Q・B・Bチーズと怠惰な生活。

夜明けとともに
布団から起き上がると
ポロっと毛布からQBBチーズがでてきた。

「え？なんで？」

と思わず声が出た。

でも、声をあげたと同時に
心の中では原因がすでにわかっていた。

またやってしまった。
また、やってしまったのだ。

お察しの通り、私は無類のチーズ好きで、冷蔵庫には数種類のチーズが常備されている。
特にお気に入りなのはカマンベールチーズなんだけど、お値段も少し張るので、100円で買える「Q・B・Bチーズ」は私の強い味方だった。

Q・B・Bチーズでも特に好きなのは、
カマンベールチーズ味で
私のカマンベールチーズへの愛はとても強いものだった。

そして私は毎日入浴後に冷蔵庫から必ずこの「Q・B・Bチーズ」を手に取る。
その後、大切にパジャマの後ろポケットに入れる。

ポケットに入れた後、私は自室でYouTubeを見たり、本を読んだり、ベットでゴロゴロとスマホを見ていたりすると、うとうとと眠気がやってくる。

眠気にすぐに負けて、朝がやってきて、
Q・B・Bチーズはすっかり忘れさられ、
パジャマのポケットに葬られる。
そして、数日後に私の布団の中で発見される。

その頃には形も変わって乾燥もしている。
もうチーズ本来の姿ではないのだ。

やってしまった。
そして、ごめんなさい。
チーズへの申し訳なさもある。
むしろ、チーズになる前の牛乳を生んでくれた牛や、Q・B・Bチーズの社員さんまでに謝りたくなる気持ちだ。

いつかQ・B・Bチーズにも、警報か、SiriみたいなAIが搭載されて、

「お客さま、チーズをお忘れです」

「お客さま、ポケットにチーズ入ってますよ」

「お客さま……、ちょっと、ちょっと！？お客さまっ！！！」

「お客さま、忘れてませんか？ねぇ？きいてるの？怒りますよ！ピーッ！ピーッ！ピーッ！」

とか注意してほしいところである。

Q・B・BチーズにAIが搭載される未来、
素敵だよね？
近いうちにそうなりませんか？？

ちょっと楽しそうじゃありませんか？

Q・B・Bチーズと
喋れる日が来たらいいなぁ。
と未来を妄想しながら、
今日も私はQ・B・Bチーズをポケットに入れる。
おっ、と、寝る前に歯磨きを忘れてはいけないね。
歯磨きをして、Q・B・Bチーズをお守りに。
いい夢が見れるかもしれない。おやすみなさい。



わたしたちお揃いばかり集めてる なまけものしか生えない銀歯