高校英文法のアウトライン 第11章 関係詞 第1回 関係代名詞
関係代名詞の働き
関係代名詞は接続詞と代名詞の働きを兼ねています。
① 形容詞節を導き、名詞を修飾する。
② 節の中で代名詞として働き、文の要素(S・O・C)になる。
①が接続詞としての働き、②が代名詞として働きです。
簡単な例文を見てみます。
This is the watch (that I bought yesterday.)
「これは私が昨日買った時計です。」
まず、後にSVが続いているのでthatは接続詞として働いていると分かります。
また節の中で文型を考えると、thatはboughtの目的語としても働いていると分かります。
一見するとboughtの後にあった目的語が欠けたように見えますが、そこにあった目的語it(代名詞)は、関係代名詞thatに変わって節の先頭に移動しています。
従ってOSVの語順になっているのです。
関係代名詞を含む文の作り方
関係代名詞を含む文は、もともと独立していた2つの文が接続され、1つにまとまったものと考えることができます。
接続する手順は以下の通りです。
① 修飾したい名詞の直後にもう1つの文を接続する。
② 接続した文中の代名詞を関係代名詞に変える。
③ 関係代名詞(のカタマリ)を節の先頭に移動させる。
また関係代名詞には、節の中での働きを示す「格」というものが存在します。
まずはそれぞれの格ごとに、関係代名詞を含む文の作り方を見ていきます。
主格の関係代名詞
節の中で主語の働きをするものを、主格の関係代名詞と呼びます。
英文で考える前に、まずは日本語で、これからすることをイメージしてみましょう。
「その学校には先生がたくさんいる。」
「彼らは英語と日本語の両方を話せる。」
→「その学校には英語と日本語の両方を話せる先生がたくさんいる。」
まず、2つの独立した文が与えられました。
1つ目の文の「先生」というのは、どうやら「英語と日本語の両方を話せる」ようです。
これを1文で表現すると3つめの文にまとめることができます。
これと同じことを英文で行います。
The school has many teachers.
They can speak both Japanese and English.
ここから、冒頭に挙げた手順を踏みます。
① The school has many teachers (they can speak both Japanese and English.)
② The school has many teachers (who can speak both Japanese and English.)
③ The school has many teachers who can speak both Japanese and English.
(この例文では関係代名詞はもともと節の先頭にあるので、手順②から③では変化は見られません。)
whoが代名詞としてcan speakに対する主語として働いており、カタマリの中にSVを含むので接続詞としても働いています。
目的格の関係代名詞
節の中で目的語の働きをするものを、目的格の関係代名詞と呼びます。
「鴨下さんは英語の先生だ。」
「私はその先生をとても尊敬している。」
→「鴨下さんは、私がとても尊敬している英語の先生だ。」
Ms. Kamoshita is an English teacher.
I respect her deeply.
① Ms. Kamoshita is an English teacher (I respect her deeply.)
② Ms. Kamoshita is an English teacher (I respect whom deeply.)
③ Ms. Kamoshita is the English teacher whom I respect deeply.
whomが代名詞としてrespectに対する目的語として働いており、カタマリの中にSVを含むので接続詞としても働いています。
所有格の関係代名詞
節の中で代名詞の所有格の働きをするものを、所有格の関係代名詞と呼びます。
「あの先生は生徒から大変尊敬されている。」
「彼女の発音はネイティブの発音みたいだ。」
→「発音がネイティブみたいなあの先生は生徒から大変尊敬されている。」
That teacher is greatly admired by her students.
[Her pronunciation] is like that of a native speaker.
① That teacher ([her pronunciation] is like that of a native speaker) is greatly admired by her students.
② That teacher ([whose pronunciation] is like that of a native speaker) is greatly admired by her students.
③ That teacher [whose pronunciation] is like that of a native speaker is greatly admired from her students.
whoseがpronunciationに付属する人称代名詞所有格として働いており、カタマリの中にSVを含むので接続詞としても働いています。
前置詞+関係代名詞
以上3つの格の関係代名詞に加えて、関係代名詞が前置詞の後の名詞(前置詞の目的語)として機能する場合があります。
「あの新しい曲が今ラジオで流れているよ。」
「昨日君にその曲について話したよね。」
→「昨日君に話したあの新しい曲が今ラジオで流れているよ。」
The new song is now going on the radio.
I talked to you [about it] yesterday.
このような関係代名詞を含む文は2通りに表現することができます。
① The new song (I talked to you [about it] yesterday) is now going on the radio.
② The new song (I talked to you [about which] yesterday) is now going on the radio.
③ The new song [which] I talked to you [about] yesterday is now going on the radio.
① The new song (I talked to you [about it] yesterday) is now going on the radio.
② The new song (I talked to you [about which] yesterday) is now going on the radio.
③ The new song [about which] I talked to you yesterday is now going on the radio.
終わりに
関係代名詞を学習する際には、接続詞・代名詞としての働きと、関係代名詞を含む文の作り方の2点を押さえることが重要です。
どんなに簡単な文でも必ず意識するようにしてください。
次は関係副詞について見ていきます。
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