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「覚醒のゆなな」 第3話 「伝説」


取材陣とともに向かった先は世田谷方面、三軒茶屋を抜けて


多摩川沿いの高級住宅が立ち並ぶエリアへ。


程なく大きなプレハブのような建物が目に入ったところで停車。

入り口らしき扉にはどこかで見た覚えのある

ライオンをあしらったマーク!


そう!ここは世田谷区にある新日本プロレスの道場だ!


ゆななはニューシングルの映像特典もかねてと言うこと以外

何も知らされていない。


プロレスといえば珠理奈がのめり込むあまり

ドラマ出演を経て新日の公式アンバサダーにまで就任している。


(yu ❛ ڡ ❛ )na「ここで珠理奈さんが待っているのかな〜?」


状況が飲み込めない様子のゆなな、

まだピンときていないようだ。


湯浅支配人に促されるまま管理人らしき男に案内され道場内へ。


扉を開けた瞬間、真冬にもかかわらずものスゴい熱気だ!


むせかえるような熱気と男の汗クサさが飛び込んでくる。

様々なトレーニング器具から発っせられる耳慣れない金属音、

躍動する男たちの荒い息づかいがゆななの五感を刺激する。


奥に設置されたリングでは若手レスラーらしき男たちが

スパーリングで汗を流している。

今まで立ち入ったことののない屈強な男たちばかりの異空間に

思わず息を飲むゆなな。

と同時に血が騒ぐのを隠しきれないゆなな。


程なく黒づくめのファッションにヒゲとサングラス、
テレビで見たことのある大男が湯浅支配人に歩み寄ってきた。


湯浅「蝶野さんお久しぶりです!わざわざありがとうございます!」

蝶野「こちらこそ、どうもどうも」


あの伝説の夏男”黒のカリスマ”蝶野正洋だ!

がっちり握手を交わした二人。


どういうつながりか友人関係のようだ。


蝶野「ありがとうございます。話はつけときましたんで、間も無く来られます」

チラッと視線をゆななに向ける蝶野

蝶野「この子ですか?」

湯浅「ええ...私の目に狂いがなければ」


蝶野にニッコリと微笑みかけるゆなな。



トレーニングしていたレスラーたちが、そそくさとリング上を整備し始める。

取材陣は椅子やマイクを用意している。

どうやら対談はこのリング上で行われるようだ。


ゆなな「珠理奈さんじゃないのかなあ…?」


程なく

首に赤いマフラーを巻いたスーツ姿の大男が

入り口からひょっこり顔を出した。


「あっ!」


ゆななは思わず叫んだ。


そう、プロレスを知らないゆななも


その人は見たことがある。


メンバーがたまにモノマネするあの伝説の男だ!


そう、燃える闘魂アントニオ猪木その人である!!



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