毎日冬眠する動物がいるってホント?~デイリートーパー~
1 導入
こんばんは、ひろきです。今日は「冬眠」についてお話していきます。さて、皆さんは冬眠についてどういったイメージをお持ちですか?
恐らく、「哺乳類が冬を越すために眠ること」だと理解されていると思います。私もそう思います。ですが、冬眠と似たことを毎日行っている動物もこの世に存在しているんです!今日はそんな珍しいデイリートーパーについて解説していきたいと思います。
2 そもそも冬眠って?
本題に入る前に、冬眠について簡単に説明したいと思います。冬眠とはリスやヤマネなど、小型の哺乳類が冬にエネルギーを節約するために、環境温度に近い温度まで体温を下げることです。
では、何故恒温動物である彼らがこんなことをする必要があるのでしょうか?それは、体温を維持する必要があるためです。
生物は体内で熱を生産しており、生産できる熱量はそれを行う組織の体積に依存します。熱生産を行う組織とは骨格筋などです。
一方、熱を放出する機構も同時に存在しており、放出量は体の表面積に依存します。体表から熱が逃げていくので、表面積に依存していると言えます。
当たり前だ!って思われるかもしれませんが、(熱生産の量)>(熱放出量)となれば、体温は上がっていきますし、不等号の向きが逆ならば体温は下がっていきます。
我々人間は体の表面積と体積(体重)のバランスが良いため、生産量と放出量はほぼほぼ等しくなっています。しかし、体の小さい哺乳類は別です。
彼らは体の体積(体重)の割に表面積が大きいのでどんどん熱が体外に逃げてしまいます。冬以外であれば、熱が体外に逃げても何の問題も無いでしょう。しかし、冬は別です。周りの気温が低いので、それに合わせて体温もどんどん下がってしまいます。体温を維持するために、エネルギーを使ってしまうこともあってムダなエネルギーを使い、やがて死に至ってしまいます。
そこで編み出されたのが冬眠です。生体活動を一時的に停止させることで、ムダなエネルギーを使わないようにして、余ったエネルギーで生きていけるギリギリの体温を維持します。もちろん冬眠の場所は土の中などなるべく温度が高い場所です。
これが冬眠のメカニズムです。
3 デイリートーパーとは?
さて、今回の記事の本題に入ります。デイリートーパーは毎日、冬眠と似たようなことを行う種のことを指します。代表例はハチドリです。
昼行性であるハチドリは、毎晩デイリートーパーになって疑似冬眠状態になります。その理由は2つあって、
① ハチドリが住む場所は標高が高く、夜の気温が大変低い。
② ハチドリは体重が10g以下なので熱放出量が多く、熱が逃げてしまう。
この2つが主な理由です。トリという名前が付いていますが、大変小さいので寒さに耐えられるだけの熱を体内で生産できず、熱が体外に逃げてしまうんですね。
そのため、夜間は疑似冬眠状態になることで、余計なエネルギーを使わないようにして必死に体温を維持しているんですね。
他にもある種のコウモリはデイリートーパーと言えます。夜行性なので、昼にデイリートーパーとなる点でハチドリとは違いますけど。
4 まとめ
次回も是非、読んでください!
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