見出し画像

【僕の休日】息子と酒を

僕はアラサー、二児の父。
趣味は昼間からお酒を飲む事。

僕には夢がある。
大きくなった息子と酒を飲む事だ。



【僕が20歳になった頃】
そろそろオヤジと飲みに行くだろうな。。
モヤモヤしながらもどなもんなのか
期待する自分がいた。

そしてついに親父に誘われた。
てっきり居酒屋に行くもんだと思っていたら、
親父は缶ビールを買ってきた。

つまみは。。。ないな。
他の酒は。。。ないな。

テーブルに置かれたのは
2本の缶のみだった。

とりあえず
ビールのタブをめくり
乾杯をした。

ごくり。。。
もう一口ごくり。。。
一回テーブルに缶を置いて

親父:ビールはこの苦味がいいよな!

そしてもう一口ごくり。。。

親父の顔がみるみる赤くなっていく
親父が急に立ち上がる
親父がソファーに向かって歩く
親父がソファーに寝そべる
親父が言う

親父:眠くなってきたから寝まーす。

親父は酒が飲めない人だったのだ
確かに酒を飲んでる姿を見た記憶がない。

時間にして2分ほどの出来事
飲んだのはたった3口。

僕は飲み慣れないビールの苦味に
口をモゴモゴさせながら
横たわる親父を見ていた事を
今でも鮮明に覚えている。

それからオヤジと酒を飲むことはなかった。
親父なりの儀式だったのだろーか。



【僕が25歳の頃】
結婚して、相手の実家へ伺った。

きっとお酒を酌み交わすのだろうと思い
一升瓶を持参した。

だが、なんと
相手の両親もお酒がのめなかったのだ。

失敗したとおもった。
同時に嫁も前もって教えてくれやと思った。

結局、一升瓶は調理酒として
使ってもらう事になった。



【そして30歳の今】
正直お酒は好きだ。恋人だった時期もある。
立派に1人飲みも覚えた。

だがたまに寂し時もある
うちの親族も相手の親族も
だれも飲める人がいない。

集まっても注がれるばかりで
僕が注ぐ相手はいない。

仲間がほしい。

だから僕は2人の息子に期待している。
飲めない一家の子供だからかなり不安。

どうか飲めるようにしてくださいと願うばかり

後は子供が大きくなるまでの間、
僕の肝臓が壊れない事を願う。


僕には夢がある。
大きくなった息子と酒を飲む事だ。


そんな事を
昼間から酔っぱらい
ソファーに寝そべり
雨が降っている外を見ながら
クソ親父は思ってます。

みんなお昼寝中の静かな部屋から。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?