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高校英文法のアウトライン 第3章 時制 第4回 副詞節中の現在形

「第3章 時制」の最後に、非常によく使われるけれども、日本人の気が行き届きにくい文法規則を1つ取り上げたいと思います。

未来のことでも現在形

時制に関して、次のような文法規則があります。
とても重要な規則なので、何も見ずに暗唱できるくらい、繰り返し読み込んでください。

時や条件を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形を用いる。

このことを念頭に、次の例文を見てみましょう。2つのifのカタマリに注意して読んでください。

I wonder if Nancy will come to the party this weekend. If she comes, I will attend the party, too.
「今週末ナンシーはパーティーに来るのかな。もし来るなら僕もパーティーに行くよ。」

ifのカタマリが名詞節なのか副詞節なのかが重要です。
まず、ifが持つ2つの意味を確認しましょう。

if
① 名詞節を導く時:「~かどうか」
② 副詞節を導く時:「もしも~なら」

さて、1つ目のifのカタマリはwonderの目的語になっていることが分かるでしょうか。
つまり文の要素になっているので、「~かどうか」と訳す名詞のカタマリ(名詞節)です。
従って通常通り、未来の事柄は未来時制を用います。

それに対して2つ目のifのカタマリは文の要素になっていませんから、「もしも~なら」と訳す副詞のカタマリ(副詞節)です。
従って条件を表す副詞節だということになり、その中では未来のことでも現在形を用いて表現する必要があります。

なぜ現在形を用いるのか

なぜこのような不思議な規則があるのか、もちろん、その理由を説明した記述はいくつも読んだことがあります。

個人的に理解しやすかったのは、「副詞節の中に表される事柄が現実に起きるものだと想定して主文が述べられるから」というものや、「主文が未来時制なのだから、従属節中でわざわざ未来時制を取らなくても誤解は生じないから」などがあります。

しかし語学学習に対して私は、「ネイティブがそう言うのには、日本人には計り知れない何かがあるのだから、素直にそのまま真似ればよい」という立場を取っています。
つまり、根源的な理由を突き詰めるよりも、実際にその規則を使いこなせることの方を重視しているのです。
そこら辺の話は「学者」に任せて、「学習者」である私たちは厳に存在する文法規則を1つ1つ体得すれば良いのです。

(これは私の個人的な立場であり、他人様の異なった立場を否定するものではありません。)

終わりに

やや哲学めいた話が長くなりましたが、要は、時や条件を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形を用いることを忘れずに徹底しましょう、ということです。

これで「第3章 時制」は修了です。
次回からは「第4章 完了形」に入ります。

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