「隣人愛」と「力への意志」の違い
ニーチェは、キリスト教的な隣人愛を「弱者によるルサンチマンだ」と痛烈に批判した。そして、隣人愛に変わる思想として「力への意志」という思想を打ち立てた。
それぞれはどう異なるのか。
竹田青嗣の「ニーチェ入門」から引いてみる。
キリスト教の「隣人愛」もまたひとつの根本仮説、極めて強力な根本仮説でである。それはつまり、「人間はたしかに争いあうが、しかし根本的に人間は、自分を捨てて他者を受け入れ、自分よりむしろ他者を愛することができるような存在である」と説く。なぜなら、結局他者こ