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古典に学ぶVol.3【知恵を得る方法】 デカルト著 哲学原理より

前々回、前回は哲学と何か、またその効用について述べてまいりました。

知恵を得る方法を学びましたため、今回はその方法を述べてまいります。

知恵を得る方法を知る

デカルトは知恵を知る方法について、本書にて以下の通り述べています。

公理を知り、自ら体験し、他者との対話を実施し、読書を通じて知る。

1.知恵と言われているものの公理・概念を知る※
これは改めて自ら考え直す必要もないほど一般に定着している知恵を理解すること。「疑いようのない常識」と言ったことでしょうか(ただし哲学するには疑うことは避けられないので、一旦は疑うことが良いでしょう)。
※原文「何の省察もなくして得られるほど、自明的な概念」

2.自ら体験することを通じて知る※
※原文「感覚の経験が知らせる一切」

3.他人との対話を通じて知る※
※原文「他人との談話が我々に教えるもの」

4.読書を通じて知る
我々に良き教えを与え得る人物によって書かれた書物を通じて知る。それは上述の3と同様著者との対話の一種であるからである。

デカルトは一般に知恵を得るには上記4つに絞られると言っています。
公理を知り、読書を通じ(大家との対話を通じ)理解を深め、自らそれを経験して、しっかり知恵に至るプロセスを説明できるほどの理解をし、他者へ提供できる真理を得ていきたいものです

これまでビジネス上で出会った方々の多くは、残念ながら自らの体験を知恵として語るケースが大半でした。
大家の言うことを偉そうに述べるのは虎の威を借る狐ですが、まずは公理や歴史を通じて支持されている情報を軸に自らが知恵と考えることを他者へ提供してまいります。
※私個人、自らの経験だけを軸にして話す人が苦手(嫌い)なところもありますが・・・

岩波文庫 哲学原理 仏訳者への著者の書簡より

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