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その子のメジャー(専攻分野)に繋がる本

初出 2017/08/07 Blogger「PonoLipo 子ども Lab」

  大人でも、文学が好きな人もいれば、ノンフィクションやSFが好きな人もいます。歴史の本や、地図、旅行ガイドなどを読むのが楽しみな人もいます。クロスワードパズルや数独の本が大好きな人もいます。小さな子どもたちだって同じです。

 ゆくゆくその子が、大学や専門学校などに進学するにあたって、自分のメジャー(専攻分野)を決める時に決め手となるのは、ストーリーブックではなく様々な分野の図鑑や事典、クイズブックやアトラスかもしれません。

 実際に、ハワイで6才の頃、めくってもめくっても灰色の石の写真が載っているDK社の「岩石の図鑑」を買ってくれと、泣いてせがんだ息子が、長じて理学部地学専攻岩石コースの修士課程を経て、今鉱山技師の仕事に就いています。あの時「なんでこんな面白みのない地味な図鑑が欲しいのか???」とたじろぎましたが、普段は余りねだったりしない子だったので、こちらが腑に落ちないままでも、欲しいという本をそのまま買ってあげて良かったと振り返って思います。

 その後、日本に帰って来て10年間くらいは、ポケモンと遊戯王で頭いっぱいで、将来の夢はゲームを作る人になることとか言っていたわけで、その6才の石の図鑑から一直線にメジャーに繋がったわけではないことも書き添えておきます。

 小さい時にその子の中に植わった種が芽吹くのに10年以上の長いトンネルがあって紆余曲折するものだということを忘れないで「この間買ってやったあの本は読んだのか?」などと即時の効果を求めてプレッシャーをかけたりしないで下さいね。コスパとかタイパとかいう概念を子育てや親密な人間関係に持ち込むことは、かなり間違った道へ踏み込み、お互いに軋轢と葛藤を生む迷い道になると思います。

 親の方が「ひょっとして、小さい頃からずっと一生懸命手をかけてあれこれやってきたことは、全部無駄だったのかもしれないなあ」と遠い気持ちになって、白髪がどっと増えた頃、幼い時に植わった種がひょいと芽吹いて、スルスルっと育っていき、あっという間に飛び立って行ってしまうというのが、子育ての現実なのかもしれません。

 子離れしてから、しみじみ思うのは、幼少の頃に一生懸命あれこれ夢中になって一緒に楽しくやって来た事は、決して無駄じゃなかったなという安堵と、幼い頃にもう少し丁寧に寄り添って遊びながら、いろいろお話してあげられたかもしれないのに、なんだかしょっちゅう余裕なくキリキリガミガミ言って申し訳なかったなあというほろ苦い後悔でしょうか。

 子育ての最中は、とかく一喜一憂しがちですが、慌てず焦らず根気よくです。親の方が本人より先に諦めたり、見損なったりしないで下さいね。あなたの子ですから、大丈夫、ちゃんと芽吹いて育つはずです。そして、本当にその子が欲しがるもの夢中になることは、止めないで受け入れてあげて下さいね。特にそれが本なら尚更です。


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