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"助産師"は私の天職

はじめに

はじめまして、助産師のくるみです。
今日は私の職業である、"助産師"について紹介していきます。

実は、助産師は日本に約35000人しかいません。
日本の人口に対して、わずか0.03%です!!!!!!
近くに助産師さんの知り合いがいたら結構ラッキーです。

しかも1年に生まれる赤ちゃんが約88万人いるので、
意外と貴重な職業だとお分かりいただけるでしょうか?

そんな貴重な存在である"助産師"ですが、
どんな仕事をしているのか、実際よく知らないという方が多いと思います。
なので今日は私が助産師という仕事の素晴らしさ
紹介していきたいと思います。

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助産師って何者??

助産師の仕事をしている人は、世界のどの国にもほぼ存在します。
日本では、法律で助産師とは何ぞや?が決められています。
その法律は保健師助産師看護師法、略して保助看法になります。

なので、助産師じゃない人が「私助産師デース」と言ったり、
助産師っぽい仕事をすると法律に抵触するということですね。
いくら助産師になりたくても、だめですよ、絶対。

さて、本題に戻って、法律で助産師とはどう決められているかというと

「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。

そうなんです。
日本では、女子しか助産師になれないんです!!!
日本で女性しか就けない職業は、助産師くらいしかないと思います。

今の時代に、中々チャレンジングな制度だと思います。

ただし、海外では男性も助産師になれる国があります。
例えばアメリカやイギリス、オーストラリアなどです。

日本でも"男性助産師問題"は長年議論されてきていますが
日本ならではの文化や風習的な問題から、
日本で男性が助産師になれるには、まだまだ時間がかかりそうです。

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助産師の仕事って??

日本に35000人しかいなくて、女子しかなれない。
助産師がなんだかレアな仕事だってご理解いただけたでしょうか?

「それは分かったけど、助産師って一体何してるの?」
と気になってる方もいるでしょう。
次は仕事内容についてご紹介していきます。

先ほどの保助看法に戻りましょう。

「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。

ということで、助産師にしかできない仕事は
①助産②保健指導の2つになります。
どっちも聞き慣れない言葉かと思いますので、
それぞれの仕事について詳しく紹介していきます。

①助産

まず"助産"とは読んで字の通り、お産を助けることを言います。
つまり、お産を介助するということですね。

お産を介助するとは、赤ちゃんを取り上げるという事です。
実はこれが結構職人技だったりします。

美しく漆喰を塗る職人がいるように、
美しく赤ちゃんを取り上げる助産師がいるんです。

これは豊かな経験から創られていく職人技です。
そして、その職人技をお産場面に少し添えることで、
ママたちのお産の経験を少しでも満足いくものにしようと
トライしているのが私たちになります。

そして、助産師は満足いくお産の経験を創るため、
お産を取り上げる瞬間だけに関わるのではなくて、
妊娠期間中から陣痛中、お産までずっとママに寄り添っています。

②保健指導

ということで、妊娠中からの関わりが重要になるんですね。
では妊娠中何をしているかというと、"保健指導"になります。

保健指導とは、簡単に言うと
助産師がする、"健康にすごすためのアドバイス!"になります。

このアドバイスは人によって内容が変わるため、
妊娠中のパーソナルカウンセリングといったところでしょうか。

そのアドバイスは、体重管理や食事管理の方法だけではなくて、
育児に必要な育児用品についてだったり、母乳やミルクについてだったり、
時にはママのココロの健康や、パパとの関係性についてだったりもします。

つまり、保健指導で助産師に会うたびに、
妊娠出産に関する"なんでも相談会"ができる感じです。

こういう仕事を通して、ママと赤ちゃんをサポートするのが
助産師のお仕事になります。

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助産師の素晴らしさって?

ただ、私が思う助産師の素晴らしさとは、

”命の誕生の瞬間に携われること”

だと思います。

命の誕生を知ることは、私たちがどう生き、どう死ぬかを知ること。
人の愛や生命エネルギー、家族の繋がりなど
時代がどんなに移り変わろうと、世界がどんなに変わろうと、
ずっと受け継がれてきたものがそこにはあります。

赤ちゃんが生まれる時、ママやパパは
「生まれてきてくれてありがとう」と言います。

「会いたかったよ」と涙を流します。

産まれたばかりの赤ちゃんは、泣くことしかできないんです。

それでも、みんながこの世に生まれてくれたことを歓迎します。
みんなが喜んで、笑顔になってくれるんです。

人は本来そういう存在じゃないでしょうか。

私たちは生きているだけで、尊い存在なんだと思います。
助産師はそれを実感できる職業です。

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なぜ助産師になったの?

私が助産師になったきっかけについてお話しさせてください。

私も"助産師"という仕事を知ったのは、進路選択間際だったんです。
あの時助産師を知っていなかったら、
この天職に巡り合うことはできませんでした。

私が高校3年生の夏、兄の子どもが生まれました。
退院後、初めて赤ちゃんを抱っこした時に、
”私の腕の中で命が生きている"という事に凄く心を動かされました。

命の重みを実感したし、生命エネルギーを感じました。
その時"産婦人科で働きたい!"と思いました。

当時私は医学部志望だったので、産婦人科医になりたいと思っていました。
そのまま冬にセンター試験を受けたものの、志望校を受けるには
ぎりぎりという点数でした。そこで進路選択を改めて考えました。

その時に、医師として働いている兄に相談にいきました。
兄は私と同じくらいのセンターの点数だったので、
医学部受験も不可能ではないと教えてくれました。

でも、私が産婦人科に進みたいと思っている事を伝えると、
「お産に関わりたいならメインは助産師さんだよ」と教えてくれました。
その瞬間まで助産師という仕事を知らなかった私には衝撃でした。

そこから助産師について調べると、めちゃくちゃ心を掴まれました。
「私がやりたい事全部できるじゃん!」という感じでした。
まさに天職に巡り合えた気分でした。

そこから私は進路変更をし、無事に4大の看護学部に進学しました。

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どうやって助産師になったの?

そんな経緯を経て、
私は4大の看護大学に進学した後、その大学の大学院に進学し、
助産師免許と助産師修士号を取得しています。

今の日本で助産師になろうと思うと、様々なルートがあります。
これがめちゃくちゃ分かりずらい!!!
他にどんな方法で助産師になれるのかを説明していきます。

まず助産師は、看護師免許に+αで取得する免許なので、
看護師免許を持っていないと助産師になれません。
なので、まず何かしらの方法で看護師免許を取得する必要があります。

看護師免許を取得する方法

①高校看護学科(高校3年+専門2年)
 高看は高校と専門学校が一緒に合わさった学校になります。
 高看だけ特殊です。高専みたいな感じですね。
 以下は高校卒業後に進学する選択肢になります。
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②看護専門学校(3年)
③看護大学(4年)

以上を経て、助産過程がある学校に進学します。

助産師免許を取得する方法

①看護大学の助産過程(4年)
 これだけまた特殊で、看護大学の4年間の中で、
 学内選抜に合格した人のみ助産過程を学べるというものです。
 この学内選抜はかなり厳しいので、エリートさんが多いです。
 以下は看護専門や大学を卒業後に進学する選択肢になります。
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②助産専門学校(1年)
③大学院助産過程(2年)

以上を経て、やっと助産師になれるということです。
助産師が少ないのは、入り口が狭き門だからなんですね。
年間に2000人ずつくらいしかなれない、実は選抜部隊なんです。笑

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おわりに

今日は、助産師という仕事についてご紹介させて頂きました。

日本に35000人しかいない助産師です。

私たちが持っている物、知っている事を
もっと気軽に共有できるようになったらいいなと思っています。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。

#私の仕事

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