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物に当たる自分を辞めたい①


私はとても感情的な人間だ。

感情が昂ぶると抑えることができない。

昂ぶると抑えることができないので、旦那にぶつけていた。

しかし、頭のいい旦那に感情の昂ぶる私。

「で、何が言いたいの?自分はどうすればいいの?」

そう言われた私は、言葉にすることができずに自分を引っ掻き、叩く。

それも注意されると、物に当たる。

ガチャガチャと大袈裟に音を立てるのはまだいい方。

その場にある物を投げたり、床に叩きつけたり。

旦那がそれを嫌がるようになってからは隠れてやっていた。

物を投げる。叩く。これでいいじゃないか。落ち着くのなら。

自分を傷つけるのも辞めたし。いいじゃないか。

辞めろと言うけど、これで安定してるんだし、そんなの無理無理。

そう心の中で言い聞かせながら、洗いかけのプラスチックのお皿をシンクに叩きつける。


そんな私にある日、旦那が呆れたように言った。

「物に当たるなんて、おかしいよ。普通じゃない」

私は耳を疑った。普通じゃないだと?

思わず私は旦那に捲し立てた。

「え、うちでは腹が立ったり何か気に入らないことがあったらドアを強く閉める、叩きつけるは普通だったよ?

お母さんもおばあちゃんも、おじいちゃんも従姉妹もおばちゃんもおじちゃんも

みんなやってたけど?

テレビでだってよく出るじゃん。そんなシーン。

ほら、ねねちゃんのお母さんもむかついたらウサギを殴るでしょ?

ドラマでだって漫画でだってあるじゃん。

相手の発言にイライラして、持っているコップをテーブルに叩きつけるとか。」

旦那はそれを聞いて、まだ呆れたような困ったような顔をしている


「うちではなかったよ。そんなこと。

ってかそれを家族にされて嫁はどんな気持ちやったん。

正直俺は、嫁が少し怖い。

大きな音がすると『また自分が何かやってしまったのか?』って思う。」


思い出した。

お母さんが洗濯物を叩きつけるように家に入れているのを見た時、

バンっと音を立ててドアを閉める時、

大袈裟な足音を鳴らしながら階段を上がってくる音を聞いた時、

「また何かで怒らせた」そんな風にとても恐ろしく感じていた。

そして、ピリピリとした空気を感じる家がとても居心地が悪かった。


そんな気持ちを旦那に味合わせていたのか。


辞めたい。物に当たる自分。感情的な自分。

子供の頃に嫌いだった気分屋で不機嫌を撒き散らすお母さん。

そんなお母さんであり、妻に私はいつの間にかなっていた。

物にあたる自分を辞めたい。




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