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阪神が優勝して思い出したこと

阪神が優勝した。38年ぶりだという。

今回で2回目であり、まだ1回しか日本一になったことがない。これは意外であった。38年ぶりというのだから、新卒で会社に入った人が定年を迎えるころだ。

そう考えると、あまりにもながい。きっと阪神の優勝を見届けられず、この世を去ってしまった熱き阪神ファンもいるのかもしれない。


長年待ちわびていた阪神ファンの方の気持ちを思うと、巨人ファンのぼくでも、阪神ファンの人には「おめでとうございます」と伝えたい。



そして、そんなことを思っていると、はじめて巨人の試合を生で観に行ったときのことを思い出した。



それはちょうど阪神戦で、巨人の優勝がほぼほぼ決まっていた2012年の9月のことである。

ぼくははじめて生でプロ野球を観れることを嬉しくおもっていた。子どものときに連れてってもらったことはあったが、まだ小学校低学年で、あまりプロ野球にも興味がなく、みるより自分でプレイするほうが好きだった。


巨人ファンになったきっかけは父の影響であった。毎日我が家では巨人戦が流れていた。本格的に巨人を応援しはじめたのは、自分の野球がおわった高校3年の夏であった。


それから高校を卒業してから働きはじめ、社会人になってからは毎日のように巨人の試合にかじりついていた。プロ野球がこんなに面白いなんて現役だったころには気がつかなかった。


そして晴れて、巨人戦をみにいくことになった。


長野から高速バスで新宿に向かい、新宿から13番線を通って水道橋にたどり着く。東京ドームには何回も足を運んだので、田舎の人間ながら覚えてしまった。


そして今でも覚えていることが阪神ファンの熱意である。巨人ファンの人は駅からおり、ドームについてからユニフォームを着る。なかには席についてからゆっくり着替える人もいる。


だけど阪神ファンの人は違った。


水道橋駅の3駅くらい前からすでにユニフォームに着替えていて、黄色い小さなメガフォンをJKギャルのようにじゃらじゃらとぶら下げていた。

なかには、いつからその恰好だったの?と思うくらい全身シマシマで、これから建設現場にでも向かうのかと思ってしまうボンタンをはいている人もいた。


え、えぐい。これが阪神ファン。熱がちがう。あまりのいかつさに、ぼくは思わずカバンから出ていた巨人のタオルをかくした。


ドームに着いたとき、ただユニフォームを着るだけの巨人ファンにたいし、関西タイガー連合軍とでもいうのか、暴走族みたいな格好をしていた方たちがゴロゴロと歩いていた。


またしてもそのインパクトに驚かされた。


だけど、さっきまでとてもビビっていたのだが、もしギラついた阪神ファンの中に、巨人ファンがひょこひょこ舞い込んでいったらどうなるのだろう、と興味が湧いてきてしまった。


い、いきたい。うずうずしてくる。


まだドームは開場していない。レフトスタンド(阪神応援席)の入口には、気持ちがたかぶり過ぎている阪神ファンがうようよいるに違いない。


そう思ってレフトスタンドのほうに歩き出した。でも、一緒にいた友人があわてて全力で止めてくれた。


そのときはムッしたが、のちにわかる阪神の勢いのある応援とヤジをみて、全力で止めてくれてありがとうと友人にいった。


この阪神ファンのいかつさはプロ野球の見どころのひとつともいえる。

長年プロ野球を支えてきたのは他でもない、ファンだとぼくは思っている。とんでもなく野球が好きで、球団への愛が深すぎるコアなファンがいるおかげで、今のプロ野球は成り立っているのだ。


つまりなにがいいたいか。阪神ファンの方々、この度は優勝おめでとうございます!存分に歓喜の輪に浸って下さい。
そして来年は負けません。以上。終わり。






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