断されたら、社会のすべてが全く機能しなくなるだろう。」

ifを使わない仮定表現

以上の他に、ifを使わずに仮定を表すこともできます。

ifの省略

if節の主語と動詞の順番を入れ替えることで、接続詞ifを省略することができます。

Were I in your place, I would accept his offer and join his company.
「もしも僕が君の立場なら、オファーを受け入れて、彼の会社に加わるよ。」

この例文はもともと、If I were in your placeという節でしたが、Ifを省略するのに伴い主語と動詞の順番が入れ替わっています。

「~が無ければ」:without ~/but for ~/if it were not for ~

withoutとbut forはほぼ同義に用いられます。
また仮定法過去でも仮定法過去完了でも同じ形で使えるため便利です。

But for the accident last year, he would have joined the tournament and won a lot of games.
「去年のあの事故がなければ、かれはその大会に出場して、たくさんの試合に勝利していたでしょう。」
If it were not for the tall building, we could see Mt. Fuji from our room.
「あの高いビルが無ければ、部屋から富士山が見えるのになあ。」

ちなみにif it were not forを仮定法過去完了で用いるには動詞部分を活用させ、if it had not been forの形にして使います。

副詞句

時を表す副詞句などが条件として機能する場合があります。

Twenty years ago, we couldn’t have succeeded in launching the satellite.
「20年前だったら、その衛星の打ち上げには成功していなかっただろう。」

不定詞句

to不定詞にも条件を表す用法があり、仮定法で用いられます。

To hear Nancy sing, you would think her a professional singer.
「ナンシーが歌うのを聞けば、プロの歌手だと思うことでしょう。」

主語に仮定の意味が含まれる表現

A person with a genuine faith in some religion would respect other people’s beliefs as well.
「何か宗教を真に信じている人なら、他の人の信仰もまた尊重するだろう。」

この表現は文章中に出てきた時に仮定法だと気づきにくく、厄介です。
動詞部分に助動詞の過去形(would、could、might)が出てきたら仮定法だと疑うことを習慣づけましょう。

otherwise「そうでなければ」

前の文を受けて、それとは違う状況だった場合を仮定する時に用います。

I didn’t have an eraser with me at the exam; otherwise, I would have got much higher marks.
「試験の時消しゴムを持っていなかった。そうでなければもっと良い点数を取っていただろう。」

終わりに

今回はさまざまな仮定表現ということで、多くの種類を見てきました。
仮定表現だと見抜きにくいものが多いので、あくまで仮定法の目じるしである助動詞の過去形(would、could、might)でもって法の区別をするようにしましょう。

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